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反撃の準備

「終わったか、何か分かったか?」

 今更だけど飯綱さんと最初にあった時のイメージと全然違う。ウカタマにセクハラ紛いの事をされて顔を赤らめていた時と比べるとかなり人が違う気がする。戦闘モードって感じかな?


「一応、解剖をしてみたんですけど、甲殻を剥がして中を見てみたら弱点っぽい所は見つけました。でも、そこを攻撃するのはかなり難しいと思うのでやっぱり吹雪か熱湯を使うのが良いですね。炎も効くと思いますが……」

「稲を燃やしてしまうかもしれないのは避けたいな……」

 やっぱりというか、稲の事を大切に思っているから出来るだけ稲にダメージを与えない様に立ち回ろうとして身体能力強化で虫の頭を潰すなんて手段を取っているんじゃないだろうか?これはウカタマと一度話し合う必要があるかもなぁ……


「甲殻を剥がすと剥がした甲殻は崩れ落ちてしまったので素材に出来ませんでした。虫の体内に体を動かす為の神経の中枢っぽい袋の様な物が存在していてそれを摘出、もしくは破壊したら虫の体がバラバラになったのでそれが弱点と見て良いかと……中から魔石が出てきたのでもし、何か使う用途があれば倒した個体から取るのも良いと思います」

 あの神経袋、多分だけど今回の侵略者全部に付いていると思う。種族として体の形や多少の性質の違いとかはあっても体を動かす根幹の部分は変わらないと思う。例え指揮官だろうとも


「なるほど、そのような器官が……こちらもある程度得た情報を纏めていた所だ。あとは国の仲間達にこの情報を広めればいつでも行ける状態だ」

 流石に戦えるのが飯綱さんだけな訳が無い。情報を広めるのに多少時間が掛かるだろう。その間にウカタマに相談してみよう


「じゃあ飯綱さんはその情報拡散をお願いします。僕はウカタマの所にもう一度寄って行きたいので」

「あぁ、これでやっと取り返す事が出来る!」

 やっと射しこんだ一筋の光明。よっぽど嬉しいのか飯綱さんの笑顔が眩しい。その方が絶対可愛いし、良いと思うけど……言わないでおこう。もしそんな事言ったのがウカタマにバレたらまた茶化される可能性がある。思うだけで自分の中で留めておこう


「よし、それじゃあウカタマの所に行くか」

 飯綱さんはさっさと行ってしまったのでウカタマの所に行こう。稲の扱いとか色々聞きたいし、とりあえず行って時間を潰すか




「豊穣の祈りとかは終わった?」

「ん?おぉ、戻ってきたか。全く、行くなと言ったのに行きおって……」

「え?あれって行けって意味じゃ無かったの?」

「身の安全を考慮して行くなと言ったんだがなぁ……」

 やっぱり気付いていたか、でもどうやって気付いたのかな?


「一応ある程度安全に虫の弱点は探れて、僕でも戦う事は出来そうって感じですね。それでちょっと聞きたい事があってね?」

「何を聞きたいんだ?」

 まぁ、どうやって知ったのかも知りたいけどやっぱり炎を使えるかどうかとかも聞きたい。ここに住んでる人達だと聞きにくいかもしれないし、ある意味部外者である僕が訊ねるのが一番良いと思う


「虫の弱点とかを考えると炎の魔法が使えると多分かなり戦いやすくなると思うんだけど……使っても良いかな?」

「炎……つまり稲が燃える可能性があると?」

「一応吹雪と熱湯が効くっていうのは既に分かってるんだ。アイツらの甲殻アーマーは面に対する打撃や斬撃がかなり効きにくいから甲殻アーマーの隙間から内部の筋肉を凍らせたり、筋肉自体を熱湯で茹でてしまって殺す。ここで炎が直接使えれば相手を焼き殺す事も可能だろうし、ウカタマの炎魔法の使用許可が欲しい」

 熱系攻撃(礫などの打撃系ではなく)が効くのは検証でも明らかだ。使わせてもらえれば戦いやすくなるのは確実だが……


「流石に燃えてしまったら私の力でも元に戻す事は出来ない。凍り付いた、熱湯が掛かったと形を保っている状態ならまだ私の力で何とかする事は出来るが……流石に燃えてしまってはな?」

 あぁ、そっか。それなら確かに燃やすのはダメだな。本当に食らい尽された稲が全くない場所であれば良いかもしれないけど稲が残っていればウカタマの力で再生させる事が出来るとなれば炎は使わない方が良いだろう


「了解。それじゃあ飯綱さん達には炎を使わない様にしてもらおう。ウカタマは出来るだけ稲が残る様に何か出来るならそれをやってもらえる?」

 ウカタマに何が出来るのかの詳細は分からないけど、出来る事があるならやってもらおう


「任されよう。どうせ私の予想を超えている事を仕出かすに決まってる。ハチは稲を気にせず存分に戦えば良い」

「僕は炎魔法とか使えないから燃やしたりはしないというか出来ないよ。まぁやりたい事はやらせてもらうけど……出来るだけ稲は荒らさない様に気を付けて戦うよ。それで侵略者を倒せたらご飯を食べさせてもらうよ?」

 これからの戦闘は一応尖兵らしい奴らの弱点が分かっている状態で戦う感じになる。正面からの戦闘なら多分飯綱さんが率いる魔法が使える人達なら負けないと思う。オーラで敵が見分けられれば指揮官のみを潰して回るなんて事が出来ると思う。正直【ミスティックミスト】をばら撒いて走り回るだけでもサポートにはなるかな?



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― 新着の感想 ―
[気になる点] これはウカタマと一度話し合う必要があるかもなぁ……  要があるかもなぁ…… 上の方で誤字があったんだけど段落分けされてるせいで誤字報告出来ないので感想に書いときます。
[一言] もし使えるなら、雷系が最適な気がする 内部に浸透してダメージを与えそうだし、『稲』妻と言うしね
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