真面目な話
「お許しください!お許しください!」
「おぉい!?お許しくださいと言いながら殴る力が凄まじいんだが!?」
「日頃抱えている不満とかをぶちまける勢いで頑張りましょう!従者の不満を解消するのも主としての役目だと思います。だから、許しを請うんじゃなくて全て発散するつもりで!どうしても赦しが欲しいなら、僕がシスターとしてあなたを赦しましょう!」
「何ィ!?」
シスター服に着替えて、とりあえず祈りのポーズをしておく。ほらほら、シスターが赦すんだ。存分にやってくれ
「それは……はい!シスター様のお赦しも出たので存分にやらせていただきます!」
「ちょっと!?君、私の信奉者だよね?なんで他の神の赦しを得ようとするんだ!?」
僕が赦したからなのか、巫女さんが殴るパワーもスピードも上がった。何と言うか、思いきりとキレが良くなった気がする
「ちょっ、痛たたた…マジで痛いぞ!?」
「【ライフシェア】もっと自分の溜め込んでる鬱憤を全て出すつもりで!」
「はい!」
流石に殴られっぱなしだし、HPの回復くらいはしてやろう。これで益々ウカタマを殴れるだろう。まぁ、僕のHPでは微々たる物だろうが……
「ふぅ、スッキリ……はっ!申し訳ありませんでした!」
一頻り殴ってスッキリした後、自分のした事がとんでもない事だと気が付いて焦って謝る巫女さん
「何でも言う事を聞けと言ったのはそっちですからね?言う事聞かせたのに罰を与えるなんてそんな理不尽な事、稲神様ともあらせられる方がする訳無いですよねぇ?」
上司命令で逆らえない状態で僕に命令されて、上司をボコボコにした。でも、命令に従えよ?と上司が言ったんだから、その命令に従って辞めさせられるのは理不尽だよね?と理詰めで脅した。ウカタマならきっと……
「ぐぎぎ……確かに、言った通りだが……」
「ちゃんと回復もしてあげましたよね?」
【ライフシェア】を使って回復も入れたので文句は言えないだろう。ウカタマのHPでは微量過ぎてほぼ意味ないだろうが
「ぐぬぬぅ!」
こっちはエロしか考えてない奴と違って、色々考えてるんだ。このまま押し切って大豆を手に入れてやる!
「あなたは命令に従っただけですし、僕も改めて赦しますからもう気にしないでください」
「シスター様……ありがとうございます!」
「あれー?ちょっとー?」
これでこの巫女さんは完全にこっちの味方に引き入れる事が出来たはず。さぁ、2対1だぞ?
「まぁ、私が悪いという事で終わらせようじゃないか。いつも飯綱には資料のまとめ等を任せて迷惑を掛けていたからな。ガス抜きには丁度良かろう?」
なんだよ。まともな思考持ってたなら、最初からそれで行ってくれよ……
「そうだったのですか。……稲神様には大変失礼な事をしたのは間違いないので、シスター様には申し訳ありませんが、罰はやはり受けます」
「罰など与えん。揶揄ってすまなかったな?この客人の相手は私自身でやるから、飯綱は休んでおれ」
流石に稲神様と言うだけあるのか、一方的にボコボコに殴られてはいたけど、ウカタマは一歩たりとも痛みや衝撃を逃がす為に後ろに下がる素振りもしていなかった。効いていないというよりは、不満をしっかり受け止めるという感じだったかもしれない
「ありがとうございます。それでは、失礼します……あっ、資料はここに置いておきますので、ご自由にお使いください……」
殴りで大分力を使ったのか、少しフラフラして部屋から出て行こうとしていた
「あっ、飯綱さん?ちょっと待って下さい」
「はい、なんでしょう?」
「お疲れの様なので【レスト】」
疲労を飛ばすには【レスト】がベストだろう。説明も無く掛けてしまったので、飯綱さんが倒れそうになった。何とか彼女を受け止めて、そっと地面に寝かせる。疲労が無くなるといいな
「おい、何をした?」
「ちょっとした疲労抜きです。見てられないほどフラフラだったので、何か疲れる事が有ったのかと……」
ウカタマの方を向き、若干軽蔑する目で見る
「まぁ、私に苦労している事もあるだろうが、侵略者共が来ておるからな。……それの対応とかで疲労も不満も溜まっていたのだろう。私に当たる事でそれが発散されるなら甘んじて受けようと思っていたが……助かる」
凄い真剣な感じで喋る。あの感じはある意味場を盛り上げる的な感じでやっていたのか?それに侵略者?
「はっ!?今のはいったい……」
「あぁ、おはようございます。体の調子と気分はどうです?」
「あれ?疲れが……」
飯綱さんが肩を回してみたりして体の感覚を確認しているが、疲労が残っている感じはないみたいで良かった
「まぁ、もしかしたらがあるかもしれないので一応休んでください」
「あ、ありがとうございます!これでまた働けます!」
「えっ、ちょっと……」
バビューンと音が鳴りそうな勢いで走っていく飯綱さん。うーん、できれば休んでほしいんだけどな……
「飯綱もこの国を守る為に休む時間も惜しんでいるからな……」
「ひょっとしてこの国って結構ヤバい状態だったりします?」
「絶対に滅びないとは言えない状況だな」
それ滅亡しそうって言ってる様な物じゃ無い?
「その侵略者?って、どんな奴なんです?」
「分かりやすく言うのであれば、人型の虫の軍団だ。奴ら、私達が丹精込めて作った米を食い散らかしやがる」
そう言って、牙剥き出しで怒りの表情を露わにするウカタマ。もしかして、僕が見た場所は何とか守って確保していた場所だったのか?
「手伝うよ」
と、一も二もなく答えた。農家じゃ無いし、米を作った事とかは無いけど、丹精込めて作った物を対価も払わずに奪われるのなんて理不尽だ。それにウカタマもただのエロ全振りかと思ったけど、その空気を悟られない様にしていたのかもしれないと思うと、案外まともな奴なのかもしれない。それにこのまま放置していたら、多分お米も大豆も入手出来なくなるしね?




