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待ち望んだ物

「うおっ!なんだここ!すごっ!一面黄金色だ!」

 景色の歪みが無くなると一面黄金色の土地。稲穂が沢山あった


「どう?気に入ったかしら?」

「これ全部お米ですか!?」

「ええ、収穫したいならすぐにでも出来るけど、まだ、あなたには収穫させる事は出来ないわね?」

「おぉ……すげぇ」

「ちょっと?聞いてる?」

 ほとんど聞いてない。黄金色の穂が風でざわざわしている所を見るのにちょっと心がうきうきしている。なんだろうね?こう、収穫前の稲穂を見るだけでテンションが上がる


「ちょっと?目の前に超美人が居るのにその態度はどうなの?」

「え?あぁ、ごめんなさい。稲穂が綺麗だったので……」

 綺麗は綺麗だけどこの人なんかオーラの形が変だったから多分この姿は幻覚か何か違う物だと思い、ちょっと優先度が低かった


「ふーん?美人より稲穂の方が良いんだ?」

「いや、だってその姿絶対本当の姿じゃ無いですよね?本当の姿も見せないのならこの景色の方が僕にはずっと綺麗に見えますね?」

「言うねぇ?これでも稲穂の方が気になる?」

 そう言うと肩に例のたわわを乗せてくる。なんだ?誘惑して来てるんだろうけど……僕にとってはオーラでこの人の姿は本当は別の姿だと分かってしまうとドキドキもしない。ネタバレされた映画を見てる気分?この先こうなるよと先に言われて盛り上がりポイントで盛り上がれない気分では興奮も何もない。あと()()()なんか仕掛けてきたな?一瞬何か魔法を掛けられた気がする。何がしたいんだ?


「で?重いんでそろそろどいてくれません?邪魔くさいんですけど?」

「なっ!?誘惑(チャーム)が効かない?」

 精神系魔法には耐性あるし、オーラでネタバレ映画状態の相手には興奮もしない。全身ぴっちりスーツっぽいヘックスさんの方がエロ……この話はここまでにしよう。絶対火傷する


「いやぁ、稲穂良いなぁ……」

「ぐぬぬ……色気より食い気か!」

「人を食いしん坊みたいに言わないでくれますか?あと、ここ何処なんです?」

 稲穂もそうだけどここはいったい何処なんだ?さっきまで寒村みたいな所だったけどここは辺り一面黄金色。さっきとは全然違う場所だし、ここは何処なんだろうか?


「随分な物言いね?まぁ、良いわ。ここは私の国である御稲(みしね)の国。まぁ稲の国と言えば良いわ。この国では稲が一番作られるからね」

「はぇ~」

 御稲の国ねぇ……これ本当に大豆あるのか?すっごい心配になってきたぞ?


「ちょっと?ちゃんと聞いてる?」

「え?いや、大豆無いのかなと……」

 稲の国で稲しか無い。だとそれはそれで困る訳で……あくまで米はあればそれは欲しいけど第一目標が大豆だから僕の中の優先度だと大豆>>>(越えられない壁)>>>お米だ。自分で食べる用なら一応ジャーキーとかでも事足りる。確かにお米も食べたいけど、ヨウちゃんのモフモフするを考えるとやはりこの優先度はひっくり返りはしない


「仕方が無いなぁ……」

 羽交い絞めにされ、また景色が歪む。この人はもしかしてワープ機能でも持ってるのか?




「重いんですけど?いつまで僕の肩に乗せてるつもりですか?」

「いやぁ、この方が楽でね?」

 嘘つけ……本当の姿は違う癖に……


「それよりもほら、これでも何か言いたい事ある?」

「ん?おぉ!大豆だ!やっと見つけた!」

 桶みたいな物に沢山入った大豆の山。これだけあれば豆腐で家が作れそうな気がする


「これが欲しいのね?欲しがりさん☆」

 頬を突かれてちょっとイラっと来る。ガワは美人だけどネタバレ映画たわわと挑発?で馬鹿にしてるのか?と思ってしまう


「そろそろ本当の姿で話しませんか?いい加減邪魔なんですけど?」

「こっちはわざわざ人間の為に合わせてやってるんだぞ☆」

「あぁ、僕別に人間以外とも話せるんで大丈夫ですよ?」

「ほう?」

 完全に雰囲気が変わった。どうなるかな?


「それでは久しぶりに戻ってみるか」

 イラっとする話し方を止め、体が変化していく。どんどんサイズが大きくなっていくぞ?


「これでも良いのか?」

「おぉ……その姿の方が全然良いですね!尻尾触っても良いですか?」

 赤い前掛けっぽい物を付けた狐。オーラの形と姿がようやく合致した。これが本当の姿なんだろう。こっちの方が断然良いわ


「お前は女より獣の方が欲情するのか?」

「もの凄い言いがかりはやめてくれません?流石に女性の方が好きですよ」

「その言い方だと女の方が好きだが、獣もイケるという風に聞こえるぞ?」

 頭の中ピンク一色か?


「なんでそっちの方面に引っ張って行こうとするんですかね……僕は単純にその姿の方が無理していないから良いって言っただけなんですけど?」

 確かにあの花魁スタイルな見た目の方が良いって言う人が大半かもしれないけど、僕は何となく無理してるかもしれない姿よりは自分らしい姿の方が良いと言ったまでなんだけど……どうしてそういう捉え方をしてしまうんだろうか?


「その手口で何人喰ってきたんだぁ?おぉん?」

「こいつ面倒くさい……」

 どうしてそういう方面に繋げたがるんだ……おじさんみたいなのやめてくれないかな?



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― 新着の感想 ―
ハチもちゃんと男の子だったんだってことが分かってなんか安心したー笑 色仕掛けは効かないけど、ちゃんと男子高校生っぽいこと考えてる笑
[一言] 〉おじさんみたいなのやめてくれないかな これを称して親父ババ……やめっ! なにをする! ぎゃー!
[一言] ハチ君は若いのに枯れて居るところが有るから、安い色仕掛けは効かないと思う。
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