海底海賊船
「あれま、これは大発見では?」
深海との境界線みたいな所、そこまで進んで行くと深海に落っこちそうになっているボロボロの船を見つけた。これ海賊船とかそういう物じゃないか?
「レベル上げもしたいけど……あんな物見たら中を確認したくなっちゃうに決まってるんだよなぁ」
沈んだ海賊船の様な物。お宝とかあるかもだけどそれよりも骸骨船長とかが居るかどうかが凄く気になる。幽霊海賊船なら実際に触れる事が出来るのかとかも検証したい
「おぉ、凄い。本物の沈没船かな?いやでも、がっつりドクロマークが描かれてるな……」
まだただの沈没した船の可能性も考えられたけどドクロマークの描かれた旗があったので多分海賊船なんだろう
「中に入ってみよう」
海賊船に乗り込め―!
泳いで船の上まで行っても良いし、登って甲板まで上がっても良い。でも一応こっそりと登って上がろうか
「うぉ……」
甲板には座り込んでいるような骸骨がそこら辺に居た。オーラが無いから多分動きはしないと思うけど……
「全員骸骨なのかな?」
舵の所にも倒れている骸骨が居る。船の中はどうかな?
「これまた立派な帽子な事で……それにお宝沢山あるなぁ?」
船長室とでも言うべき部屋があったのでそこに入ってみると沢山の宝箱と一緒にフジツボっぽい物が付いた帽子を被っている立派な骸骨……他の甲板とかに居た骸骨達よりも大きいし、どことなく威厳を感じる。やっぱ船長かな?
「これは……なんだろう?動かせる感じはしないし……もしかしてダイコーンさんのバイクと同じ感じ?」
コードが付いた黒い水晶玉の様な物が船長らしき骨の右手に握られている。魔力供給をする事で動きだしたりするのかな?ちょっと水晶玉を失敬して魔力を流してみるかな
「【解除】おっと、これはヤバい量が必要かもしれない」
【アビスフォーム】を解き、シスター服に変えてから魔力を注入したけど全然貯まってる気配がない。これマジで100万位MP入るんじゃないか?
「ゆっくりで良いから貯めていくかぁ……」
MPを回復しては注入して、回復しては注入してを繰り返してこの海賊船?にMPを貯めていく。MPが一気に空になったり、祈りで一気に回復したりで結構頭がクラクラする。うん、流石に100万近いMPを1日で貯めるのは厳しいね。とりあえず5万MP位までは頑張って貯めてみるか。それで一旦ログアウトして休憩しよう。部屋の角にある宝箱の影でログアウトで多分大丈夫だろうか?【水中呼吸】のスキルはあるからログアウトしても多分死にはしないと思う。しないよね?
「良かった。生きてた!」
休憩してからもう一度入り直してみたらちゃんと生きてた。いやぁ、賭けだったけど成功して良かった
「さて、もう少しMPを入れてみますか!」
もしかするとこの船が動くかもしれない。そんな浪漫があるかもしれないだけで試したくなるものだ
「ゲッホッゲッホッ!ゴホッ!」
「うわっ!ビックリした!」
水晶玉にMPを流していたら急に後ろで誰かが咳き込んだ。驚いて振り返ってみると……
「わおっ!動いてる!」
「あぁ!?ナニモンだ貴様!?」
骸骨船長が動いていた。それに喋ってる。水中だから聞こえるのか……とかそういうのは無いみたいだ。まぁその辺リアル過ぎても困るって事なのかな?ありがたいけど
「おっと、こんな事をしてる場合ではない。出航の準備だ!野郎共!」
「「「「「……」」」」」
勢い良く船長室から飛び出す船長さんらしき骸骨。だが、甲板に居る骸骨達は誰も動いていない
「何してやがる!さっさと出航の準備だ!」
「あの……」
動かない骸骨達に怒っている船長に後ろからゆっくり話しかける
「ええい!何故皆動かん!」
「一旦放置しておくか……」
このまま居ても話が通じない感じがするので戻ってMP貯め作業に戻る。多分これMPを貯めると骸骨達が復活して船が出航してくれるのかな?
「あれ?ちょっと効率良くなった?」
さっきよりもMPを水晶玉に流した時のゲージの貯まり具合が若干良くなった気がする。船長が復活したせいかな?
「これもしかして、100万MPじゃなくて復活していけばどんどん効率が良くなっていくのか?」
100万MPが必要なのではなく、これは船が動くまで残り何%の指標なのかもしれない。これ骸骨達を回復していけば一気にゲージが進んだりしないかな?MP貯めは一旦終了して骸骨達のHPを回復させるか
「いつまで寝てやがる!さっさと起きやがれ!」
「【ライフシェア】」
船長が喝を飛ばしてるけど多分全員ほぼHPが無く、動けない状態だと思うので甲板の骸骨達に【ライフシェア】をして行く。HPもMPも貯まったり減ったり繰り返して忙しいぜぇ……
「「「「「あ、船長!」」」」」
「やっと起きたかお前ら!出航の準備だ!」
「「「「「アイサー!」」」」」」
【ライフシェア】をして回ると骸骨達も起き上がっては仕事をする為に色々な所に動いていく。多分進んでるよね?
「おっ!さっきより明らかにゲージが溜まってる!」
船長は特にこっちを気にしていない感じだったのでまた部屋に戻って水晶玉に触れてみるとゲージが残り2割位になるまで進んでいた。やっぱ直接やっても良かったんだな。さて、後2割頑張りますか!




