第二の師匠
「何をどうしたら使えるのか……とりあえず朝ごはん作るか」
ログインした時、朝日が昇っていたので朝ごはんを作る為キッチンに向かった。そういえばログアウトしていた時はどうなっていたんだろうか?
「うぅ、うぅ……ごはん」
死に掛けっぽい声でソファに寝そべっていたモルガ師匠。なんだこの様子?1日か2日食べていないのか?
「モルガ師匠?何してるんですか?」
「っ!来た来た!ご飯!よろしく!」
えぇ……もしかしてログインするまでご飯食べてなかったのか?
「分かりました、とりあえず作りますから待っててください」
ご飯を自分で作れないと生活きついでしょ?
「やったやった!久々の美味しいご飯だからお腹を空かせて待ってたんだよ……」
「食材は沢山使っても良いんですか?」
「いーよいーよ!毎日食材は入ってくるから」
どういう仕組みかは分からないけど食材は毎日入ってくるらしい。なら遠慮なく使おう
「じゃあスープと山盛りのパスタにでもしましょうか」
「良いね良いね!待ちきれないよ」
だらけてソファに寝転がるモルガ師匠を横目にキッチンで料理をしていく。真面目に料理するのもちょっと考えてしまうけどまだ2人食べるかもしれないと考えるとしっかり料理しなくてはいけないと悪い考えを消す
「【領域】は【念動力】と似てるかもしれないね……」
「え?」
いつもの雰囲気と違ったふざけている感じでは無く、唐突に小さくボソッと言われたので一瞬誰が言ったかと聞き直しそうになったけど、ここに今居るのは僕とモルガ師匠だけだ。誰が言ったかなんて明白だろう
「【念動力】……思い通りに動かす?【領域】……更にその上とか?」
【念動力】は多分物を動かす力だけど【領域】はその更に上で地形なんかも何とか出来たりするのかな?
「おっとと、煮詰まっちゃうところだった」
スープを作っている最中にそんな事を言われたら色々考えてしまう。危うくスープが煮詰まって味が凄く濃くなるところだった
「そういえば魔法って自分で作るというか訓練って出来るのかな?」
そもそもの話、スキルであれば自分の行った行為がスキルとなるのはこれまでやってきた事で分かっているけど、魔法に関してはレベルアップぐらいでしか覚えていない。だから誰かから魔法を教えてもらうって事自体初めての経験だ。そういう事が出来るのかも色々試してみないと
「はい、出来ましたよー。あ、おはようございます」
「おはようハチ君。今日もご飯ありがとう」
「おはようございます。いっぱいありますね?」
だって沢山作っておかないと君らもの凄いペースで食べるじゃん……
料理じゃない方向性に尖っているこの3人だと僕が料理を作るべきだろうから仕方が無いっちゃ仕方が無い。けど流石に料理は作れるようになっていた方が良いと思う
「さてさて、それじゃあ今日もいっぱい食べていっぱい頑張ろう!」
宣言してからバクバク食べるモルガ師匠。相変わらずバクバク食べるなぁ……
どうすれば魔力を扱えるのか、どうすれば新しい魔法を使えるのか……あっ、あの人……あの方に聞いてみるのもかなりアリなのでは?
「モルガ師匠?ちょっと派手な事しちゃうかもしれませんけど庭の端っこでやるんでそれの許可を貰えますか?」
「なになに?何をするつもりなの?」
「ちょっと色々考えてまして……僕も例の物を早く覚えたいのでそれのヒントを探す感じですね。それであまり見られたくない類の物なのでその辺り配慮してくれたらと……」
「りょーかいりょーかい。皆は家の中でやってるからハチ君は存分に外で頑張ってよ!」
「ありがとうございます。頑張って物にしてみせますよ」
アレを見られる可能性は大いにあるけど、僕はちゃんと言ったからね?
「さてと……ガッツリ見てるな?」
ご飯を食べ終えて、食器も洗い終わって僕の準備が出来たので庭に出た。【察気術】で後ろのモルガ師匠の気配を感じ取り、隠れているつもりだろうけどガッツリこっちを見ている事を確認する。まぁモルガ師匠に言った所で聞く気は無いだろうと思っていたのでこのまま発動しちゃおう
「【アビスフォーム】」
僕の周りに波動の様な物が出ながら体が黒い靄に包まれて姿が変わる。これでアビス様とちょっとした会話も出来るはずだ
「ひょえっ……」
後ろで間抜けな声が聞こえた。まぁ放置で良いだろう
「アビス様、聞いていますか?」
(なんだ?)
良かった。聞いてた
「魔力を操るって事について聞きたいんですが……よろしいですか?」
(魔力を操る?そんなものは只の意思の強さでしかない。己が思うままに使えば良い)
「要するにこういう風にしたい。だからMPを消費するって考えれば良いんでしょうか?」
(それで試してみると良い。中々上手く行かないだろうがな?)
アビス様の方が師匠師匠してる気がする。凄いヒントだ
「わざわざ呼んでしまってしまってすみません。でもお陰でヒントが見えた気がします!」
(ならば、その力でもっと面白い物でも見せるんだな)
「出来たらやってみます。【解除】」
靄が霧散し、ローブ姿に戻る。モルガ師匠が言ってた言葉とアビス様の言葉を合わせればやることは決まった様な物だ。後ろで腰を抜かしているモルガ師匠の腰をもっと抜かせてやろう




