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雑用係?

「うへぇ……疲れたぁ」

「ほうほう……まさか休憩無しでここの草を全てむしる事が出来るとはねぇ……」

「一応薬草とかあったのでそれは抜かない様にしておきました」

「うんうん、色々考えているみたいで良い弟子を持ったなぁ」

「あれ?そういえば僕いつの間にモルガさんの弟子になりましたっけ?」

 モルガさんのお願いを聞いて身分証を貰うっていう感じだったと思うけど……そういえば弟子だっけ?


「ちょっとちょっと?忘れてもらったら困るよ?君が私の弟子になって身の回りの世話をして、私の隠居生活の手助けをするっていう使命があるでしょ?」

「そんな使命を受けた覚え無いんですけどねぇ……」

 なんかいつの間にかモルガさんの身の回りの世話をする事になってる。そこは違うと訂正しておかないと良いように使われそうだ……ひょっとしてこれが悪い人に良いように使われるという事だろうか?


「まぁまぁ、でも魔力は沢山使ったでしょう?」

「それはそうですね。結構魔力は使いました」

 一応僕の姿が見えない様に手前の草を残しつつ、シスター服を使って草を抜いて、最後はローブに戻して残った草を抜いてで終わらせたから終盤MPがカツカツで結構キツかった


「そうそう、これで君が自分の魔力を使った事でこの辺りに君の魔力で満ちているよ?」

「そうなんですかね?」

 流石に【察気術】で他の存在を感知する事は出来ても自分の魔力を感知するのはちょっと難しい。満ちてるよ?って言われたらそうなのかな?と……


「あれあれ?君なら自分の魔力くらい分かると思ったんだけどな?」

「周りの気配とかは何となく分かるんですけどね?自分の事は結構分からないものですね?」

 自分の事をよく知らないというのはどうかと思うけど、実際魔力で満ちてるって言われても判からないから判らないし……もしかしてMPは消費したらただ消えるって訳じゃ無く、自分から発散して空間に残るって事なのかな?


「ではでは……【結界魔法】は基本的にあっちの子が言っていた様に防御や支援が良く目立つけど、自分の魔力を空間に充分に満たしてからやれば自分の意思をより反映させる事が出来る様になるよ?」

 なんか眼鏡クイッてやりながら指差し棒でも持ってそうだ……


「空間に魔力を満たす……もしかして近くで他の人に魔法とかスキルを使われたらダメとか?」

「うんうん、絶対にって訳では無いけど……で、ここからが重要で、一般的な【結界魔法】って空間を魔力で満たすまでの時間稼ぎに過ぎないよ」

 なんか凄い情報をぶん投げられた気分。僕が持っている結界っぽい魔法と言えば【聖域展開】だろうけど……逆に言えばそれくらいしか結界魔法らしい魔法は持って無いんじゃ無いかな?


「ところでところで、君?草むしりしてる最中に非常に気になる反応を感じたけど、弟子は何を師匠に隠しているのかな?」

 おっと……流石に雑草ブラインド程度じゃ誤魔化せなかったか。だけどどうする?教えるべきか黙っておくべきか……


「な、何も隠して無いですよ~」

「こらこら?隠すんじゃないよ~?師匠命令増やしちゃうぞ~?」

「それは横暴なのでは?」

 身分証が欲しいから実際断るのはほぼ無理だとしてもあの服をこういう人に見せたら何かしらの反応がありそうで若干渋ってしまう


「まぁまぁ、何か特別な装備でも着てたんでしょ?見せてよ?」

「……分かりました」

 観念して聖女の戦闘用修道服をモルガさんの目の前で装備する


「おっとおっと……流石にこんな滅多にお目にかかれない物を持っているとは思わなかったなぁ……?」

「まぁ、僕にも色々あるんですよ」

 これに関しても詳しく説明しようという気は無い。下手に教会の皆の所に押しかけられて迷惑を掛けてしまうかもしれない可能性があるし、いくら身分証をくれると言われてもこれは流石に守らなきゃいけない範囲だろう


「あらあら、流石にそこまでは教えてくれないか。まぁそういう物を君が持ってるって情報を得られただけでも充分だね。それのお陰で魔力回復が早いならもっとキツイ物をやってもらえる」

「うげっ……」

 しまった。MP回復が出来る事を知られたから草むしり以上の何かをさせるつもりらしい。これは失敗したかな?


「さてさて、次は何をしてもらおうかな?塀の塗装を塗り直したりしてもらおうかな?それともお昼ご飯でも作ってもらおうかな?」

「弟子というより雑用係とかでは?」

「さぁさぁ!やってもらおうか!」

 包丁とお玉と刷毛みたいな物を渡される。こっちの返事は聞くつもりが無いらしい。いやまぁやるけどさ?


 一応師匠?のモルガさんの言う通りにまずはお昼ご飯の準備をした。ロザリーさんとモルガさんの分を考えて2人分だ。そしてそれを作り終えたら刷毛を持って塀の塗装をする。どうやらこの刷毛は魔法の刷毛らしく、魔力を込めれば色が出てくるらしい。だけど込めた魔力の量で色合いが変わってくるらしく、一定の量で出せなければ色が変わってしまうのでダメだとか……それでモルガさんが出した条件は白色で塀を塗るという条件。白は僕の総MP全て(軽減分も考えて)を使っても一気に塗れるのは2mが良い所。要するにコスパは最悪という訳だ。ジャーキーを齧りながら壁を塗るシスター服の男という、シュール詰め合わせパック状態で僕は塀を白く塗っていった

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 雑草を抜くシスターなんて序の口だった……壁の塗装(笑)
[一言] ゲームのクエストやお使いイベントは、こちらの事情なんて考慮しないのがデフォだからね。 そんな理不尽な事も、特別な物が手に入るのだからプレーヤーは耐えてクリアするしかない。 明けましておめで…
[一言] えっと、聖なる呪いの雑用怪人シスター神話生物? 混沌としてますね
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