良い奴(素材)発見
コウモリを倒してもナイフを突き刺して素材にはしないで持っていく。ナイフを刺して素材にした方が楽だけど、自分で解体した方が欲しい部位の素材が取れるから今倒したコウモリが腰から糸で吊り下がっている状態……見られたら騒がれそうだなぁ
崖を垂直に歩いて、腰からコウモリを吊り下げる奴とか流石に見かけたら絶対ビックリする自信がある。まぁ誰にもバレない内に洞窟に戻ろう
「とりあえずこれだけあればマントを作る分はあるかな?」
洞窟に並べられた岩の色をしたコウモリ。まずは翼膜の切り取り作業だ
「やっぱり結構岩っぽい柄してるな?これならちゃんと使えそうだ」
場所に応じて色が変わるマントは流石に作れなさそうだし、場所ごとのマントを作った方が簡単そうだ。何より、マントを色々作ったとしてもインベントリに仕舞えるし、その場所ごとにマントを取り替えるのも良いかもしれない。ご当地マント的な?
森林、岩場、砂漠、沼地、雪原……もっと色んな土地があるだろうからその場所に適したマントを作っていく事も僕の冒険の目的にするのも良いかも?新しい目的がまた出来たな?
「綺麗に翼膜は切り取って……流石にコウモリを食べるのは良くないよな……」
コウモリの肉とか食べるところも少なそうだし、なんか危なそうな気がする。翼膜を取ったらナイフで刺して素材にしてみるかな?
『岩蝙蝠の翼膜 を入手しました』
「岩蝙蝠かぁ……割と選択としては正解だったかな?」
岩っぽいと感じた感性は間違いでは無かった様だ。余計な傷を付けない様にどんどん切り取って行こう
「ふぅ……終わった」
称号の【命に感謝を】の効果か、全ての翼膜が綺麗に切り取れた。これを縫い合わせていけば良い感じのマントが作れるぞ?
「大きめのコウモリだったとはいえ、無駄使いは厳禁だな。慎重に使わないと……」
コウモリの翼膜は切り取ったあと少し縮んだ気がした。ピンと張っていた翼膜が縮んで皺が出来た事でなんかより岩らしさが出た気がする。これならもう少し翼膜を集めないと足りないかもしれない
「可能性あるかなぁ?」
翼膜は全て取ってしまったけどナイフを刺して素材を入手する時に出たりしないかな?ここまでやったらもう少し大きいサイズで作りたいし、翼膜が出てこないかちょっと期待しながらコウモリにナイフを刺す
『ロックバットの牙×4 ロックバットの翼爪×5 岩蝙蝠の吸血牙×1 を入手しました』
「出ないかぁ……」
他のアイテムは出たけど翼膜は出なかった。やっぱり出ないかぁ……サイズ的にはあと3匹分くらい欲しい。縮むとは思ってなかったのでもう少し集めてこよう
「そういえば魔糸を上手くやれば縫い針にもなるかな?」
調整はかなり難しいかもしれないけどそれが出来れば針と糸が自分で作る事が出来てどこでも裁縫が出来るかもしれない
「居ないなぁ……」
魔糸を張り付いて隠れていたロックバットというらしいコウモリをもう一度探す。結構倒してしまったから見つけるのが難しい。【察気術】でも張り付いているコウモリは見当たらない。あとちょっとなんだけどな……
「ん?なんか来てる?」
バサッバサッと少し遠くから羽ばたく様な音が聞こえる。辺りを見渡してみるとさっきまで倒していた奴よりもかなりデカい、横幅5~6mくらいあるんじゃないか?でっかいロックバットだ……もしかしてお仕置きエネミー的な奴?
「ーーー!!」
「うるさっ!?」
翼の風圧と超音波での攻撃。これ絶対【ゲッコー】無かったらもう落ちてるな?【登攀】があったとしても超音波を喰らったら耳を塞ぐしかないし、例え片手で塞げたとしても風圧で落とされそうだ。でもこのめっちゃデカいロックバット……良い色合いしてますねぇ?
「君、素材にバッチリじゃないか……」
改めて良くみるとこのデカロックバット、翼の大きさもそうだけど普通のロックバットより翼が丈夫そうだ。あれなら寄せ集めた奴よりもカモフラージュ効果も高そうだし、耐久性も高く作れそうだ
「ーーー!!」
「煩い、よっ!」
崖をゴキブリパワーで駆けあがり、デカロックバットよりも上を取った時に、バッタパワーでデカロックバットに向かって跳ぶ。急な動きについて来れないデカロックバットは回避しようとするが、粘着性を付与した魔糸を飛ばし、デカロックバットと魔糸で繋がる。糸をよじ登ってデカロックバットの背中に……そして初めて使うベルトの蜂パワーを使って、背中に貫き手を繰り出す。何かを送り込む感覚とお腹が減る感覚が同時に来る。蜂パワー結構燃費悪くないか?
「ーーー!?」
だが、その効果はすぐに現れた。急激に動きが悪くなるデカロックバット。もはや飛ぶ事もままならない
「こっちだ!」
翼を握って海の出来るだけ深い方に落ちるように引っ張った。神経毒が効いているか大して抵抗も無いのでデカロックバットと共に海に落ちる。デカロックバットの体で衝撃を吸収だ
「【アビスフォーム】【触手攻撃】」
海に落ちて溺れているデカロックバットの翼を触手を鋏の様に使って両断する。切り取った翼を掴んだらあとは僕だけ泳いで陸に上がってオサラバだ
「あぁ、貴重かどうか分からないオオコウモリが……」
何となく言っておく。デカいコウモリを倒したらなんか言っておきたかった




