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1歩進むと3歩下がる

「んー、これは貝柱だけ食べた方が良いかも?バター醤油なんかもアリだな……」

 まずは貝の身が付いている方をそのままたき火に乗せて焼いて食べてみた。コリコリした食感は中々食べ応えがあって良いけどちょっと薄味で肝とかはあんまり美味しくなかった。これは貝柱だけを食べるのが良いかも


『ビッグアコヤのバター醤油焼き 酒のアテにするとドンドン酒が進む 空腹度+20%回復 5分間INT+10%アップ』


「おぉ!これはイケる!」

「「ちょっと一口貰えるか?」」

 ハスバさんとダイコーンさんが同時に一口欲しいと言ってきた。この2人、酒の肴的な物だと飛びつくのが早いな?


「お好きにどうぞ。いっぱいありますから」

「ありがたく頂くよ」「美味そうだ」

 新しく貝を焼いて、肝などを取り除き、バターを乗せて溶けてきたところで醤油をタラーっと垂らす。バター醤油の良い香りが出てきたところで2人に貝を渡す


「なぁ?これINT上昇の効果がついているんだが?」

「5分間INTが10%上昇するって……この簡単な料理で効果が得られるの凄くないか?」

「ちょっとお話よろしいですか!?」

 チェルシーさんが2人の反応を聞いてメモみたいな物を取り出して僕に詰め寄ってくる


「はいはい、皆の分も作りますから」

 砂抜きしなくても食べられたし、その時間を取らなくて良いのはデカい。どんどん作って行こう


「ハチさん!その肝とか貰って良いですか!」

「良いよー、錬金にでも何でも使っちゃってー」

「やったー!」

 結構グロめな物でも錬金に使えるとなるとなんの躊躇も無く素手で取るトーマ君。モンスターのフンとかに比べたらこの程度何てこと無いんだろう


「はい、皆もどうぞ」

 ビッグアコヤのバター醤油焼きを残っている皆にも振舞う


「結構イケるわね?」

「コリコリしてて美味しー!」

「結構好きな味かも」

「美味いし、これでINTが上がるのはお手軽で凄いな……」

「ハチさんって料理人なんですか?美味しいし、バフも付いてるし……お話聞かせてくれますか!?」

「やっぱりハチさんは凄いなぁ、何でも出来ますね?」

 皆それぞれの感想を言ってくれる。チェルシーさんちょっと面倒だな?


「何でもは出来ないよ?出来る事だけ。サザエはどうしましょう?壺焼きで1つ焼いてみます?」

「あー、無視しないで下さいよ!」

 ビッグアコヤと言っても貝柱だけになると結構簡単に1つ食べられるのでビッグアコヤシェルは全部食べ終わってしまった。だからビッグサザエの方を1つ壺焼きにしてみようかと考えた


「流石にこれはデカいから1つだな……頼んでも良いかい?」

「砂袋は外してくれ。これだけデカい奴のだと流石にヤバそうだ」

 ダイコーンさんに頼まれたので壺焼き一丁だ


「「「見た目が凄い」」」

 焚き火に突っ込まれているデカいサザエ。見ている人全員が多分同じ感想が出ただろう。これが焼き上がるまではとりあえず待つしか無いけど……どうしよう?


「あっ、トーマ君?そういえば召喚出来る様になったんだよね?どんな子が召喚出来るの?」

 そういえばトーマ君が召喚したところはまだ見ていない。どんな子を召喚するのかとても気になる


「そういえばまだ見せていませんでした!じゃあどっちも呼びます!ヨウちゃん!エン君!出てきて!」

 トーマ君が召喚を行ったようで、炎の渦の様な物と空間が歪んでトーマ君と同じくらいの大きさの赤いドラゴンとトーマ君の肩に現れた小さくて全体的に丸っこくて9本の尻尾がある白い狐が現れた


「グアオ!(おはよー)」「キュー……キュ!?(おはよー……うっ!?)」

 若干眠そうな赤いドラゴンと何故か全身の毛が逆立つ白くて丸っこい狐。警戒してるのかな?


「ファイアドラゴンのエン君と妖狐のヨウちゃんです!」

「こんにちは、そこまで警戒しなくても良いよー」

「グア?(え?)」「キュキュ!?(言葉が通じる!?)」

 めっちゃヨウちゃんの警戒度上がってる。毛が逆立ちすぎてもう輪郭が怪しい。毛玉レベルがドンドン上がっていく


「ちょっと触らせて……」

 1歩前に進むと3歩後退る2体。めっちゃ警戒してるせいで全く近寄る事が出来ない。かなり傷付く……


「こんなに怯えた所見た事無いんですけど……」

「そこにモフモフが居るのに触れないなんて……それにカッコイイドラゴンも」

 地面に両手をついてガッカリする。これ辛いわ……


「あぁ……待って」

 もう一度近寄ろうとしてもトーマ君を壁にしたり、他の人の後ろに隠れたり……それやって欲しいわ


「どうして……」

「初めて会ったハズですし……何が悪いのか自分にも分からないです……」

 悲しい事にもの凄く警戒されて近寄る事が出来ないので諦める事にした。せめてヨウちゃんの方には触りたい……どうしたら触らせてもらえるかな?


「狐……好物で何とか……油揚げ……僕はまた新しい旅に出ないと行けないな」

 ヨウちゃんに触る為、僕には油揚げを作るという新しい使命が生まれた。ドラゴンは……何が好きなのかちょっと分からないので悪いが後回しだ


「海水取っておくか」

 油揚げを作るという事はまず豆腐を作るという事だ。それならにがりが必要になるだろう。海水を取っておけば多分にがりは作れると思う。ちゃんと作り方を一度調べて、実際に現実の方で作ってみて、それからこっちで作ってみよう。そうすればヨウちゃんに触れるようになるかもしれない



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― 新着の感想 ―
[気になる点] これ、村に戻った時も警戒というか違和感ありそう……
[一言] アビスのこいつはやらんオーラが人間には聞こえない超音波みたいなオーラが半端ないほどでているんだね‼️
[一言] 深淵スキルで警戒されちゃってるのかな あれモチーフが外の神なら魔物ともまた違う存在だろうし
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