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分身違い

 ある程度情報を纏めてチェルシーさんにボスを攻略した時の事を話し終えた


「こんな攻略法が……というか情報無しでソロであのボスに挑んで勝てるなんてやはり規格外としか……検証は必要だけどこれ報酬どうしたらいいんだろう?」

 チェルシーさんになんか凄い目で見られる。完全に人を見る目じゃない気がする……


「こういう言い方をするのはあまり良くないし、失礼だが、まともに彼の事を全て理解する方が無理な話だぞ?」

 ダイコーンさんのオブラートに包みまくった言い方。ここまでされたら流石に怒るのも馬鹿らしい


「流石としか言えないですね!」

 トーマ君は当たり障りなくて僕も何も言えない


「どうせまた何か新しい魔法とかスキルとか覚えたんだろう?隠さないで言っちゃえ言っちゃえー」

 ハスバさんは相変わらず怒られるラインを反復横跳びをするなぁ?でもこの感じ、ちょっと慣れてきて安心感が出てきたな?……いや、慣れって怖いわ


「あんまり言うと怒りますよ?」

 ハスバさんの座っている椅子の後ろに【イリュジオ】で僕の幻影を出す。余裕な雰囲気(忍者頭巾を被っているから表情は良く分からないけど)のハスバさんの肩に手を乗せる。急に2人目の僕が肩に手を掛けてきたので途端に焦り出すハスバさん


「あ、あの……流石に2対1は……」

「えっ!?【ドッペルゲンガー】!?でも見た感じ悪魔族系統じゃ無さそうなのに……」

 チェルシーさんはキリアさんとキリエさんの【ドッペルゲンガー】を知っているのか。というかその言い方だと【ドッペルゲンガー】悪魔系の人しか取得出来ないっぽい感じかな?


「あ、これキリアさん達の【ドッペルゲンガー】と同じ物では無いですよ?試しに触ってみてください」

 幻影だから


「あれ?通り抜ける……」「実体では無いのか?」「でもハスバさんの肩を抓ってますよ?」「力はそれ程強く感じないな……攻撃能力は無いのか」

 アイリスさんとロザリーさんが幻影の僕に触れようとするが手がすり抜け、トーマ君は僕がハスバさんに軽い仕返しをしようとしていた所を発見し、ハスバさんは肩揉み位の力しか感じていないみたいだ。物は何とか持てるけど攻撃出来る程では無い。それが【イリュジオ】なんだろう。いや、幻影で物持てる時点で大変優秀だけどね?


「ダイコーンさん試しにそっちの僕に攻撃してみてください」

「え?それは大丈夫なのか?」

「僕もまだそれが破壊された時の事が分からないんで検証の為にもお願いします」

 自分で消す分には特に何も無いけど破壊されたらどうなるのか。僕にもダメージとかが来るのかも知りたい


「分かった。そういう事なら失礼ながらやらせてもらうぞ?」

「はい、お願いします」

 ダイコーンさんならもう好きな様にやって欲しい。ハスバさんだと多分自然に反撃してしまうかもしれないけどダイコーンさんはスッと受け入れる事が出来る


「ふんっ」

 ダイコーンさんの攻撃によって幻影の僕がポリゴンと化して消える。僕に伝播するダメージは……無い。直ぐにもう一度使えるかな?


「【イリュジオ】……破壊されちゃうとすぐに再使用は出来ないか。耐久値もダイコーンさんの軽い一撃でも破壊される程度……それでも充分使えるな?」

 相手のトドメの一撃とかを躱すには充分過ぎる性能だ。多分【ドッペルゲンガー】は攻撃に使えるけど自分にも伝播ダメージとかがあると思うから両方がしっかり回避出来ないと余計なダメージを負ってしまうだろう。でも【イリュジオ】なら攻撃にはほとんど使えないけどその分、撹乱、回避、陽動と使い道は多岐に渡る。僕にとってはこっちの方が嬉しい


「あっ!チェルシーさん?情報屋ってプレイヤーの情報も扱ってたりするんですか?」

「はい、扱ってますよ?」

 やっぱそういうのもあるのか。じゃあボス突破の方法の報酬は決まったな


「それじゃあ僕自身の情報は売らない。それがボス攻略法の報酬でどうですか?」

「貴方の情報を売らない……良いでしょう。貴方はそれでクリアしたという情報はほぼ確実でしょうから貴方の情報は保護します」

 よし、これで余計な心配とかもしなくて済む


「ところであの2人はなんで呼んだんです?」

 ずっと寝ているキリアさんとキリエさん


「あぁ、君がソロで突破したから知り合いで君も知っている人を呼んだら彼女達も来たんだが……どうやらお客さんが家に来てしまったみたいで落ちたんだ」

「あぁ、こっちとあっちじゃ時間が違うからこういう時に抜けたりすると中々帰って来れないのか」

 ダイコーンさんが呼んで集めたけどお客さんが来ちゃったからログアウトしたのか……それは仕方ないね


「うーん、じゃあ来ただけ損ですね……話す事も終わったし、そろそろ行こうかと思ってた所なので」

「あのちょっと……行く前に私ともフレンドになってくれませんか?」

 建物から出ようとしたらチェルシーさんに止められた。情報屋の人とフレンドかぁ……まぁ僕の情報は保護してくれるみたいだし良いかな?


「はい、良いですよ?フレンドになりましょう」

 チェルシーさんとフレンドになった


「もし良かったら色々教えて下さいね?」

 なんか可愛らしいポーズを取ってるけど……僕が持ってる情報のほとんどはアストライトの村関連だから話せる事は殆ど無い。だからそんなポーズをされても困る


「……別にそんな事されても何も情報なんて出せませんよ?」

「……やっぱり色仕掛けは通用しないかぁ」

 え?今の色仕掛けだったの?


「ハチ君にそんな色仕掛けなんて通用する訳ないじゃないですか!」

 なんでアイリスさんがそんなに誇らしげに言うんだろうか?



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― 新着の感想 ―
[一言] 報酬を自分の情報の扱いについてにしてたのはうまいなぁ 情報屋となれば大枚叩かれればハチの情報出ちゃうかもだし 後はチェルシーさんがどこまで口を堅くできるかの信用度の話になりますね
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