コンボの可能性
「ちょっとハチ?この鍋ってまだあるかしら?」
「やっぱり錬金術師としてもこの鍋は興味ありますか?」
「ええ、この鍋……勿論出来た料理もおいしいけど、この温度の急変化をさせる事が出来たり、温度を保ったり出来る……これはちょっと興味深いわ。正直1つと言わず何個か欲しい位ね?」
錬金術師として割と真剣な表情で鍋を見るニコラ師匠。ふーむ……これはちょっと聞きに行かないといけないな?
「それじゃあ後でどんな形の鍋が良いか設計図とかあったら出してもらっても良いですか?」
いやぁ結構僕が造るんじゃなくて、仲介する程度になったりして来た。いやはや、オートマニュアイランドの面々がドンドン頼もしくなっているな?
「もしかして作って貰えるの?」
「どうですかねぇ?協力してくれる皆次第です」
お約束は出来ないが、多少の口添えはするつもりだ
「それは絶対作って貰わないと!これが出来ればまた新しい物とか作れるかも!」
「色んな方面で技術力やら製作出来る物が増えればまた技術を組み合わせて新しい物が出来るかもしれないって考えたら、出来るだけ協力して欲しいとは言うつもりだけど……この鍋自体試作品だから、まぁ色々使ってみて、錬金術にも適性があるかどうかも確かに確かめた方が良いかも……」
料理は特に鍋自体を温めたり冷やしたりするだけだから特に問題は無いだろうけど、中で色々反応するだろう錬金術にも使えるかどうかは確かに調べた方が良いだろうな。これで高品質なポーションとか量産出来れば、ニコラ師匠が儲けたり、もしくは僕らのいざという時の備えにもなり得る。勿論、ブレッシングドロップとか強力な回復アイテム自体は既に作れるけど、質よりも量が要る場面とかには弱いし、この辺を何とか出来る可能性とかも考えて、ここはちょっと試してもらおう
「モルガ師匠は必要ですか?多分鍋以外にも転用出来る技術の可能性は高いですよ?」
「ほうほう……それじゃあオフトゥンって出来たりする?」
「オフトゥン……お布団?あ、寝具ですか?」
「そうそう!あったかオフトゥンだったり、ひえひえオフトゥンだったり……ここは季節とか安定してるけど、場所によっては寒かったり暑かったりするじゃん?だからそういうのあったらどこでも寝られるな~って」
なるほど……確かに、テント的な物にこの機能があればどこでも快適な温度で過ごせたりするな?布団まで行かなくても、ブランケットとかでも割と充分かもしれない
「布に能力を付与出来れば……あっ」
そうか。一度、【熱操作】のメモリードコアから能力をコピーした何かを作って、それを付呪で能力としてインプット出来れば……付呪大全で【熱操作】自体を僕が付与する事が出来る様になる。こうなってしまえば、鍋でも布でもある意味好きな様に能力を乗せられるんじゃ……
「スキルを記録する媒体と、スキルを移す壊れても良い媒体。それがあれば、【付呪】で色んな能力を乗せられる……」
「おやおや?ハチ君が黙り込んじゃった……どうしよ?」
「そうなったら何か思いつくまで動かないだろうし、放置するしかないでしょ。ほら!次のオムレツ来たわよ!美味しそ!」
こうなって来ると、メモリードコアを何とか改良してもっと使いやすくした物が欲しい所だ。コアの方はしっかり作るにしても、スキルを移す方は一度使って壊れる程度の強度で沢山用意出来る物の方が良い。スクロールみたいな物なら一回使う程度の耐久値って言われても納得の物か。うーん……スクロールを作る……紙を作る?流石にそうなると、また色々面倒ではあるし、メモとかにも魔法陣とかを書き込むにしてもなぁ……
「おぉ!なんだこれは!卵で出来たバラか!」
「余ってた卵で作った、薄焼き卵。少し、見た目を変えてみた」
マイ君も器用な事をするなぁ……薄焼き卵をわざわざあんな風に切ってバラっぽい形にするってかなり手が込んでる。中心部分とかほぼ糸みたいに……
「糸みたいに……?いや、待てよ?逆に糸を布みたいに……」
その行為自体は僕は何度もやっているハズだ。粘着性を持たせて、掃除する為に
「【魔糸生成】」
粘着性は無くし、帯状の糸を出す。これ……使った後に消去すれば実質一回切りのスクロールとして使えないか?
「つまり、これから付呪で能力を受け取れば、ある意味一気に僕が扱えるスキルが増える可能性が出て来たな……」
【ソウルマニピュリア】と改良されたメモリードコアと【魔糸生成】と【付呪】と付呪大全があれば理論上は僕は敵対した相手のスキルをその場で自身が永続に使える物に出来る可能性がある訳だ。しかも相手を倒さなくてもスキルを真似する事が出来る可能性が……
「これはちょっと、皆と相談しないとダメだな。下手したら歯止めが利かなくなる。もしくはこれもオーブさんに相談案件か?」
僕は別にゲーム性を完全に破壊したい訳じゃない。ただ、この組み合わせは非常に強力だ。強力過ぎてこの効果の対象の範囲とかを絞らないと、僕自身が全体的に大幅弱体化のナーフ処理が入る可能性がとてつもなく高い。だから、メモリードコアの改良が出来て、実際にそういう事が実際に可能になったという事実を作ってから報告した方が良いだろう。オートマニュアイランドに出戻りだ!




