自分の為のボス戦
「さて、それじゃあ装備も出来た事ですし、早速お試しに行きますか。何処が良いかな……」
「え、もう!?」
「そりゃあ、その為に作ったんですから。じゃなきゃ作った意味が無いですよ。あ、あそこが良いかな?」
僕の記憶を遡り、丁度良さそうな所の候補が1つ思いついた。そうと決まれば、ちょこっと下準備をしないと……
「とりあえず、僕も準備してから行くんで、あ、一応これから行くところですけど、ボスなんでそれなりに覚悟して下さいね?」
「はぁ!?いきなりボス!?」
「その位しないと、多分キッカケとしては弱いかなって」
やるならボスが良いだろう。それに、戦おうと思ってるボスはもう決めている
「フィフティシアからシクサームに行く所のボス。自身の模倣体との勝負位じゃないと成長には繋がらないでしょ」
「え?今なんて……」
「さぁ、こっちの準備も終わりましたからそろそろ行きますよー?」
仲間ではないけど、久々にあのボスと会いたくなった。今だとどっちが勝つかなぁ?
「こ、ここをハチ君と行くってマジ?」
「ええ、マジですよ?ここで自分自身と戦って勝つ。それが出来れば商人として一皮剥けると思うんですよ」
「いやいや……流石にそれは……相性とかの問題が……」
「さ、行きますよー」
白玉さんの言葉はほぼ聞き流し、2人で白い靄の中に入って行く。砂漠のど真ん中とも言えそうなフィールドに砂嵐の様に激しい風の後、僕らに似た2人がその場に立っていた
「「たたかえ」」
「うわぁ!ハチさんの模倣体だぁ!」
「よし、それじゃあ、僕は僕と戦おうか。あっちで一緒にやろう!」
「わかった」
「じゃあ、そっちは自分同士で頑張ってね?」
「いや、これって相性が良いお互いが相手を入れ替えて倒すのがセオリーのボスなんじゃ……」
なるほどなぁ……まぁ、確かにそれがセオリーと言われればそうだろうなとは思う。でも、別にセオリー通りにしなきゃいけないなんてルールは無い
「いやいや、セオリーに従うだけじゃ成長しませんよ。自分自身を打ち破ってこそじゃないですか。大丈夫です。白玉さんがしっかり覚悟さえあれば自分にだって勝てますって!それじゃあ、僕が待ってるんで、行きますね!」
いやぁ、久々に来たなぁ?早速アレやっちゃいますかぁ?
「ふっふっふ、久しぶりだなぁ?僕」
「あぁ、ひさしぶりだ」
「「せぇい!」」
椅子とテーブル。お茶とお茶菓子を同時に出す。そして着席
「いやぁ、元気だった?どう?色んな人来た?」
「けっこうたくさんきてる。でも、はちみたいなこうりゃくは、まずない」
「そっかー。じゃあ皆結構血の気が多いねぇ?」
「きょうは、どうした?あのひとも、ここはくりあしたはずだけど?」
そういう記憶というか、記録もしっかり残ってるんだ……
「今日は新しい装備を作ってあげたからそれのチェックもあるけど、あの人自身も成長出来る様に自分自身と戦わせたいなって思って、久々にここに来たんだ。僕も君とまた遊びたいなって思ってね」
「なるほど、わかった。それじゃあぼくらはみまもるだけ?」
「それだけじゃあ、つまらないから、せっかくなら遊ぼうよ!また前みたいにトランプ……は何かまた介入されそうだな?あ、でもボードゲーム的な物とかも色々用意して来たからさ!」
勿論、さっき準備するとは言ったけど、戦闘の準備ではなく、遊ぶ為の準備だ。すごろくとかもありますぜぇ?
「おぉ!」
「僕らなら別に最低4人必要でも6人必要でも関係なく遊べるからね!さぁ、どれで遊ぶ?」
「じゃあ、これからあそぼう!」
完全に戦闘という気配はない。僕と僕が出会ったなら……それはもう一緒に遊ぶしかないじゃない!
「たたかえ」
「うっそー……新装備でいきなりボス戦?しかも自分自身って……こんなのマジ?」
和気藹々としているハチ達とは打って変わってどうするべきか分からずにでも戦わなければいけないとは思っている白玉善罪。戦うにしたって、どう戦えば良いのか正直分かっていない
「せんてひっしょう」
相手が迅鄭杖扇に銀貨らしき硬貨を入れると、扇に銀色の光が纏い、その光が扇の先端から伸びている
「はぁ!」
「え、っと……硬貨を入れて、出て!」
自分も銀貨を迅鄭杖扇に銀貨を入れて、同じ様に光を纏った扇で敵からの攻撃を受け止める
「くっ、私商人だからこういうの苦手なんだけど……いや?今の……」
相手は自分のコピーだけど、すんなりこの武器を使って来たという事は、相手がどう使うかというのは見てから自分も同じ様に使えば、この武器のキチンとした使い方が分かるんじゃないか?
「私自身が教材って事ね……これを見越してハチ君は自分自身と戦えって言ったのね!良いわ!やってやるわよハチ君!」
「よっしゃ!かった!」
「うわ、そこでそれ!?やるなぁ……」
「一巡前に仕掛けるべきだったか……」
「ちょっと!木材とレンガ交換しててくれたら工場立てて勝てたのに!」
「いやいや、自分自身だとしてもそれは譲れないねぇ?」
当の本人は自分の模倣と一緒に遊んでいるとはつゆ知らず、白玉善罪は自身の模倣と戦う為の覚悟を決めていた




