素材の輪
「ウチはこういうのとか扱ってるん」
「なるほど、こちらはこういうのを……」
「「ほうほう……良い商売してますねぇ?」」
どうやらお互いに褒め合ってるから、相性は良かったのかな?
「この商品、ウチと取引しませんか?こちらはこの商品をそちらに卸します……この位で如何でしょう?これは旅人が作った物ですので……」
「ほうほう!それは中々良さそうですん。これはやってみても良いですん。良いでしょう。この商品お取引しますん!」
おぉ、何か取引も決まってる。お互いに利益が出るのなら良いんじゃないかな?
「やはりハチ様はお得意様なのん!これは良い商人を紹介してもらえたのん!」
「こちらとしても、この取引は凄まじくデカい。ありがとう!これを作ってた者達も喜ぶ!」
「それは良かった。会わせた甲斐があったよ」
2人ともホクホク顔で取引出来たなら後はどうするかは2人次第だ
「あ、そうそう。アレでガッツリ儲けられたのん。それでどうせならハチさんの所にもお店を出したいのん。でも、これなら……君、白玉ん。共同でハチさんのこの島にお店を出すのはどうかなん?」
ほう?まさかの共同経営は中々良い提案じゃないか?
「共同経営も良いですが、店舗の管理をウチに任せるという事で、委託販売はどうでしょう?それならそちらのレアな商品も少ない数でも問題無く捌けると思うのですが……」
「確かにウチから出せる商品の数は多くないのん。しっかり考えてるのん、君になら委託販売を任せられるのん!」
共同経営だと多分お互いに顧客のデータとか使えるだろうけど、そこまでは踏み込まないって意味で委託販売にしたのかな?まぁ、信楽さんのデータは多分NPC向けだろうし、もしかすると、まだ僕らが知らない所とのやり取りをしているかもしれない。そのデータは欲しいかもしれないけど、ここで欲張らなかったのが信楽さん的には好印象だったのかな?
「一度油断させてみたけど、これなら安心して任せられるのん。ハチさんも良い商人との出会いが多いのん!」
「あぁ、あの人は筋が良いからその内戦闘も出来る商人にする為に修行するつもりなんだ。だから信楽さんにも紹介しても良いかなって……」
「あぁ、それはご愁しょ……こほん。頑張るのん!」
「アレやっぱりマジの話だったんだ……」
そりゃあそうだ。商人だからこそ、むしろ戦えないとダメだろう。特に盗賊とかを相手にするなら対人戦闘向けのスタイルで特訓した方が良いかな?
「それじゃあ商談も終わったみたいですし、早速やりますか?」
「え?」
「いや、特訓ですけど」
勿論、白玉さんをしっかり戦闘出来る人にする為に特訓しなくちゃ
「いや、流石に今からは……」
「善は急げですぞん!」
ここで信楽さんの追撃が来た
「白玉さん向けの武器とか作ってみますから。どうです?それでもやってみませんか?」
「ハチさんが作る武器……え、それって貰えるんですか!?」
「え、えぇ。まぁ僕が持ってても使えないですし、使うなら差し上げますよ。あ、でも多少素材とか集めるのを手伝って貰えると助かりますね」
白玉さんなら素材になる物とかも色々持ってるかもしれない。ならここは頼るのもアリだろう
「それ、技術料って……」
「うーん、それじゃあ武器を作る時に他にも素材を貰うって言うのはどうです?それならその素材を技術料って事で貰います」
色々今後も造る為に素材は少しでも多い方が良い。一旦武器を作って、そこからまだ略奪改造とかしても良いけど……一旦は白玉さん向けの武器を作る所から始めよう
「おぉ!ハチさんが装備を作るのですん!?それは是非とも完成品が見たいですん!」
「まぁ、良いのが作れるって限った訳じゃないけど、やるだけやってみるつもりだよ。だからどうかな?」
「確か……ロザリーとか、レイカの装備ってハチ君が作ったんだっけ?」
「はい。そうですけど」
何か考え込む様に悩んでいた白玉さんだが、最後に決心した様に僕に向き直った
「お願いします。必要ならドラゴンの素材でも何でも用意するわ」
「うーん……ドラゴンの素材は今回使わないかなぁ?想像するイメージに合わないし……」
「そうなの?」
「そうですね。どちらかと言えば硬い防御力というよりは、しなやかに動きやすく普段の商人としても威厳がある姿にしたいと思っているので……」
とりあえず2つか3つ装備品を作るつもりだが、ドラゴン素材はイメージと合わない。まぁ色々と頑張ってみよう
「いやぁ、皆から集まってる素材を使えるってデカいな。こういう時に好きに素材を使って物を作れるんだから。なんだかんだ装備品を作るのも楽しいからこれは助かるな」
報酬は要らない。困ったら助けて欲しいとお金を使わなかったからこその積み重ねがこういう時に効いてくる。お陰様で装備をあげた人達からの色んな僕も見た事無い敵の素材とかも貯蓄されている。これを使ってまた新しく装備を作ってプレゼントする事でこの輪が更に広がるとなると、手は抜けない。さぁ、今回はどんな装備を作ろうか……




