お互いの為に
「能力保存は……出来たからこれなら魔石が無くても行けるんじゃないか?」
熱の魔石はこの【熱操作】のスキルが無いと扱えないアイテムだとして、その【熱操作】を使う為の魔力を供給する為の魔石とも言える気がする。ただ、これなら単純に魔力供給元があれば【熱操作】自体は使えるよな?
「魔石が無かったとしても、このメモリードコアを元に能力付与した鍋があれば実質熱の魔石入りの鍋みたいな事になったりしないかな?」
メモリードコアに【熱操作】を記録出来たから、これを持ち帰って解析出来れば多分良い感じに出来るんじゃないだろうか?それに【熱操作】これってつまり、気温を一定に保つのにも役に立つだろうから、キノコの所にも使えるんじゃないか?
「とりあえず、熱の魔石に関してはこれで良いか。よし、一旦帰るか」
熱の魔石自体を持ち帰るというのは無理だったけど、能力自体を持ち帰る事が出来たから実質持ち帰ったと言って良いと思う
「という訳でこの【熱操作】のスキルが入ったメモリードコアを持って来たんだけど、これで能力の複製とかって出来たりする?」
「少々確認させてください」
オートマトンさんにメモリードコアを渡して複製可能かどうか聞いてみたけど、ちょっと時間が掛かるみたいだ。まぁ、このスキルは今の僕は使えないからなぁ……
「これは……どうやって入手したのでしょうか?出かける前にメモリードコアを1つ要求してから行った事までは把握していますが……」
「新しく得た力を試した結果これを入手したんだけど、今はその能力は使えないんだ。だからその力を皆でも使いやすい様に、フライパンとか鍋に出来たら、簡単に火を使わずに調理とか出来るんじゃないかなと思って……どうかな?行けそう?」
「なるほど……調理に使用するのですね?」
「後は、これから作るキノコ用の場所の為にもこれを上手く使えれば温度を一定に保ちやすくなるかなって」
「なるほど。確かに熱を操作出来る様になれば、温度を一定に保つ事が出来ますね?これは……もしかすると、もしかするかもしれません」
「ん?」
「この技術を用いれば、我々の性能を更に上げる事が可能になるかもしれません」
「お?そうなの?」
「オーバーヒートしない様にコア冷却する事も出来れば、ある程度出力を上げる為にヒートアップする事も可能です。人肌という状態に合わせる事も可能ですので、ハチ様に添い寝する事も可能です」
何か冗談を言い出したぞ?機械にとって熱を操れるとなるとそれだけ嬉しい事なのか
「添い寝は別に要らないけど、熱を操れるのはそれだけ嬉しいの?」
「これを使う事で、個別の箇所を冷却、加熱する事が出来ますが、大事な部分の温度を一定に保つ事が出来ると、熱疲労によって耐久度が消耗される事も減ります。つまり、我々のパーツ寿命も延びるのです」
「おぉ、それは良いね?皆には長く健康でいて欲しいからね」
さぁ、単なる冷却能力だけじゃなく加熱とかの能力をオートマトンさん達が得たらこれまた凄い事が起きるかもしれないな?これで出力が上がるとなったら、それこそ筋力的な物も強くなってより巨大な装備とかも使える様になるのかもしれない。うーん……ドンドンオートマトンさん達が強くなっていくなぁ?
「おーい!ハチー!」
「あ、ヘックスさん」
「情報が飛んできて驚いたぞ!?【熱操作】だと!?しかも冷却だけでなく加熱も出来るとか!」
「うん、そのメモリードコアに入ってるよ。だからそれで、鍋を作りたくて……」
「鍋……そうか。そうだな。ハチならばまずはそういった物を作ろうと考えるのか。試作品を後で造ろう。このメモリードコアは貰って良いか?」
そうは言うけど、もうメモリードコアを受け取ってるんだよなぁ……
「うん、僕としてはまずは鍋。その次にキノコの所に温度管理とかに使えるかなぁって取って来たから、それさえ作って貰えるなら後は好きな様に使って良いよ」
「感謝するぞハチ!これで、我々は更に色々と出来る!」
それはもうお任せしよう。これで、もし何か新しい熱発電施設とか作りだしたらそれはもう凄いとしか言えないし、そういう施設が出来たらこの島はより発展するだろう。その内僕の手から飛び立っていくのかもしれないなぁ……
「君達が僕を必要としなくなったら何処か行く前に一言欲しいな……」
「何を言っているのでしょう?ハチ様は我々に新たな力を次々と与えて下さり、新たな可能性を沢山提示して下さっています。この場所から離れるとなったら、それは資源確保として別の所に調査に行く位でしょう。我々はハチ様に絶大なる信頼と忠誠があります。ハチ様を裏切るという事はまずありえません。あ、新たな資源が欲しいという事でしたら調査の為の探索に向かいますが……」
オートマトンさん達が何か心配そうな顔でこっちを見て来る。もう皆人間みたいな状態だから、これはちょっと僕が悪かったかも
「ゴメンゴメン。僕の言い方が悪かったね。皆がドンドン優秀になっていくから……皆に捨てられない様に僕も頑張らないとね!」
「その勢いで行くと、お互いに手が付けられないレベルまで強くなってしまう事にハチは気が付いているんだろうか……」
ヘックスさんの言葉を聞いているのか聞いていないのか、ハチはオートマトンさんと握手していた




