必要な覚悟
「はぁ!?へぇ!?」
「ほっほっほ!ここでは常識という物は簡単に砕け散るぞい?」
一応、島観光として、死神さんもパンドラークでミニ死神さんとして、肩に乗るサイズで呼び出しているので一緒に観光出来る
「いや、そもそもの話島が空に浮いてるのも変だけど、何この技術力の高さ……普通人魚とかイルカがこんな所で空中を泳ぐ事自体おかしくない?」
「そもそもここは色んな所と繋がっておるからのう?豊穣の神の国やら地底都市、まぁ、泉もあるから様々な都市とも繋がっておる。そうじゃなぁ……簡単な見立てでそこらの国が連合を組んでもまぁ、勝てんのではないかのう?」
連合を組んで勝てない……まぁ戦うつもりは無いけど、こっちは空島だからある意味圧倒的な地理的有利性はあるか。そもそもこの島自体の真の力というか、空中戦艦としての機能は使うとこの空島としての機能も無くなるから使うつもりもないし……
「僕は別に争いたいってつもりは毛頭ないよ。ただ、ここは誰かが独占するべき場所では無いからこそ、協力関係は有っても、何処かの国に帰属するつもりが無いってだけかな」
確実にこの島が何処かの国の所有物になったとしたら、まぁ、利権云々でとんでもなくなる事が目に見えてるしなぁ……
「という事で、大体こんな感じですね。それで、どうしましょう?僕としてはそろそろ熱の魔石を取りに行こうか悩んでたんで、何かネクロマンサーとしてこれだけは守っとけみたいな心構えみたいなのは有ります?」
ここから先に連れて行くとなると、流石にリグレッタさんもパンドラークに登録しないといけないだろうから、一旦何か話があるのなら今の内に聞いておきたい
「そうね……私から言えるのはたとえ死者や亡骸を自由に扱える様になったからと言っても、あくまでも使わせてもらっているって立場なのを覚えておいて欲しいわ。そこには必ず魂が介在しているのだから、力で従わせるのも、自分の意思で従ってくれるのもその死者ありきなのよ」
あぁ、それは確かにそうだ。ゲーム的には自身の方がレベルが高いとか、扱う為のステータスが足りてさえいれば、自由に扱えるとしても、世界的には自身の強さで強制的に従わせているに過ぎない。それは相手の意志を完全に無視しているとも言える。確かに僕も素材の為やレベル上げの為に生物を狩る事はある。だからこそ出来るだけ得た素材は無駄にしない様にしないとなぁ……
「分かった。僕も可能な限り死者には礼を尽くすよ」
「そうね。そういう姿勢でいれば、向こうから自然に手伝ってくれる事もあるんだから」
力で従わせるのではなく、義によって協力する。そういう関係が好ましいって事なのか
「分かった。肝に銘じておくね。それじゃあ、ちょっと行って来るけど、もし困ったら教会でモニクってシスターが居ると思うからその人に「困ったらハチがここに行けと言ってた」とでも言ってくれれば大抵は何とかしてくれると思うから!それじゃ!」
モニクには何も説明とかしてないけど、まぁ、今のモニクならその位は出来るだろう。丸投げでゴメンと心の中で謝っておこう
「で、ここが熱の魔石が取れる場所か……」
紹介されたのは多分隠しダンジョンなんだろうけど、どうやら1フロアでボスとかも居ないっぽい。本当に熱の魔石のサーマルエッジホッグという魔物が居るだけなんだろうか?
「まぁ、属性ダンジョン的な感じなのかな?そう考えると、急に熱くなったり寒くなったりするこのダンジョンは他に適応出来そうな生物がそもそも少ないだろうから、淘汰されたのかも……」
シロクマコスチュームで考えながら歩いているけど、やっぱり先制攻撃とかされる事は無さそうだな……
「さて、個人的には戦わずに入手出来るのがベストだとは思うけど……サーマルエッジホッグを見ないと多分能力を使う事は出来ないだろうから、熱の魔石を入手と同時にサーマルエッジホッグと鉢合わせする位が良いのかな?」
新たに手に入れた【ソウルマニピュリア】があれば、サーマルエッジホッグの熱の魔石をコントロールする力を一時的にコピーして使う事が出来るだろうけど、その為に倒すのも若干気が引ける。うーん……最近こういう命に関する事であんまり適当に狩るべきではないと思っちゃうから、レベル上げも難しいなぁ……
「だからと言って生き返るから旅人を倒そうって言うのもね……」
それでプレイヤーキルに走るのも馬鹿らしい。だからこそ、倒すと決めたからにはしっかりと得た素材は使っていきたい。肉が出たら食べ物に、歯や骨とかが出ればアクセサリーや肥料に、皮とかも装備品にしてしっかりと全て使っていきたい
「あ、でもグリーサの呪いでそもそも倒したとしても素材が出るかも分からないか……」
そういえば今はドロップ品が極端に減る呪いがあるから、倒してそもそも何も得られない可能性もあるな……やっぱり熱の魔石が落ちてる事を祈ってまずはゆっくり歩き回って探索しようか……




