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戦闘準備

「勝手な話だけど皆にも手伝って欲しい!」

 状況を説明して頭を下げる。断れない状況まで持ち込んだ僕の責任だ


「そうか……」

「ぽよ……」

 状況を飲み込んだ2人も悩んでいる様な気がする。骸骨とスライムじゃ表情が分からないから声音で悩んでいるんだろうとこっちで判断しているだけだけど……


「ハチだけが悪い訳では無い。私がハチに頼んだのだ。どうかこの通り、力を貸して欲しい」

 姫様も頭を下げて村の3人にお願いをする


「協力はしてやるさ。ただこっちにもお願いがある」

「なんでしょう?」

「事が終わればウチの村長に会ってもらう。そこで村長に認められればそこから先はどうするか好きにしたら良いさ」

「ああ、俺もそれで良い。村を守るのは俺達の役割だしな」

「ぽよぽよぽーよ!ぽよっ!」

 笑って答える3人にキョトンとしてしまう僕と姫様。そしてゴブリン達


「まぁなんだ。久々に戦えるから血が疼くってもんよ!骨だけどな!」

「村を壊そうとするなら私は許さないよ?」

「ぽよっ!ぽっぽよぽよよ!」


「皆、ありがとう!」

 とても頼りになりそうな3人には感謝しか無い。オーガが来るまで少ない時間しか無いが、やれる事はやっておこう


「ちょっと薬作ってくる!」

「おいおい?薬を作るなら村の中でも……」

「僕、スキルとか称号の効果でセーフティエリア……安全じゃない場所の方が良いものが作れるみたいなんだ。だから村の外で薬を作ってくる」

「ぽよっ!ぽっぽよー」

 薬を作ろうと村から出て行こうとしたらまたちのりんに止められた


「ぽよー」

『ボルウ虫の殻×10 劇毒草×4 出血草×3 を入手』

 ちのりんに素材を渡された


『ボルウ虫の殻 ボルウ虫から取れる殻。殻の外側は衝撃に弱いが内側は強い毒物にも負けない膜が付いている』

『劇毒草 名前の通り、恐ろしい毒性を持っている。皮膚に触れれば爛れ、体に入れば…… 根が解毒薬になる』

『出血草 葉に触れれば皮膚が切れ、葉に含まれている成分を摂取してしまうと血が止まらなくなってしまう』


 渡された素材を見てピンッと来た。ボルウ虫の殻でこの恐ろしい草達を投げられる状態にしたら良いんだな?


「ありがとうちのりん!早速作ってくる!」

「ハチの護衛をしてきなさい」

「「「御意!」」」

 姫様の厚意でゴブリン達が僕の周りを守ってくれるみたいだ。これなら薬作りに集中出来る




 村から出て、薬研を取り出し、劇毒草を早速擦り潰す


「うおっ!」

 急いで擦り潰そうとして車輪を速めに動かすと劇毒草の汁がこっちに飛んで来た。スローの世界で汁を避けて汁が地面に落ちた時、シューって音がして少し煙が出たのを見て、どんな時でもゆっくり丁寧に作業をしようと心に決めた


 インクリー草を加えて毒性を高めて、慎重にボルウ虫の殻に流し込み、粘り草を使って中身が漏れない様にしっかり閉じる


『猛毒玉 投げつけてぶつかると中の成分が出てきて、浴びた者に猛毒を付与する』


「やっぱりこういう事だったか、10発まで作れるとして素材が色々あるから組み合わせとかも色々と……いや、今は速度重視で沢山の素材を掛け合わせるより単体で作ろう」


 そうしていくつかの種類の玉を作っていった


『麻痺玉 投げつけてぶつかると中の成分が出てきて、浴びた者に麻痺を付与する』

『睡眠玉 投げつけてぶつかると中の成分が出てきて、浴びた者に睡眠を付与する』

『出血玉 投げつけて傷口にぶつかると中の成分が出てきて、浴びた者に出血を付与する』

 とりあえずこの4種の玉を2つずつ(麻痺だけ3個)作り、最後の一つは劇毒草、出血草、痺れ花、睡眠花、そして炎熱花の燃える花粉を取り出した物にインクリー草でブーストしたものを混ぜてボルウ虫の殻に封入した採集兵器……最終兵器が1つ出来上がった


『デッドボール 投げつけてぶつかると中の凶悪な成分が出てきて、浴びた者に金縛り、火傷、睡魔、出血、猛毒を付与する』


 少し成分が変質してしまったがもう喰らっただけでヤバい物が1つ完成してしまった

「デッドボール……正しく喰らったら死にそうだ……」


 攻撃用にこの玉を、草の根の部分が解毒とかの効果があるので一応解毒薬も作っておいた。間違って浴びちゃったら大変だしね?


「インクリー草が後1個……薬草も千里草もブースト出来ないなぁ……」

 回復が用意出来ないのはよろしくない。ここはどうにかしてインクリー草を集めたい……はっ!


「ねぇ皆!この草集めて来てくれない?」

 最後のインクリー草を護衛をしていたゴブリン達に渡す


「護衛は良いのですか?」

「護衛よりもこの草が無いと回復用の薬が作れないんだ。姫様が怪我しても回復出来なかったら危ないし……だから皆で分散してでもこの草を集めて欲しい」

「「「了解!」」」

 姫様の事を口に出せば必ず動いてくれると確信していた。回復無しで戦うのは保険が無さすぎて少々怖い。補助術士って言ってるのに回復手段はレストの1つだけでレストを使っちゃうと30秒は動けないし、ダメージを喰らうと2倍だ。はっきり言って回復には使いにくい


 だからこそ少しでも回復手段を確保する為にゴブリン達をインクリー草の確保に向かわせた




 ドシン、ドシン


 ハズだったんだけど、僕の計算は外れた様だ


「オオオォ!」

 ゴブリン達が居なくなった後、オーガが僕の前に現れた



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