海の者、空での邂逅
「行けるかな……ぐうっ!」
眼を閉じてお腹の底から力を振り絞る様にフェプシックでドルフィンパレスを動かすチャレンジをしてみる
「な、何をしている?ん!?ドルフィンパレスが動いている!?」
「うぉ……これ、まだ水の中だから……行けるのか?流石に上にあげるのは……無理……かな……」
水の中だから重さとか多少軽く感じるのかもしれないけど、流石にドルフィンパレスを丸ごと動かすのはヤバいな……脳の血管切れそう
「いや、0から動かすのが辛いだけで、一度動いてしまえば少し楽になったな……となると、このサイズを止めるのも結構ヤバいかも。ネレイドさん、もしもの時は補助よろしく」
『了』
とりあえずこれで何とかドルフィンパレスをオートマニュアイランドの近くまで持っていく事は出来るかも
「凄まじい力だ……このドルフィンパレス自体にも推進力はあるが、それに逆らって動かせるとは……」
「えっ!?」
ドルフィンパレス自体に推進力があるのは良いとしても、逆向きだったのか……それのせいで最初動かすのにかなりのパワーが必要だったと……そりゃあ大変なのも当然か……
「このドルフィンパレスを己が力のみで動かす程の力。おみそれいった」
「今軽く感じているのはその推進力が僕の動かす方向と同じ向きだからですかね?」
「多分そうだろう。その力がどれほどの物なのか想像も付かないが、言ってしまえば島一つを動かせる程の力とも言えるだろう。それを扱いこなせる程のお方だったとは……」
ドルフィンパレスを動かすのが島を動かす程っていうのはどうなんだろう?だって、ドルフィンパレス自体は独立してるし……島を動かすとなったら、多分地面から引き千切るというか、プレートごと動かすとか、多分今の僕ではそこまでの力は出ないと思うなぁ……
「すいません。褒めてくれるのは嬉しいですが、その辺にしてもらえますか?これ集中しないといけないんで……」
「あ、あぁすまん……」
やっぱり普通に動かすの難しいよなぁ……これもしかして僕が動かす対象に生き物が乗ってるとか関係したりするのかなぁ?あの時は完全に仲間しか乗ってなかったから簡単に動かせたけど、今のドルフィンパレスは多分ルーカンさんは僕の事を仲間と認めてくれたけど、他にまだ僕を知らないイルカがドルフィンパレスに居るとなると、仲間の定義としてギリギリなラインの可能性もあるし、それで、【フェプシック】の能力が少し弱体化している可能性がある。その辺の調査とかもしたいなぁ
「ふぅ、よし。この辺まで来たらもう……おっ、来た来た」
「ハチ様の帰還を確認。対象ドルフィンパレスの受け入れを行います。皆様これからよろしくお願いします」
水中をスクリューを使い、接近してきた数体のオートマトンさん。しっかり水中戦用パッケージを装備しているな
「あ、あれがハチ殿の仲間か……」
「そうです。皆色んな所で戦ったりお仕事したり、僕に無くてはならない大切な仲間です」
「そちらがドルフィンパレスのトップ。ルーカン様でお間違いないでしょうか?」
「あ、あぁ……私がルーカンだ」
「地上には上がれますか?」
「少しの間なら上がれるが……」
にわかにイルカ達が警戒している。まぁそれもそうだよねぇ
「それでしたら、ハチ様の空島で色々と会議等をした方がよろしいでしょうか?ポータルを港に準備します」
「あぁ、そうだね。その方が良いかも。あっちなら魚でも問題無いし」
「ちょちょ、ちょっと待ってくれ。どういう事だ?空島と言うのも引っかかるのだが……」
空島の方で会議しようと思ったら、ルーカンさんが止めて来た。まぁ色々と理解が追い付かないのも分かる
「この島は地上にある僕の仲間の島で、僕が管理している本島は空にあるんです。そこは深海の人魚とかも来てるんで呼吸の問題とかは心配しなくても大丈夫ですよ?」
ついでにポータルの事とかも話をして、まず色々と会議しておきたい事を話す。技術の教え合いだとしても、いきなり賢いとは言っても、この技術をイルカさん達に教えたとしても作ったり使ったりするのも難しいだろうし……
「と、とりあえず話は分かった。ハチ殿の空島にお邪魔させてもらおう」
「了解です。それじゃあ付いて来たいイルカさんが居たらどうぞ。港に多分もうポータルは設置されてると思うんで、そこに飛び込んでくれたらもう空島に行けるはずですから」
アイリスさんがくれたアイテムのお陰でこうして海の仲間を空島に連れてこれる様になったのはデカいなぁ……改めて感謝だ
「あそこに飛び込んで……空島にいらっしゃいませって事で、早速深海組と顔合わせと行きたいんだけど……今どの辺に居るかな?」
マダムとか、エギアさんやエフィーレさん辺りが良いと思うんだけど……
「おっ!居た居た。マダムー!」
「マダム?まさかな……」
「声が大きいわ。それで、そちらのイルカ達は……ってまさかアンタ、ルーカン!?」
「その声は……本当にマダムか!?」
おや?もしかして面識があるのかな?




