レーダー
「単純にレーダーってソナーの電波版で良かったよな?」
何か出て来る電波がマイクロ波とかだった様な気が……レーダーから電波が出て、物に当たって跳ね返って来た物をキャッチして、その距離を測るって物だったから、分かりやすくするならやまびこをやって跳ね返って来た声の時間であの山とは何m離れてるみたいなのを測る……的な解釈であってたと思う
「という事は、微弱な魔力を飛ばす事でそれの再現が出来ないかな……というかソナー的な魔法はあると思うけど……」
うーん……多分こういうのって魔力を飛ばすとしたら、逆にその魔力を感知されて逆探知的な事をされる可能性があるから、これをやるならドローンを飛ばして、そこから出来ると良いのかも……
「レーダー自体ある程度高い位置に無いと電波も届かないだろうから、索敵範囲も狭まるだろうし、魔力感知されるにしても、上空の方が色々と都合が良いもんな」
潜水空母ネレイド本艦と、ドローンが分かれて索敵出来た方が圧倒的に都合が良い。可能な限り射程範囲外まで索敵出来た方が圧倒的に都合も良いし
「どうなんだろう?雷魔法的なのでそういうのあったりするのかな?」
マイクロウェーブ魔法?そんなとんでもなくピンポイントな物あったりするのか?
「よく分かってないけど、多分超音波ともまた違うのかなぁ……」
このゲーム結構難しい所は簡易化とかしてくれるから意外と何とかなる事多いけど、この辺は少し勉強した方が良いかな。とりあえずこういう技術があるとだけヘックスさんに伝えたら何か良い技術持ってたりしないかな?
「っていう技術があるんだけど、どうかな?何か再現出来そうな物ってある?」
「再現も何も、我々には既にその機能はあるが……」
「あるの!?」
まさかのオートマトンさんに標準搭載されてた
「いやぁ、色々と技術開発が進めば我々も進化する。だからアップグレードして行っているが、その中でその機能は既に入っているぞ?」
あれまぁ……難しく考えるだけ無駄だったか……
「いや、しかし、音や電波か。我々が持っているのは魔力による探知だったが、魔力に頼らない探知技術はあって無駄ではないな。むしろ魔力を感知される敵に対してはそちらの方が有効な場合もあるか……」
音に関しては相手にもモロバレする場合はあるけど、こっちだけ相手の位置が分からないって時は使った方が良いかも知れない。正直電波……マイクロ波で敵の位置を検知出来るって言われてもまぁ意味分からないよなぁ……
「でも、基本的には魔力探知で良いと思います。ドローンと連携出来ればそれだけで探知する場所を離す事が出来ますし、それだけでも相手が魔力探知してきたと察されても、細かい位置は誤魔化せます」
「なるほどな。確かに今からその技術を一から造ると言うのはかなり難しいだろうな。うむ、ここは時短として魔力探知型のレーダーを製作しよう。今大事なのはこれなら製作が間に合うという信頼性だろう」
確かに、こういうの良いよねと言うだけは問題無いと思う。でも、期限までにキチンと完成させられると確定出来るかどうかはかなり大事な事だと思う。新技術がポンポン出来てるから勘違いしがちだけど、勿論、ヘックスさんでも出来る事と出来ない事はあるだろう。だからこそ、マイクロ波式のレーダーは完成させられるか分からないと言えるだけ良い。なら今はそれに見切りをつけて、魔力探知式のレーダーの製作にリソースを突っ込める。曖昧な状態の物にリソースを突っ込むかどうか迷う時間すら惜しいからね
「となると、そのレーダーとの連携も交えてシミュレーションをしていけば、当日にはかなりの状態までは持っていけるかな……」
僕としてはこのイベント。この事前準備のシミュレーションでどれだけ詰め込めるかが当日の勝敗に関わって来るだろう。他の皆にもシミュレーターで敵船に乗り込みシミュレーションとか、いざという時の武装の操作とかもして貰って……
「いやぁ……怒涛のシミュレーション漬けの日々だったねぇ……」
「正直、今海賊船が来たとしても余裕で捌ける気がします……」
「ヒャッハー!後半何か普通にイージス艦クラスの敵とやってたしなぁ……」
「正直、今更木造船相手に負ける気はしないですね……」
「俺……飯係のつもりだったが……今なら海賊共も料理出来そうだぜ……」
「私も、建造で役割は終わりだと思ってましたが……勝てそうな気がします……」
うんうん。皆シミュレーションでバッチリと超緊急事態とか、非常戦闘態勢とかも叩き込んだから問題なさそうだな
「遂に明日開始ですよ。他の人達はどんな船を造って来てるのかなぁ?」
「誇、私に勝てる艦は有りません。乗艦してくださる皆さんも一流ですから」
おっ、何か新パターン出て来た。ネレイドさん的にも僕らを認めてくれてるみたいだ
「当日は我々も乗艦するぞ!」
「やる」
「いざという時は頑張ります」
ヘックスさんとピュアルさん。そしてクオンもネレイドに乗艦する。これでもし艦内に敵が入り込んだとしても捻り潰す位は簡単だろう
「よし、それじゃあ、起工式は忘れちゃったけど、進水式はやっておかないとね」
今まではドッグで建造してシミュレーションで留めておいたけど、今日は海に出てみようじゃないか
「おぉ!そうか!んじゃこれ使え!ウチで扱ってる米酒だ!」
ホフマンさんから渡されたお酒は……ってこれウカタマの所で造ってるお酒じゃないかな?まぁ良いか
「それじゃあ、ネレイド。これは僕らの所で船が完成して初出航する前の儀式みたいな物だから。行くぞ!」
「へ?」
酒の入った瓶をネレイドの艦体にぶつける。耐圧スリックステルスミスリルでするんと滑って瓶が割れなかったから、そこは真淵でコッソリ割っておく
「それでは、注水!」




