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リンクスタート

 白衣の男の人が出て行ってからまた一人になったのでもう一度体を動かしてみようとやってみる

「ぐ……う……」


 ダメだ……やっぱり全く動かせない。というか首から下が石になったみたいだ

「よし、許可取れたぞ!」


 許可取るの早いなぁ……部屋の外に居るのかな?

「一応お前さんは今面会謝絶状態だ。親だろうが会わせられないが一応外には居るぞ?」


 やっぱ外には居るんだ。会いたいと言えば会いたいけど今の恰好は多分母さんにはショックが大きすぎて気絶してしまうんじゃないかな?


「実はもう準備は済んでるが、今やるか?」

 手術とかもっと事前準備とか色々ある物じゃ無いのか?ますます怪しい……でもこの状態で1週間とか嫌だ


「瞬き1回、よし!任せろ!絶対動ける様にしてやるからな」

 それから全身麻酔を掛けられ、脊髄の再建(改造?)手術を受けた




 麻酔が抜け、目が覚めると体の感覚がある。手足が付いてるって感じる

「よう、調子どうだ?」

「え、元気……では無いかな?」

 話しかけられて咄嗟に返事をしたけど自分の状態は万全とは言えないだろう


「まぁでも話せるようにはなったな?」

「はい、体は……まだ自由に動きませんけど」

「いや、まず喋れるようになっただけでも万々歳だ」

 確かに、瞬きだけで会話するよりも自分で喋れるようになっただけでも大きな進歩だ


「ありがとう、ございます」

「いや、完全に動ける様になるまでは油断出来ねぇ。これからリハビリをする事になる」

 リハビリ、手術前に厳しいリハビリになるって言ってたな……いったいどんなリハビリなんだ?


「あの、どういうリハビリをするんですか?」

「お前さんにはとあるゲームのβテスターとしてVRMMOをやってもらう」

「VRMMOのβテスター……?」

 最近色んなゲームが出ているがVRMMOと言えばかなり人気のあるジャンルだ。だが残念ながら僕はレトロゲーが好きでVR系統のゲームはやったことが無かった


「alter・worldっていうゲームのβなんだが……CMとか見た事ないか?」

 alter・world……CMで何度か見た事がある。他のVRゲームと一線を画すリアリティと自由度を推した見ただけでやってみたくなるゲーム。それのβテスター募集中のCMを何度かテレビで見た


「あります。『もう一人の自分になれ』でしたっけ?」

「おう、それだ。だけど重要なのはゲームの内容じゃ無くてお前さんはそのゲーム内でリハビリをするんだ」

「ゲームで……リハビリ?」

 果たしていくらリアリティがあると言ってもゲームでリハビリなんて出来るのだろうか?


「もしかしてVRのゲームをやったことが無いのか?」

「えぇっと……はい」

 正直に答える。だってVR用の機械を持ってないし……


「だったら尚更都合が良いかもな?」

「都合がいい……ですか?」

「このゲームはフルダイブVRMMOだから自分の体を動かして遊ぶ事が出来る。だが、ゲームの中といえど現実の体まで同時に動いたら物を壊したりするだろ?だから脳内の電波を受け取ったギアがそれがゲーム内にのみ反応するように変換しているんだ」

「その仕組みは知ってます」

「だから、お前さんにはそれを逆に利用してゲーム内で動ける様になれば現実でも動ける様になるって寸法よ。初めてならそれの効果も高いだろうさ」

 それでゲーム内でのリハビリという訳か。ゲーム内で体操とかやれば良いかな?


「理屈は分かりました。でもアルターのβって今凄い倍率になってるって聞いたんですが……」

 βテスターの募集をCMで流している程だ。βテスターの枠は1000人。それに沢山の人が応募しているから抽選倍率も凄い数だとネット記事とかでも取り上げられていた


「そこはほら、コネって奴よ?」

「コネ……ですか」

 コネで1000分の1枠を取るのは……他の楽しみにしている人に申し訳ないな……

 リハビリは真面目に取り組もう


「あの、気になっていたんですが……あなたはいったい何者なんですか?」

 ずっと気になっていた事を遂に聞いてみる。体の治療もそうだけどアルターのβテスター枠も取れるコネを持っているっていったい何者なんだ?


「俺か?俺は東郷(とうごう)。ま、教えられるのはそれだけだな」

 正体は分からないけど名前……というか苗字だけは教えてもらえた


「東郷さんはどうして僕にこれだけ良くしてくれるんですか?」

「そりゃあ、貴重な実験体……は冗談だ。お前さんの目がとても気に入ったからだ」

「目、ですか?」

「お前さんの目にはとても意思を感じた。瞬きの返事の時もリハビリが辛いと言えば大抵の奴は嫌な顔をするだろうがそんな感情をおくびにも出さなかった。しかも体が動かないのに冷静だって目で語るんだ。そんな奴気にならない方がおかしい」

 そうだったのか……


「とりあえず今日からやってみるか?」

「是非、やらせて下さい」

 やるからにはキッチリと早く動ける様になる為に頑張ろう


「了解した。じゃあこれを付けるぞ?」

 そう言って後ろにあった箱からVR用のヘッドギアを取り出す


「まだ動けないのでお願いします」

 東郷さんに頼んでヘッドギアを付けてもらう。おぉ、こんな感じなのか……


「そんじゃ俺は出てるからリハビリやってこい。もうインストールされてるしリンクスタートで始められるはずだぜ?」

「分かりました」

 とにかくやってみない事には始まらない。東郷さんがスイッチを入れた状態で装着してくれたので後は始めるだけだ


「リンクスタート」




「俺達が作ったゲーム。たっぷり遊んでくれよ?」

 既にリンクスタートした影人には聞こえていない言葉を呟きながら東郷さんが部屋から出て行った



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 伝達信号の変換や現実の肉体の動きの遮断が出来るなら脊髄の代替とか出来そうだけど
[一言] ひっじょーにどうでも良い話だけど。 フルダイブVRが出来るなら、その前段階の脳波コントロールなんか容易なわけで。 リハビリなんかに使わずとも各神経にダイレクトに信号を流して、手足ほかの器官…
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