素人目線
「あら~、前よりも更に美味しくなってるわ~」
「最近、更に精進しまして……」
リッキューさんはリッキューさんで飲み物作りの腕を上げたみたいだ。お陰様でフラーメル師匠も満足してフラペチーノを飲んでいる……あれ?
「ん?もしかして、リッキューさんのフラペチーノは既に飲んだ事が?」
「ええ、たまに行って買ってるわ。せっかくこんな街並みもあって、お店もいっぱいあるんだからしっかり使わせてもらってるわね。ハチ君の分まで」
なるほど、僕が居ない時とかに外出して行ってるのかな?確かに、そういうのも良いよなぁ。お金が使えないと言うのがどうしても響いてくるけど、この街並みは見て回るだけでも楽しいだろうなぁ
「フラーメルさん向けに改良したフラペチーノでして……この前頂いた機材が大変役に立っております故……」
「あら~、役に立っている様で何よりだわ」
ほほぉ、そういう繋がりか。確かに、別に僕がフラーメルさんの技術を独占したい訳じゃない。ただ、ヤバい技術は漏らさない程度で交流はして欲しいから、この位の距離感はむしろ望んでいた距離感でもあるな
「あ、そうだ。リッキューさんはイベントどうするの?」
「イベント……あぁ、海賊の奴ですね。アレはお茶仲間と共に行こうかと。私はバフ効果を持つ飲み物を作れるので、それで支援しようかと」
なるほど。確かにそれは良いかも。戦闘が得意じゃなくても食事だったり、修理だったり、それこそ、貨物満載で他の船の人達と組んで、食事はその船で……みたいな事とか、補給艦みたいな事をしたりする事も出来るか。意外とこのイベント遊び方が色々あるかも
「という事は海の上でお茶屋を開いたりもするの?」
「ふむ……確かにそれはアリですね。揺れを抑える機構でもあれば、船で茶室を拵えるのも……」
戦場茶屋かぁ……もし見かけたら寄るのはアリだなぁ……
「もしかしたら海で会えるかもね?」
「その時は『さぁびす』しましょう」
「オッケー。じゃあこっちもその時は何かしらの『支援』をするよ」
口約束ではあるけど、約束をしておこう
「そうそう。気になってたんだけど、何?アンタ達海に出るの?」
「ん?まぁ、そうだけど……」
亡国の姫様……もう面倒だからボウちゃんで良いか?
「へぇ。今の時代の船ってどんな物か気になるわ!私も見たい!」
「船?船ってあの本に出て来た水に浮く乗り物?」
「ええ、そうね。ぷかぷか~って浮かぶ物よ」
「あ、えっと、その……」
やっべ、ウチの艦ぷかぷか~ってよりはどちらかというとブクブク~な気がする。というか判断基準的に今の時代の船が見たいって話なのに、潜水空母なんて見せて良いのか?
「ふふん。知らないのか?今の時代の船という物は空を飛んだりするのだ!」
おっと、エールマシアさんがまた適当な事を!いや、飛行船があるから間違ってはいないのだが……
「えっ!?船が空を飛ぶの!?」
「お空にぷかぷか~ってこと!?」
「そうだ!」
「いや、ちょっと……」
……いや、待てよ?もしかして僕が本気で頑張れば、潜水空母を空に飛ばす事だって出来るんじゃないか?【フェプシック】とはつまりサイコキネシスの仲間ではあるけど、敵に使えない分、より強力な力が出せるという能力だ。となると、艦を水の中を進ませる感覚で空に飛び出す事も出来るのでは……
「うーん……いや、やってみる価値はあるよな。まぁまだ作ってる最中で良かったら見せてあげるよ」
潜水空母として航空戦力で空を何とかするつもりだったけど、潜水空母自体で陸海空制覇出来る物を造る事になりそうだ……
「ヘックスさん。今って潜水空母はどの位出来てる?」
「ん?あぁ、これまた随分と大所帯だな?今は7割程度だな。外装が残り半分と内部の魔力配列の調整何かがまだ残っているが、見学という事ならあっちの足場を渡れば全体を見れるだろう」
皆を連れて、ヘックスさんの所に来たら、上半分が中身剥き出しになった潜水空母がそこにあった
「いやぁ、やっぱりこういうの良いねぇ!」
「「「「「すっご……」」」」」
結構デカいな。そしてこの中身剥き出しで建造中って感じ!いやぁ、ロマンがあって大変結構!これが見れただけでも、もう嬉しい
「期待してた所申し訳ないんだけど、ウチの艦はどちらかというと、水の上に浮かぶって言うより、水の中を進む艦なんだ。だから普通の船とはちょっと違うんだけど……」
「ね、ねぇ?普通って木製の船よね?」
「あ、あぁ……普通は木製の船のハズ……だが……」
「何だこれは……」
「普通の船とは設計思想が違い過ぎる……私も船自体は知っているが……」
「もしかして、これのお手伝い……なのかしら?」
「そうですね。フラーメルさんにはこの艦を造るにあたって色々と内部にも必要な物とかもあって、それで協力して頂きたいんです」
せっかく連れて来たんだからこのまま説明してしまおう
「はわ、はわわわわ……」
「あ」
何か流れでリッキューさんも連れて来ちゃってた。まぁ、こうしないと、海で一発で僕らが来たって分からないだろうから、丁度良かったかも




