立ち上がれ!
「最初のコンセプトは全て殲滅!って感じだったけど、やっぱり色々と話だったり設計とか進めると捕縛と鹵獲が良さげだよなぁ……」
それが出来るだけの性能があるという自信があるから出来る事だ。性能が低ければ相手を倒すのでやっとだ
「普通は船丸ごと鹵獲なんてよっぽどの戦力差が無いと出来ない事なんだけど……まぁ、この艦だったらねぇ?」
正直相手が魔法という推し量れない物を持っているとしても、船としての性能なら絶対に負けない自信はある。この艦が木製の船に負ける事があるとしたら、それは完全に僕らのミスでしかない。そうだな……何とかこの艦はぶっつけ本番ではなく、予行演習とかしてから本番に臨みたい
「どうにか練習をしてから本番に臨みたいですね。皆この艦の操作系統に慣れておかないと、いざという時に焦っちゃうでしょうし」
「そうだな。一応、出来る限り全て覚えるつもりでやろう。誰かが抜けたとしても、誰でもその穴を埋められれば総合戦闘力は上がるだろうし。まぁ最高戦闘力を上げるなら専属の方が良いんだろうけどね」
専属ならそれだけに注力出来るからより強くなるが、不測の事態に対処出来なくなる可能性が高まる。逆に全部を覚えれば専属の人ほど力を出せる訳では無いが、全員で足りない部分を補う事が出来る。まぁ、基本はオートマトンさん達が操縦出来る状態だったらもうほぼ安心ではあるんだけど、万が一機械系を停止させるEMPみたいな攻撃でオートマトンさん達が無力化される……とは考えにくいけど、そうなった時にまだ何とかする為に操作は覚えておいて損はない
「おっ、もう食べ頃だぜ?」
「来た来た!頂きまーす!」
カップ麺にお湯を入れて待っている間に色々と話していたけど、とりあえずは一旦コッチで形にしたボートを動かす練習から始めた方がいいかもなぁ……
「美味い!」
割とアッサリ系だから食べやすくて凄く良い!これは嬉しいな。これは味の種類とか増え始めるとまた凄い事になりそうだ……
「ご馳走様でした。よし、それじゃあ早速アレが出来てるかちょっと見てこよう」
試作品を動かすにしても、やっぱり【フェプシック】のコアは必要だ
「ヘックスさん【フェプシック】のコアってもう出来てます?」
「あぁ、そこに並んでいるから使ってくれ。今コッチは丁度手が離せなくてな」
「分かりましたー」
潜水艦の魔力ジェネレーターの搭載作業中みたいだし、今は邪魔をしない様にしよう。ならこのコアを1つ借りて、早速使ってみよう。一旦、ボートの方を練習するとして、ジェネレーターは積んでないけど……まぁ今は僕が魔力供給すれば良いか
「とりあえずこれでボートは一旦ノーマルの状態が完成かな」
水に接地……接水?する面は3点のバイクというか戦闘機みたいなデザインにはなってしまったけど、これでどうにか出来るかな?
「おぉ……ちゃんと浮いてる」
「これがボート……」
「また凄いデザインですねぇ?」
「ハチ君。ノリノリで造ってたけど、これまだ素体だからここから各々自分用にカスタム出来るってさ」
「ヒャッハー!そいつぁ面白そうだぜ!」
よし、とりあえずこれで、ハンドルを握って捻れば……
「おぉ!来た来た!」
静かに発進して、海の上を滑る様に進みだした
「うん、中々良い機動性だ。ハンドルも……よく利いてるし、加速減速も自由自在だな」
ある程度操作をしてみたけど、特に心配だった機動性も特に問題なし。となると次は……
「皆さん一旦乗れる所に乗ってください。耐荷重とかその辺も知りたいんで」
まぁ、消費魔力を増やせばやろうと思えば幾らでも耐えられるかもしれないけど、基本状態でどの位行けるか知るのは大事な所だ
「おっ、結構乗れますね?」
「いや、結構どころか普通に凄くないか?このサイズでホフマンやダイコーンが片側に乗っても傾きもしていないぞ?」
「思った以上に【フェプシック】の能力が強いな?これなら救助用装備とか、対潜用装備、対艦用装備とか色々造れそう……」
いやぁ、イメージは沢山あるんだけど、造る為の時間が足りないなぁ?
「オッケーです。それじゃあ次は……」
次の機能のチェックだ。早速やってみよう
「「「「「……」」」」」
「やっぱおかしいよねぇ?」
「いやいや、皆の安全性とか考慮したら、こういう形にするべきかなって」
「いやぁ、勿論否定をしている訳ではないよ?ただ出るゲーム間違えてるなぁって思っただけさ」
そうかなぁ……そうかも。でも、やっぱりこういうのは大好きなんだよ
「でもカッコいいから良いじゃないですか。ほら、しっかり手だって使えますよ?」
「いやまぁ、そうだけど……ねぇ?」
ハスバさんが他の皆に話を振る
「ハチさんの技術力って凄いなって思ってましたが、これほどとは思ってませんでした……」
「ヒャッハー!こいつぁ、また良いモン作るじゃねぇか!」
「魔法と科学で組み上げたとでもいうのでしょうか……」
「これがあれば海のどこでも釣り出来そうだな?ハッハッハ!」
「構造がどうなって居るんでしょう?やっぱり現実とは全然違うのでしょうか……」
そういって、各々変形して立ち上がったボート(仮)を見上げて色んな感想を言うのであった




