集え仲間達!
「魔法の詠唱?」
「ええ、本来の魔法は長い詠唱をする事で放てる物のハズなのよ。それがたまに意識を戻す度、色々な人が戦っている声とか聞こえたけど、だんだんと詠唱は短くなっていって、今や魔法の名称を言うだけで放てるまでになっている。これって、時代が進んだから魔法も短くなっていったんでしょう?」
なるほど、魔法の詠唱の短さで時代の進みを感じる……確かに、毎回毎回「滲み出す混濁の紋章……」ってやって火球を出すとかだったら、使い辛い事この上無いだろう。ん?という事は、もし、このキャラの背景としてこういう過去だって設定で無かったとしたら、実はアルターって作り出した最初期の頃とかメチャ長詠唱が魔法に必要だった可能性もあるのか?いやぁ、それだと魔法使いプレイヤーはかなりの不利というか難しさだぞ?詠唱している間も剣士とかは普通に走って来て剣を振るう事が出来るだろうし……
「あ、その頃って魔法の威力とかどうなってました?」
「え、いやぁ、まぁ魔力を練る為に詠唱という物が有ったから、人によってマチマチだったわね」
今の方式だと、魔法の名称を言って必要なMPを支払い放つって感じだけど、この亡国の姫君がいうにはMPを払う為の時間を詠唱として、それで放つとなると、貯めた時間に応じて威力が可変して放てるから安定しないって事なのかな?
「ボール系魔法を極めた人とかもしかして、この辺の技術を使っていた可能性もあるのか」
前に本で読んだ基礎魔法を極めれば上位の魔法にも負けないみたいな事を書いてた人も、こういう昔の技術を使って魔法を使って威力を上げていたのかも……いやぁ、中々な裏話を聞けた気がする
「貴重な話をありがとうございます」
「え、えぇ。急に感謝されると、どうしていいか分からないわね……」
とりあえずこの人の事は終わって……森の危機も何とかなったな。よし!本題だ
「精霊王様」
「ん?どうしたハチ」
「僕が元々精霊王様に用事があった事覚えてます?」
「……あっ、そういえばそうだったな?で、いったい何をしたいんだ?」
「少々精霊王様にお手伝いして頂きたい事があるんですが、良いですかね?」
元々僕は潜水艦の強化の為に精霊王様に会いに来たんだよなぁ?
「あぁ、勿論だ。ハチの島の方に行けば良いのか?」
「はい。そっちで話を進めましょう」
出来る事は増やしておきたいし、これで精霊達にも協力してもらえればかなり助かる
「もう行くのか?」
「ええ、僕のそもそもの目的が精霊王様と話をする事だったので、そのついででライフリーパーの駆除をしただけですし?メインの目的を達成したら急いで戻らないと、ちょっと建造が間に合わなくなるかも」
「そうか。いつでも来てくれ!」
「ええ、勿論です」
エールマシアさんに後は任せて空島に帰る事にする。さて、潜水艦の内部構造とかも考えておかないとなぁ……
「あぁ……ハチ君」
「どうしたんですか!?ボロ雑巾」
「うはっ!これこれぇ!」
何か城の入口辺りでしなしなになって倒れていたハスバさんが居たので、試しに罵倒したら即座に復活した。この人本当にどうしたんだ?
「いやぁ、ハチ君からの罵倒不足でどうも体の調子が良くなくてねぇ?」
「罵倒が不足する事で体調崩す人居るんだ……」
「まぁ、それはさておき、ハチ君!今回のイベントはどうするんだい?皆ハチ君を誘うか、誘われたさそうにしてるけど、今回はいったい何をするんだい!?」
あぁ、ハスバさんも誘って欲しいのかな?まぁ船の操縦とか帆船だと1人じゃ出来なさそうだしなぁ……
「まぁ、船は今造ってる最中ですけど……」
「情報公開はするのかい?」
「そんなのつまらないじゃないですか。本番当日に発表する方が良いでしょう?だからあんまり僕も情報洩れを避ける為に関わる人を減らしてるんです。まぁ、協力者はいっぱいいますけど」
リークはなぁ……出来れば避けたい
「そっかぁ……」
「でも、1人じゃ無理だなとは思っているので、パーティというか、仲間は欲しいなと思ってますね」
せっかくなら皆でやるのも悪くないんじゃないかな?
「うぅん……やっぱり緊急修理とか考えるとトーマ君は是非とも仲間にしたいな……でももう流石に何処かに持っていかれてるか、既に船を造っちゃってるかな?」
「あぁ、それなら心配ない。ハチ君。ほら」
そう言ってハスバさんが何通か封筒を差し出す
「一応、秘密裏に動いた結果だが、ハチ君のフレンドで女性陣はクランの兼ね合いもあってちょっとダメそうだったが、トーマ君やドクター。ホフマン、タティーノ、ダイコーンは是非ともハチ君とやりたいと手紙を預かってるぞ?メッセージを飛ばしてもたまにハチ君は通信とか届かない所に居たりするからな」
おぉ、そんなに皆僕と一緒にやりたがってくれてたのか!
「まぁ、この位の人数なら行けるか。分かりました。じゃあこの手紙をくれた人を全員招集してください。僕の船に関してお教えします」
そうして、人を集めて潜水空母を造りますと言ったら、皆目が点になっていた




