一度集まる
「さて、それじゃああの場に居た全員聖域の中に入ったからライフリーパーの病原体的な物は多分取り除けたはずだし、一度エルフの国に行きましょう。情報共有とかもしないといけないでしょうし」
一応倒しはしたから、これで問題らしい問題は終わったと思うけど、どっちにしても報告はした方が良いだろう。あ、そうだ
「とりあえず、一旦この森は復活させないと……ちょっと、この人預かってて」
「あ、あぁ……」
エールマシアさんに最後に出て来た人を任せて、まだ枯れていない所から木の実とか種を集めて枯れてしまって荒地の様になってしまった部分に撒き、森羅の巫覡装を装備して踊る事で、森を復活させる
「とりあえずこれで森は元通りかな?」
「奇跡だ……」
「こんな事が……」
「ライフリーパーの被害がもう無くなった……」
ダークエルフの人達が驚きの表情で僕の事を見て来る。まぁそれはどうでも良い
「うーん、その人しっかり回復はさせたハズだから意識を取り戻してもおかしくないんだけど……まだ目が覚めないのか。何かトリガー行動とかが必要なのかな……」
人を起こすならそれなりの刺激が必要になるか?いや、でも急に叩き起こすみたいな事をしたらあんまり良くないか……
「まさか寝たふりをしてるなんて事無いよな?」
「っ!」
ん~?今一瞬ビクッと震えた様な気もするし、冷や汗をかいている様な気もするけど……
「そうですね……試しに揺さぶってみて、ダメならビンタですかね?」
あの人が薄目を開けてたら見える位置に岩が有ったので、手に真淵を纏わせて、叩く。すると、岩は割れずに、手の形に穿たれた
「ひゅっ……」
「うおっと……何か少し重くなった気が」
何だっけ、何か人に持たれる時に力が入っている時と入っていない時だと入っていない時の方が重く感じるんだっけ?脅し過ぎて気絶してしまったか?
「まぁ良いや。とりあえずエルフの国に行きましょう」
「あぁ」
「分かった」
「トーラも行って良いんだよね?」
「一応、お母さんも連れて行った方が良いかな?」
一応完治はしてると思うけど、念の為に何かあった時すぐに対処出来る様に近くには居て貰った方が良いだろう
「という訳で、出発!」
ダークエルフの集団と巨人族の親子、謎の女性を連れてエルフの国に向かう事にした
「私だ!エールマシアだ!清浄の使い手を呼んでくれ!」
「了解しました!」
エールマシアさんがエルフの国の門番に離れた所から大声で呼びかけて、門に辿り着くころには清浄の魔法が使える人達が沢山揃っていた
「我々はライフリーパーと戦い、勝利してきた。だが、念の為にまず我々がその残滓を持ち込まない様に清浄の魔法を掛けてくれ。それが終わったら念の為に国の中も清浄の魔法を頼む」
「「「ライフリーパー!?」」」
エールマシアさんがその辺全てやってくれるからこっちは清浄の魔法を受けるだけで済むな
「分かりました!今すぐ行います!」
そうして、ダークエルフの人達、僕ら、そして巨人族の2人も清浄の魔法で体が洗浄された
「これで問題無いだろう」
伝染病みたいな物の可能性もあるからこういう事で出来ると良いね。まぁメトさんは多分最初に入って来る時に既に清浄はされてるだろうから、国に持ち込みはしてないと思うけど、その辺は一度徹底した方がより安全で良いかもね
「では、ダークエルフの者達にはライフリーパーの情報を聞く事にする。構わないか?」
「「「あぁ、もちろんだ」」」
「聞き込み調査でエールマシアさんもそっちに行ってしまうなら、僕がこの女性を叩き起こす係か」
「そうなるな」
「うーん……あ、一度精霊王様に話をしに行っても良いですか?多分上手く行けば巨人族の2人もエルフの国に入りやすくなるだろうから!」
2人は大きくて国の中に入る時の門が障害になってしまっているので、一旦門のすぐ外で待機してもらってる。だからその問題をまずは解決出来そうな精霊王様に話をしに行こう。ついでにこの人もトーラちゃんに預かってもらうか
「聖獣さん居ますー?」
「おや、ハチじゃないか!実は今森で深刻な……いや、ハチがここに来たという事はその問題も終わったのか?」
「なんかライフリーパーとか言う奴なら倒して来ましたよ?」
「うぅむ。流石だ。まさかライフリーパーを倒すとは……」
「とりあえず枯れた森の場所もまた新しい木とか草は生やして来たので、心配は無いと思います」
「流石だな。ハチ」
「あ、精霊王様。そうだ1つ相談したい事があるんですが、よろしいですか?」
「ライフリーパーを殆ど被害無しで倒してくれた様な物だ。その位は問題無いさ」
おっ、それはありがたいな
「それなら巨人の2人を人間サイズに出来る精霊とかって居ますかね?エルフの国に入国させたいんですが、サイズがね……」
「それなら何とかなるな。では行くとしよう。そこに連れて行ってくれ」
「分かりました。あ、あとでもう一つ手伝って欲しい事もあるんですけど、それでも良いですかね?」
一応、僕の方にも手伝って欲しい事があったから頼みに来たんだよね。さて、僕の方を手伝って貰える精霊とか居るかなぁ?




