表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1974/2018

緊急な真実

「お邪魔します【レスト】」

「えっ……」

「え?ちょっと!?」

 救護室的な所で治療されていたダークエルフの姿が見えたので、エールマシアさんと入ると同時に【レスト】を掛けた。その場で治療をしていたエルフが凄い驚いた顔でコッチを見て来た


「ちょ、ちょっと……この方への治療はえっと……」

「言い淀むという事は自分でも間違っていると感じているんだろう?ならこれで良いじゃないか!」

「は、はぁ……」

 流石エールマシアさん。中々の正論パンチで相手のエルフを一撃で黙らせたな


「話を聞きたいならまずは万全な状態にしないと。これがもし、この国に危険が迫ってるとか教えてくれる存在だったらどうするつもりだったんでしょう?」

「それは……」

「まぁ、争いはあるかもしれませんが、大きくエルフという括りでは同じ仲間なんですから話位は聞いた方が良いとは思いますけどね?」

「はい……」

 人間同士でも色々問題はあるだろうけど、まずは相手の種族やら容姿で馬鹿にせずにしっかり話を聞いてからその後の態度を考えるで良いと思うけどなぁ……初手で喧嘩を売りに行けばそりゃあ上手く行かないって


「うっ……あれ?体が……」

「あ、起きたみたいですね」

「ここは……」

「ここは救護室だ。単刀直入に聞こう。ここには何をしに来たんだ?」

 エールマシアさんが迷いなく単刀直入で行った。話が早くて助かる


「そうだ。頼む!あの子は悪い子じゃないんだ!だから攻撃はしないでくれ!」

「あの子?」

「巨人族の子だ。また子供で力の加減を知らないだけなんだ……このままではマズイ事になる」

 何だ何だ?中々危険な雰囲気か?


『特殊クエスト 森が急患 を開始しますか?』

 いきなりクエストが来たな?とりあえず急患って言われてるし、やるか


「とりあえず急いでいるならすぐに行こう。緊急なんだろう?」

「あ、あぁ……というか、私の体は確か全身ボロボロだったはず……」

「それはもう治したから何処に行けば良い?」

 緊急だって自分で言っておきながら遅延行為は止めたまえ


「あ、あの、この国の……木がいっぱい生えている方だ!」

 まぁ、全身骨折状態で搬送された救護室の中だし、方向感覚も何も無いか。これは僕が悪かったな


「一旦外に出れば分かるか」

「団長!」

「どうした!何かあったか!?」

「それが、巨人族の子が暴れています!」

 おっと、これはもう残り時間が短いのか?大分ヤバそうなクエストだな?


「すぐにそこに案内してくれ!少しでも時間稼ぎをしないと!」

「とりあえず皆で行くぞ!」

 エールマシアさんと呼びに来た兵士の人と一緒に現場に急行する




「薬が!薬が効かないよ!ママが!ママが死んじゃう!」

 子供が駄々をこねて地面でじたばたするのは可愛い物かも知れない。だが、それが、巨体になっただけで圧倒的な暴の化身と化す


「だ、ダメだ。抑えが効かない!」

「このままだと人的被害が出るぞ!」

「やるしかないのか……相手は子供だぞ!?」

 このまま放置しておけば国が大変な事になるというのもあるだろう。兵士の人達も巨人族の子とどう接するかをこまねいているみたいだ


「はい!ストーップ!」

「「「「へ?」」」」

 こういうのはまず注目を集める所から始めよう


「君、お母さんに薬が効かないの?」

「そうなの!このままだとお母さんが死んじゃう!」

「トーラ!落ち着け!」

「メト!あっ、さっきは……ごめんなさ」

「そんな事は今は良い!この者なら母を治せるかもしれん」

「ホント!?」

 グワッと僕の両サイドから巨大な手が僕を掴もうと急速に接近してきた


「バカッ!やめっ……」

「まぁ、こんな事だろうなって思いましたよ。ゲヘちゃん」

「ハイ」

 僕が巨人族の子。トーラと呼ばれた子の両手に潰されそうになる前にゲヘちゃんの両手が出て来てそれを阻止した。力の加減が効かない巨人族の子と知り合いっぽい雰囲気を感じたダークエルフ。そのダークエルフが全身骨折となれば、多分、巨人族の子が力加減を間違えて握っちゃったとかだろう。それを予期して移動中にゲヘちゃんに次呼んだらガードしてと頼んでおいたのだ


「よし、この件が終わったら、君は力加減の練習をしようか。それよりママが大変なんだろう?可能な限り治療をしてみるから連れて行ってくれないかな?」

「わ、分かった……」

 僕を掴もうとしたのを止められたからか、少しきょとんとしつつ、僕を母の所に連れて行く事には了承してくれた。不意に握られない様に肩にでも乗ったら良いかな


「とりあえず、えー、メトさん?貴方は説明役として、で、エールマシアさんも現状の確認役としてついて来て下さい。最悪、僕の手だけじゃどうしようもなくなった時とかに備えないといけないので」

「「分かった」」

 これで多分クエスト自体は問題無く進むと思うけど、いきなり即死トラップみたいな攻撃来たなぁ?


「じゃ、えーと、トーラちゃん。僕はハチ。君のお母さんを助ける為に協力するから、連れて行ってもらっても良いかな?」

「分かった!」

「うん、良い返事だ。それじゃあ行こう!」

 多分人間的には小学生行くか行かないか程度の精神年齢かなぁ?この位の接し方で合ってると思いたい



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
>これで多分クエスト自体は問題無く進むと思うけど、いきなり即死トラップみたいな攻撃来たなぁ? 依頼主からの即死トラップは想定外なんよ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ