コインで勝負?
「それじゃあ、コイントスで勝負と行こうか」
モノさんコインでコイントスだ
「ちょ!?ちょっと待って!それってやっぱり……」
そう言うとモノクル的な物を着けてモノさんを触れずに観察するデビィさん
「僕らの事を見てるんだったら多分もうデビィさんは知ってるとは思いますが、凶具のモノさんです」
一応、戦闘している間とかも見られるとしたら、多分既に見ているとは思うんだけど……一応紹介はしておこう
「凶具……んー……えっ、凶具!?何て物騒な物を持ってるん……」
「いやぁ、何か縁があったって言うか、作ったって言うか……」
モノさんに関してはドラゴンのファーカインと一緒に作ったって言って良いよね?ファーカインから強化アイテム的な物を貰って、それで呪具の硬貨を強化したら凶具になったって経歴だし……
「ぐぬぬ……私でもまだ全然作れない物を平然と……」
「やっぱりただのお人ではないねん」
「そんな事より、コイントスしますよ。そっちが勝ったら島を紹介がてら色々教えましょう」
さて、これで良いだろう
「表ん」
「裏!」
同時に2人が声を出す。示し合わせた訳じゃ無いだろうけど、お互いに別の選択をした
「これって、別に統一しなくても良いわよねぇ?」
ニヤニヤとするデビィさん。まぁ悪魔的に考えて絶対にこれなら勝つって考えなのかな?
「まぁ、別に構いませんよ。2人がどういう選択をしても僕が勝ちます」
滅茶苦茶な事を言っているのは分かる。でも2人もその滅茶苦茶な事を言っている僕に対してそんな事は不可能だとも言い切れないだろう。あえて自信満々で僕も言ってるからね
「「うぅむ……」」
まぁ、コイントスで表と裏を選択しても僕が勝つと言ってる意味が分からないだろうし、これ以上深堀される前にやっちゃおう
「では行きます。僕は表でも裏でもない」
そう言って指でコインを弾く。上にまっすぐ上がって、地面に落下。当然コインは表か裏の面を向けて地面に倒れるはずだった
「まぁ、凶具ですから」
「答えは、落ちない」
モノさんが具現化して自身でコインを持っている。表も裏も決まらない。それが僕らの答えだ
「ズルい!ズルいズルいズルーい!」
「むむむ……これが凶具ん……人の姿を成すなんて凄いのねん……」
まぁ、別にこれだって余興と言えば余興だ。凶具の情報だってかなりのデカい情報だと思うし
「さて、僕が勝ったので……」
「「……」」
「サクッと島を見て回りましょうか」
「「え?」」
まぁ、驚いているけど、だってねぇ?
「僕が勝ったら島の事は教えないなんて言ってないと思いますが?」
そっちが勝ったら紹介するとかは言ったと思うけど、僕が勝ったら教えないとは一言も言ってない。僕としては僕の好みを理解してコイントスという提案をしてくれた時点で紹介する気満々だったし?
「さて、それじゃあ、何処から紹介しましょうかねぇ?」
「本当に腹の底が見えないのねん」
「ぐぬぬ……弄ばれた気分」
「あらら、そんな事言っちゃって良いんですか?せっかく色々と教えようと思ったのに……」
色々と教えられる事は多いと思うけどなぁ?
「こっちが断片的な情報しか知らないからって興味深そうな物を!」
オートマトン島の方で活動しているドローン君に来てもらい、その辺を少し飛んでもらう。いやぁ、荷運びも出来て優秀だなぁ……
「荷物を運んでるん……これは流通もまた変わりそうな物なのねん」
「僕は公開する気は無いですけど、もし魔法とかで上手く再現とか出来れば行商とかもしやすくなるんじゃないですかね?まぁ、今の僕らにはポータル移動的な事も出来ると言えば出来ますが……」
マジで、オートマトン島があまりにもオーバーテクノロジーだからなぁ……
「ホントもう!何なのここ!はむっ!はむっ!美味い!」
「凄いのねん!発展具合も凄いけど、何よりも色んな技術があるのねん!ズズズッ……この味わいは最高なのねん!」
「うんうん、君らハチ君と出会うなんて幸運だねぇ?中々会えないんだよ?このレアキャラ。はふはふっ!カーッ!美味い!」
「誰がレアキャラですか。そんな事言ったらそっちだって本来はエピックというかレジェンダリーなキャラでしょうに……うん、スープの味がくどく無いし、アッサリ系としても丁度良い。次はこってり系にも挑戦するんだっけ?流石だねマイ君」
「ありがとう。もっと頑張る!」
ある程度島(オートマトン島も)紹介して城に戻ってお昼タイムにしようとしたら既にモルガ師匠がキッチンに居た。今日はマイ君がコッソリ作っていたらしいラーメンを味を確かめる為に味見役として呼んだらしく、そこに僕達も参加する状態でお昼を貰った。マイ君のラーメンも普通にバフ効果が付いてたし、料理の腕もかなり上がってるなぁ
「で、何か掴めそうですか?」
「正直……生で見たけど技術力が違い過ぎたわ。でも、この位の技術力に到達する事も可能だって分かったら努力する甲斐もあるって物よ!」
技術力に圧倒されるだけではなく、しっかりそこに到達しようとするのは偉いな
「うぅん……ここにやって来るのがもう少し来やすければ……」
「まぁ、地上と繋がってるで言えば、ウカタマの所を使わせてもらえれば来る事は出来るかもね?」
「「あっ」」
ラーメンを持ち上げる手が2人共同時に止まっていた




