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1961/2011

商談ですん

「えーっと、信楽さん?どうも。ハチと言います」

「ん、どうもどうもん。商人の信楽と申しますん。何か欲しい物とかあればよろしくですん」

「まぁ、さっきの話を聞いていたら何となく分かるかもしれませんが、一応、その機械を作った人間です」

 一応ね?


「凄い物作るねん。設計図とかあるかなん?」

「まぁ、ある事はあります」

 チラッとそれっぽい紙の筒を見せる。まぁ中身は何も書いてないけど……僕だってまだ完全に相手を信じた訳じゃないし


「そうだねん……何が欲しいのかなん?」

 ほう、一応こっちがお金は必要ない事と、何かしらを出す覚悟はあるみたいだ


「僕としては面白い事が起きそうな所や物の情報が欲しい所ではありますね。まぁ最近は情報屋の人とかとも良く絡みはしてるんですが……」

「そうなると、何かしらのレア物が良さそうだねん。そうだなぁ……」

 そう言って、自身のバッグを漁る信楽さん。情報では情報屋には勝てないと踏んで物で来たな。いやぁ、中々にこっちの意図を汲んでくれるな


「君、強いん?」

「まぁ、飯綱さんと組手位は出来るんじゃないですかね?」

「それは勿論です」

「ふむふむ、そうなると魔物のドロップ品じゃダメだねん。となると……これとかどうかなん?」

 飯綱さんと組手が出来るって答えたらドロップはダメって認定するって事は、飯綱さんが強いから組手が出来る程度の実力があればドロップ品は自力で集められるって判定かな?


「これは?」

「実は、悪魔の子とちょっとばかし交流があって、呪具を作って貰えるんよん。その子を紹介してあげるっていうのはどうかなん?」

 ほう、コネと来ましたか。しかも悪魔との……


「ほうほう。呪具ですか。大した物ですね?」

「一般的な人だと、呪具と言うだけで警戒するんだけどん。君はなんだかこういった情報には喰い付きそうな気がしたんよん」

 確かに、それには喰い付かざるを得ない。新しい悪魔の子とのコネは面白そうだし欲しい


「じゃあ、その悪魔の子の所に連れて行ってもらえるなら、あの設計図位はあげても良いですよ」

「本当に良いのん?設計図だけでもこれはとんでもないお値段になりそうだねん」

「それはどう使うかは貴方次第です。僕としては御稲の国に恩と愛着があったから、そこの国がより豊かになれそうな物を作ったに過ぎません。こっちで作った物だから修理も出来るし、もう一台作る事も可能ではあります。でも、この国以外の為に作るってつもりは今のところ無いので、製作も修理もやる気はないから設計図位は良いですよって事です」

 勿論、使用した材料とかその辺の情報を渡すつもりも無いので、本当に設計思想位しか伝わらないんじゃないかな?


「なるほどねん。そうなると、飯綱んが知ってるかどうかだけど……」

「私はそっち方面は疎いから分からん!」

 自信満々に言い切られるとここから攻め落とそうって気は一気に削がれるよね


「なるほどねん。となるとこれは完全に未来の技術なのねん。そうなると価値は落ちるけど……魂震える職人には欲しい物になるねん!」

 生産力を上げる技術という事なら価値がかなり高まるだろう。でもそれが作れるかどうかは分からないとなると、只の夢物語で終わりだから安くなる。でも、作ってみたいって人にとってはこういった設計図はあると楽しいだろうし、価値は担保されるって感じ?……というか、今しれっと未来の技術って言い切ったから、完全にヘックスさん達はオーバーテクノロジー確定って言っても良いよね?


「そうなるとん、これを作ってる君んは滅茶苦茶注目の人物んなのねん。そうなるとお得意様んになる可能性も高いかも知れないねん!」

「おっ、何も買えないですが、お得意様になっても良いんですかね?」

「ウチは物々交換オッケーですん。勿論、物々じゃなくて情報と物の交換もオッケーですん」

「柔軟な人は僕も歓迎しますよ。ハチですよろしくお願いします」

「よろしくですん」

 しっかり握手して、今後も何かしら仕入れたり出来たら嬉しいなぁ


「そうなると、その悪魔の子の所に行くですん?」

「その子ってシジルとかあるの?」

「おやおや、そんな事まで知ってるですん?扱いとしては下級の扱いですん。だからシジルは無いですん」

「ほうほう。僕の知り合いにも悪魔が居るんですが、下級の子の方が呪具とか作るのには精通している感じでしたんで、そっちの方が期待は出来ますね」

「これはとんでもないお客様んな可能性をヒシヒシと感じますねん」

 悪魔の能力としては、上級悪魔の方が強いけど、呪具の制作においては下級悪魔の方が上って情報も、まぁモニクとかの経験則としての情報だけどね


「とりあえずその悪魔の子に会いたいんだけど、信楽さんについて行けば良いのかな?」

「はいん。その子が色々と作りやすい様に整えた環境があるんですん。なので、そこまでお連れしますん」

 まぁ、モニクに色々作って貰ったし、今更呪具はもう要らないと言えば要らないかも知れないけど、新しい繋がりが出来るかもしれないなら、見ておくに限るなぁ……



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― 新着の感想 ―
信楽さんの知り合いの悪魔のこれまでの常識が破壊される!?
呪具ってか兇具だらけだから下級悪魔の子はビビりちらかすんじゃないかなぁ(;´∀`) 何で人間が耐えられるの!って
全身呪具だらけのハチを見て、相手の悪魔が大はしゃぎするのでは?
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