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深淵に集いし者

「僕は君を連れて行きたいと思ってるんだけど、君はここから出たくないとか、出られないとかあったりする?」

 まずはシステム的に連れ出せないのかその辺を探ってみないと。多分このボスエリアの特性上、本当にメインになるのは上の部分だけのハズだ。あの相手が有利な環境で勝てれば次の所に進めるって感じだと思うけど、そうなると、下層に居るこの子は場合によっては存在すら知られずに終わるのも普通にあるだろう。なら、この子を仲間にして連れて行くというか、一緒に戦うとかも出来ると思うんだけど……


「あ、そうだ。多分行けるハズ……【アビスフォーム】」

 ダメ元で【アビスフォーム】を使ってみる。一度捨てた能力のだとしても、僕とアビス様達との繋がりは消えていないハズ……


「行けた!もしもーし!」

「む?久しいな?」

 アビス様とのリンクが出来た。なら……


「すみません。今の僕が見てる景色って見えてますか?」

「あぁ、見えているぞ?」

「それならニャラ様かクタルファ様に聞きたいんですけど、この子って知ってたりします?」

「おっ、久々の会話かと思ったらまた懐かしい奴が居るじゃん!ソイツ便利だから是非とも欲しい。奉仕種族だし!」

「うぅむ……昔アイツらワシに反逆してきた事があった様な気が……まぁ、かなり前だから別固体か」

 ニャラ様は乗り気で、クタルファ様はあんまりって感じか……


「ねぇ、君って今誰かに使われてたりする?」

 さっきニャラ様から奉仕種族って言葉が聞こえたし、そういう方面から攻められるなら今の主人があのグリフォンだったら、そいつを倒せば主人乗り換えとか出来るんじゃないかな?


「あの鳥のせいで、ここから出れない。だから、落ちて来た餌、食べてる」

「なら、一緒にあの鳥を倒すか、ここから脱出するとか、提案したいんだけど……どう?やってみない?」

 正直これはかなり危険な提案ではある。あのボスが落とす餌……つまりボス攻略に失敗したプレイヤーとかが食べられてると考えられる。そんな状態で餌とほぼ一緒な奴が「一緒にここから出よう」と言って来る。多分、この場所だからこのシャゴースは出られなくて問題無いのかもしれない。でも、地上に上がったのなら、餌として人を食べ出す可能性はかなり高いだろう。ショゴスとか創作物の中でも割と危ない敵として出てきたりもするし、そんなのを地上に出す……今回はドラゴンを仲間にするのとは訳が違うぞ?


「外は、見てみたい」

「可能なら、人は食べないで欲しい所なんだけど……どうかな?その辺は約束とか出来そう?」

「自分の場所、確保する為に、邪魔な物は食べてた。だから、必要無いなら食べない」

「あ、もしかして綺麗好きなの?まぁ、確かに上から死体が降ってきてここに溜まっても困るなぁ……それなら食べるって形で片付けするのも分かるかも……あ、えっと、それならこっちの空間って入れそう?特に何もない所で、ゴミとかも出ないと思うんだけど……」

「綺麗な空間」

 もぞもぞと移動して深淵の覗き穴からその中に入ろうとしている


「アビス様としては、シャゴースは受け入れ可能ですか?」

「あぁ、別に構わん。住まわせてやる。代わりに我らの身の回りの世話でも頼むとしようか」

 まぁ、そうなるか。でも神格ならそういう存在が周りに居ても全然不思議ではないか。じゃあ、シャゴース君は深淵に行ってもらおう


「それじゃあ、上じゃなくて、この穴に入ってくれればここから出られるよ」

「えっと、感謝?」

「あぁ、多分こういう時はもっと楽にありがとうとかで良いんじゃないかな?」

「ありがとう」

 正直な所、ただの傲慢なのかもしれない。でも、こうする事で僕は仲間を得られるし、アビス様達の所も生活環境が多少良くなる。そして、ボスエリアのギミックも1つ解除出来た。僕視点だけでみたら良い事尽くしだ


「さて、これで、落下したからと言っても即死は亡くなったな」

 地面に叩きつけられるんじゃなくて、食われて死ぬという事は無くなった。ボス討伐もこれでやり易くなったな


「ハチ、折角ならこのまま我々にも戦わせろ」

「そうそう。正直暇ではあるからこのチャンスは見逃せないな?」

「ハチ君の成長は見ていて楽しいけど、放置されるのもつまらんのよ~。だから折角干渉出来るんだからやらせてもらうねぇ!」

【アビスフォーム】を纏った状態で体が勝手に動き出す。最近は使ってなかったから、大分向こうからの干渉力が高まってるなぁ?


「じゃあ協力頼みますよ。せっかく皆で一緒に戦えるんですから!」

 背部の触手はタコ足の様になり、壁にぺたぺた付きながら一気に穴から登る。そして、頭部の深淵が変形して、何やら顔の装甲が少なくなったと思ったら、口部分から謎の闇レーザーが発射された


「うおっと!?」

 僕は使ってないけど、多分これ【深淵の一撃】だ。全身と両手が肥大化して、グリフォンの両翼を掴むと、そのまま飛び上がり、グリフォンに対してパイルドライバー。いやぁ、アビス様も大分ノリノリだよこれ……



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― 新着の感想 ―
そういえば呪われた装備品はもう作らないんですかね 今の技術と溢れんばかり良質な素材があるからね w 呪具のはずがいきなり凶具になっちゃったみたいな展開はないかな w 今はお手伝いさんも仲間になったし…
邪神達がうっきうきでグリフォンお気の毒すぎる
説得 80 → D100:5(クリティカル!) >てってれー、ハチくんは説得に成功した!<
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