憧れ
「イメージとしてはこんな感じが良いかな……形に出来ればこれまた面白そうだ」
一応、やりたい事とかをメモに書いておき、これで一応2人に作る装備品の概案は出来た。よーし、早速呼んでみよう
『すみません。実はちょっと来て欲しい事がありまして、今って時間ありますか?』
『あります!すぐに行きます!』
『ヒャッハー!何かあったんならすぐに行くぜぇ?』
メッセージを送ったら、すぐに2人とも来てくれるみたいだ
「やぁやぁ、2人共来てくれてありがとう。早速何だけど、装備品の更新とかに興味ってあります?」
「ヒャッハー!勿論あるぜぇ?」
「ハチさんが何か作ってくれるって事ですか!それは凄く興味があります!」
おぉ、トーマ君の喰い付きが特に良いな?
「実は、自分用の装備品を作るのもやってみようかという所で、ハチさんの何かが参考になったりするかなと思いまして……」
「オッケー。そういう事なら可能な限り協力するよ」
なるほどね。まぁ錬金術師なら装備品とかも作れるだろうし、自分用に自分で装備を作るというのは普通にある。となると、今回はどういう風にするかとか少し詳しく話ながらやって行こうかな?
「ありがとうございます!」
「僕としてはこれはお金儲けとしての面は全く無いけど、実は最近アイテムのドロップ率がかなり下がってヤバい事になったから、この装備品に関してはお金は貰わないけど、何か余ってる魔物素材とかあったら、こっちに回してもらえると助かります」
「なるほど!そういう事なら分かりました!協力します!」
「良いぜぇ?その位は対応するぜ」
2人も素材提供してくれるそうだ。これでドロップアイテム問題に関してはかなり良くなった……というか、既に僕が倒していない敵の素材とかも勝手に入って来てるし、完全にドロップ率低下の影響は克服してるって言っても良いよな
「じゃあ、まずはダイコーンさんから。ちょっとイメージ図を描いて来たんだけど、ダイコーンさんは割と召喚もするけど、肉弾戦も全然こなせるだろうから、その肉弾戦がしやすい様な装備を作る予定です」
「ほう?召喚の方は何もしないのか?」
正直そこはすごく悩んだんだよねぇ……
「勿論、強化は出来るかもしれません。でも、そこは下手に弄ると、僕の装備より強い装備が出た時とかに乗り換えたら召喚した味方との間に何らかの意思疎通が難しくなるみたいな事が起きたら良くないかなって」
召喚獣との連携強化みたいなスキルとかって、それをずっと装備してから外すと、今までと感覚が違うというので、指示が難しくなる可能性がある。それを避ける為にあえて僕はそういう連携強化的なスキルは付けていない
「まぁ、装備品に振り回されねぇ様にって事か」
「ダイコーンさん本人の方はその辺考えてないですけどね!」
勿論、連携的な能力の方はその後の関係を考えると付けないって話だけど、装備自体に固有スキルみたいなのが付いていて、それを装備を変えたから使えなくなったは往々にある話だから、そっちの方はガッツリやらせて頂く
「ヒャッハー!乗ったぜその話!」
「という事で、これはですね……」
「おいおい、めちゃ面白そうじゃねぇか!」
まずは予定している装備の話をする
「それで、早速作るのか?」
「いえ、これはまだ準備の段階です。ここからダイコーンさんと実際に戦って、他に何か付けたい能力とかあるかもしれないので、その辺りを調査します」
「ヒャッハー!ハチと戦って、それでハチが足りねぇと思った物を追加するってぇ訳か!こいつぁ、面白くなりそうじゃねぇか!」
正直、この戦闘で召喚獣とのコンボとかを考慮するのか、もしくはその人単体の戦闘力だけを考慮するのかでまた若干変わる事はあるだろう。だから今まで以上にこの戦闘が大事になる
「相手の装備品を作る為に戦うんですか!?」
「だってそうしないと、その人に何が足りないのか、何処が長所なのか、その戦闘スタイルとマッチする装備品はどういう物なのかとか分からなくない?」
勿論、相手の要望を聞いて装備品を作るというのは悪くない。でも、実際の所。「この装備カッコいい!」となれない装備をして負けが増えたり、要望と本人の能力に差が有って、能力が本人と噛み合ってなかったりとかを考えると、自分が相手になって、こう動かれると苦しいとか、こういう能力があると対処がキツいとか、その辺を実感もって説明が出来るからこの方式を取っている
「なるほど……それで、自分じゃ分からなかったあると苦しい物とかそういうのが分かって来るんですね!」
「相手を倒そうとお互いに手を尽くすのが戦いだからね。その場でしか現れない才能とかその人のスタイルとか色々あるから実際に戦って調べるって言うのは僕個人としては良いと思ってやってるよ」
僕にバラしたくない力とかがあるならそれでも良いけど、当然それは僕が見ている戦闘力には計上しない。その上で僕は僕に出来る事を全力でやるつもりだ
「こういう考えがあって、しかもそれを実行している……カッコいいです!自分も出来るだけ真似してみます!」
「これは無理に真似するよりはその人と一緒にクエストに行って後ろから見てるってだけでも良いと思うけどね?」




