ホットケーキ
「あっ!ハチ!こんな所に居た!」
「おっ?ホーライ君。お久しぶり……とりあえずこっちに」
空からホーライ君が飛んで来た。あぁあぁ……羽ばたきの風で畑の作物が飛ばされそうだ
「どうしたの?」
「歓迎会の準備が出来たからハチを呼んで来いって!」
「オッケー、行こう。ゴブリンさん達もありがとうね?」
「「「いえいえ~」」」
ゴブリン達に挨拶をして泉のある広場に戻る。まぁ皆一緒に行くんですけどね?
「やっと来たか。いったいどこに行ってたんだ?」
「ちょっと畑に……」
「何してるのさ?せっかく私達がこの村に歓迎されるって時に」
ごもっともです
「まぁ……気分転換的な?」
「何でも良いわ。ハチ?聞いたわよ?アミュレットを出しなさい」
「え?まぁ良いけど……」
エアラさんにアミュレットを渡す
「ほら、ソイル。やるわよ」
「もちろん。いつでもどうぞ」
エアラさんとソイルさんの間にアミュレットが浮かび、そして手をかざす。2人の手から緑色の魔力がアミュレットに流れ込む
「ほら、私達からのお礼よ。受け取りなさい」
「アトラ様の元に戻していただきありがとうございました」
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アストレイ・オブ・アミュレット
レアリティ ユニーク
STR +90
DEF +60
INT +100
MIND +80
AGI +150
DEX +170
耐久値 破壊不可
特殊能力 HP、MP自動回復(大) 身体系状態異常超耐性 採取の目(※1) 電磁防御(※2) 欺瞞(※3) ジャミング(※4) 餓狼(※5) 光子化(※6)
(※1 採取をしなくてもアイテムの情報を確認出来る)(※2 遠距離からの攻撃に限り、30秒間自動で防ぐ事が出来るシールドが発動する。一度発動すると1時間再使用不可)(※3 戦闘状態に入っていない場合、ほとんどの敵に先制攻撃される事が無くなる)(※4 探知、察知、誘導系のスキルや魔法等で発見されなくなる)(※5 空腹度が減ると与えるダメージ量がアップする。最大50%)(※6 HPが0になる攻撃を喰らった時、その攻撃を無効化して1分間敵の攻撃を光子状態で全て回避出来る。1日に1度しか発動出来ない)
ハグレ者達の想いが詰まった結晶体。思い出や信頼が形となったとても貴重なアミュレット
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うひゃー、凄い効果だ。というかソイルさんってひょっとしてお腹が減ったら武士口調になるだけじゃなくて強くもなるのかな?
「僕こそありがとう。皆も2人と仲良くしてね?」
「「「「「もちろん」」」」」
この村の皆なら2人と仲良くやって行けるだろうな。ソイルさんは食いしん坊だけどしっかり働きそうだし、エアラさんはムードメーカーとして充分活躍してくれるだろう
「新しく家も建てないとな?」
「また村を拡張しないとか?」
「また忙しくなるな!」
楽しそうに忙しくなると言う姫様。やっぱり住人が増えるというのは嬉しいんだな
「ほらほら!スープが冷めちまうぞ?」
「そういえばエアラさん大丈夫?食べられる?」
花の蜜を食べたばかりのエアラさんがスープを食べられるのかちょっと心配だ
「スープは別腹よ!」
行けるんだ
「美味っ!なにこれ!自然の美味しさが詰まってる!」
「樹液以外にもこんなに美味しい物が……」
二人ともワリアさんが作ったスープを食べて喜んでる。何か悔しいな?
「ちょっとキッチンを借りるよ?」
「まぁ良いけど……何するんだ?」
「僕も歓迎会の1品作らせてよ?」
このままだとちょっと悔しいのでキッチンを借りよう
小麦粉と砂糖、牛乳と卵を混ぜる。しっかり混ぜてフライパンにバターを入れて……
「焦げない様に程よい大きさで……」
フライパンに混ぜた物を垂らす。僕が作っている物はそう、ホットケーキだ。まぁベーキングパウダーが入ってないからちょっとペタッとしてるかもしれないけど……フライパンの力で何とかふっくらしてくれるかな?
「よっと!」
焦げない様にひっくり返す。良い感じだ。後数枚は作るつもりだからここである程度の時間が分かったのは大きい
「これで蜂蜜をかければ……完成!」
『ホットケーキ を入手』
『ホットケーキ 暖かく、ふわふわした食感のケーキ。子供に大人気! 空腹度+25%回復 DEF+10%アップ』
蜂蜜の掛かったホットケーキ。何か追加効果付いてるけど……これは僕が味見として食べよう
「はむっ……美味い!」
一口食べればホットケーキと蜂蜜の甘さが口に広がる。この甘さなら2人も納得してくれるだろう
「さぁ!これを食べてみな?」
「おぉ?これは?」
「ホットケーキ。良かったら皆も食べてみて?」
作ったホットケーキを皆に振舞う。スープと合うかは分からないけどせっかく手に入れた食材だ。この食材で2人を祝おう
「これも甘くて美味しい!」
「美味い!甘くてふわふわです!」
「ほぉ?ホットケーキか?俺にも一口くれ」
何かワリアさんの眼光?(目無いけど)が鋭くなった雰囲気を感じた
「ほぉ?中々良いじゃないか!」
「いや、やっぱりワリアさんのスープには敵わないな……」
ワリアさんのスープを飲んでみたけどこの村で取れる食材だけで作られたスープはとても奥深い味だ。素材を活かすとはこういう事なのだろう。僕もまだまだだな……