探しに行くのは
「なるほど……そうなのか。だとすると……」
ヘックスさんがワープナイフを見ながら呟く。多分スキャンとかしてるんだろうなぁ……
「こっちのテレポートの方はどうやら、テレポートの条件として、触れている物でなければ、テレポートは出来ない様だが、瞬間的にテレポートを使用する事が出来るらしい。まぁ、つまりは敵にせよ物にせよ接近しなければならない。逆にワープゲートはある程度融通は利く。見えている範囲なら離れていても問題ないし、触って居なくてもワープさせる事は可能。だが、テレポートに比べたら発動は遅いな」
「なるほど。テレポートとワープゲートの関係を考えると、単体使用をするならテレポートがオススメで、色々と動かしたりしないといけないとかならワープゲートの方が優秀そうですね」
これは結構大事な事な気がするなぁ
「そうだな。後は例えばの話だが、火災の現場等で閉じ込められている人を見つけたりした場合は、テレポートは一度、その火災の現場の中に飛んで、その人を掴んでからもう一度テレポートで外に出ればすぐ助けられる。まぁ、少し危険だがな?ワープゲートはその人が居る空間にワープゲートを出して、その人が通りさえすれば、相手が大人数でも自分は安全な位置からその相手を助ける事も出来るだろう。ただ、意図が上手く伝わらなければ時間が掛かるだろうな」
まぁ、そこはその人に任せるしかないよね。でも、確かにこの能力を救助に活かすとしても、活かし方には結構違いが出て来るのは同意する
「あれ、でもこれって、オートマトンさん達のネットワークにこの能力みたいなのを組み込めたら、どこどこで人手が足りないから招集ってしたら、手の空いてるオートマトンさん達が即座にその場に集まれたりするのでは?」
「おいおい……それはとんでもない事になるぞ?今のオートマトン達は人間とも見分けが付かないレベルの姿にする事は可能。そんなオートマトン達がこの世界の街や国に行って、仲間を招集なんて事が出来てしまえば、国の1つや2つは簡単に落とせるぞ?」
まぁ、戦争的能力の側面で考えれば確かにそういうやり方も可能だろう。1人しか入れないだろう所から何人もぞろぞろと出て来て強襲とかも可能になるから、相手の国の急所を突いて被害を減らすやり方も可能ではある
「僕としては、それをするならオートマトンさん達には救援をして欲しいですけどね。甘えられても困りますが、良い顔はしておいて損は無いと思いますし。ま、でもそのオートマトンさん達のネットワークで僕はしませんが、商売とかしたら、かなり利益は挙げられそうな気はしますね」
どこどこでは何が足りないとかの情報を仕入れたら即座に他の街のオートマトンさん達に調達してもらって、それを高値で販売。そういうのも可能ではある。まぁ、それをしたら多分かなりの行商人は減る事になるだろうなぁ……
「ま、いろいろと活用法は見えてきますね」
「あぁ。にしても、この能力を全体にか……いや、新しいコアを導入すればそれも可能か?キュービア達にもまた協力してもらうか……」
確かに戦闘特化型のオートマトンにのみ搭載するというのも、コスト面を考えれば何も間違いではない。でも、これが全体に配布出来たなら、それこそ製造とかそっちの方面でもとんでもない大進化をする可能性もある。いや、本当にここだけSFの世界観だよなぁ……
「あ、もしこのテレポートの特殊能力が必要ってなったら呼んでくれればまた出しますんで」
やっぱり技術の発展って色んな方向からのアプローチがあるよなぁ……まさか【付呪】方面からこの島の技術力を更に上げる可能性を見つけるとは……自分でも驚きだ
「分かった。そうだハチ。魔法に関する書物等を見つけたら、またスキャンしてもらえるか?少し作りたい奴がな」
「なるほど。分かりました。どんな魔法の書物があったら良いでしょうか?」
「そうだな……一旦種類は問わん。沢山載っていれば良い」
「分かりました。探してみます」
そうだな。せっかくだし、あそこに戻ってそういった類の物が無いかとか、後は毒薬に関しても貰えないか聞いてみるか
「失礼。女主人はご在宅か?」
「えっ……在宅中ですが……失礼ですが、貴方は?」
一応、あの後また接触したとか噂になると面倒になるだろうし、変装として軍服で来たけど、どうやら門番とか雇える位には色々と復活したのかな?
「うぅむ。そう言われると困ったな。お互いに名は名乗らずの契約の下で協力したからな……そうだ。この家に勤めている中で一番女主人と長い付き合いの使用人を連れて来てはくれないか?その者なら話が出来るかもしれん。勿論主人に危害を加えるつもりは無い。見ての通り丸腰だ」
コートを広げ、腰に帯剣も何もしていない事を見せる
「分かった。少し待っていてくれ」
門番のもう一人に見守られながら、使用人の人が来るのを待つ
「あ、アンタ。誰だ?」
「魔給のネックレス。グリフォン。木の実5個」
「門番さんこの人は通して大丈夫だ。というか、むしろ待っていたんだ」
「「わ、分かりました……」」
一応、周りにあまり伝わらない様にしつつ、僕が誰かを分かる様に話してみたけど通じた様だ
 




