全地形対応型海水浴衣
「まぁ、まずは肌触りに拘るでしょ?そして、防御性能も必要だから、雲毛とミスリル糸で柔らかさと防御力を両立して、おっ、これも使っちゃおう」
貰った素材の中にあったのは、グラッドベアと呼ばれる熊の魔物の素材も混じっていた。いやぁ、懐かしい。僕が戦ったのはアルビノのグラッドベアでシロクマコスチュームになったけど、これは多分その原種の素材だろう。グラッドベアは色んな地域に居てその地域に適応して生存してるらしいから、激しい気温とか気象とかそういうのにも強い素材だと思う。これを使えばハスバさんも色んな地域で活動はしやすくなるんじゃないかな?
「後は、能力か。こういうのは突然変異とか起こす可能性はあるけど、何となくこの辺とか合わせたらどうかな……」
受けるダメージ増加や防御力アップなんて矛盾したのを合わせたりしてやってみる。これで僕の想定した能力が出れば良いんだけど……
「おっ、これは……良いの出来たんじゃないか?」
「完成したのかい?」
「そうですね。完成したって言って良いでしょう」
一応、ハスバさんが装備しているスクール水着に似せて作ってはみた。細部が変わってるかも知れないけど、これで、ハスバさんのスク水装備も強化は出来たんんじゃないかな?
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全地形対応型海水浴衣
レアリティ PM
HP +500
DEF +150
MIND +150
耐久値 300%
特殊能力 自動修復(時間経過で自動で耐久値が回復する)マゾヒズム(HPの1割に満たないダメージは全て回復になる。それ以上のダメージを喰らうと威力に応じて防御力が上昇する)フルウォーカー(様々な地形ダメージ等をかなり軽減出来る)テンプテーションボディ(敵のヘイトを貰いやすい)やり過ぎ回避(戦闘中に一度だけ、死亡に至る一撃を認識していれば、その攻撃が当たらない位置まで瞬間移動する)全地形対応型だからと言っても、溶岩で泳いだりしちゃダメですよ?
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「これで如何でしょう?」
流石にスクール水着と装備品に名前を付けるのも何か嫌だったので、少しだけ抵抗しておいた
「凄い……基礎性能もさることながら、特殊能力が……む?ハチ君。これってもしかして、この装備単体でコンボになってないかい?」
「一応そうですね。コンボになり得るとは思いますよ」
【マゾヒズム】の効果で少ないダメージは回復に変換されるし、デカすぎるダメージは防御力アップによって次の攻撃で死ににくくなる。そこに【フルウォーカー】で地形ダメージを軽減。つまりHPの一割以下のダメージにする事で【マゾヒズム】の効果で常時回復みたいな事も出来るとは思う。勿論痛みは常に伴うからハスバさんが耐えられるか次第だけどね?そこに【テンプテーションボディ】で敵のヘイトも買いやすいから戦場で下手をするとタンク役の邪魔になる可能性はあるけど、それはハスバさんを仲間にしてる時点でハスバさんよりもヘイトを貰えないタンクの力量不足という事で
「これはまた……凄い物だな?」
「ハスバさんへの日頃の感謝も込めてますので」
「感謝籠り過ぎじゃない?」
「いえいえ、ハスバさんにはこれからビシバシ働いてもらいますので、それを着て色んな地域の敵素材集めとか頑張ってください。成功したらお仕置きと失敗したらお仕置きのどっちがやる気出ます?」
「成功したらお仕置きして下さい!」
普通は逆なんだろうけど、これがハスバさんだからなぁ……
「分かりました。色々集めてくれたらケツしばきでも、鞭打ちでもしてあげますよ」
「ほっほー!やる気出て来るぅ!」
これであんなに喜べるのは相当だよ?
「ハチ君のお陰で少し行き詰まっていた所が行けそうな気がしてきた!早速行って来る!あ、リザイン!」
そういえば決闘中だった。ハスバさんが降参して、決闘は終了。そして、新装備の性能チェックに行くみたいだ
「これで新しい素材が増えれば僕もまた色々出来そうだよなぁ……あ、そうだ。せっかく知ったテレポートの技術をヘックスさんに教えないと!」
まさかのハスバさん経由でテレポートの技術をこんな形で覚えられるとは……これは是非とも教えないと
「ヘックスさーん」
「む?ハチ。もう戻って来たのか?なんだ?テレポートの技術でも見つけたとかそんな冗談でも……」
「見つけたよ!」
「むぅ……やはり規格外だな?」
とりあえず適当に作ったナイフとかに付ければ良いか
「【フュージョナー】【付呪】こんな感じでナイフがテレポートするんですよ」
「今目の前で素材から急にナイフが出来て、しかもそれがテレポートしたという事を一旦理解させてくれ……よし、つまりこのナイフを研究すればテレポート技術を我らが扱えるかも知れないという事だな!?」
流石ヘックスさん。今のやり取りでしっかり結論まで出せるのは素晴らしい
「そうかもしれないです。参考になりましたか?」
「なるほど……これは是非解析させてくれ」
「どうぞどうぞ。これでワープゲートとテレポートの2つを使える様になりましょう!」
さぁ、この技術が発展してくれれば、僕もワープ戦闘とかを考えられるかもしれないんだ。まだ僕には新しい可能性があると考えると、これ程楽しい事は無いな!




