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物々交換

「ちゃんと周りみてよ!?護衛が自分から敵に突っ込んでどうするの!」

「それは悪かったよ……」

 完全に不注意だったし、これは僕が悪い。考え事しながら歩くのはやっぱ危ないな……


「ちょっとご飯の事考えてて……」

「……それは仕方ないわね」

 エアラさんも花畑花畑ーって言ってたし、理解は出来るみたいだ


「素材は……面倒だしいっか、置いておこう。お?あれは火玉花だな?トーマ君の為にもあれは取っておこう」

 マンイーターの素材は放置して、火玉花が2つ咲いてたから回収しておく。今度トーマ君と会った時にでも渡せばまた爆弾が作れるだろう




「ふぅ、満足したわ。帰りましょう?」

「ん?もう良いの?」

「大分付き合わせちゃったしね?それに蜂蜜も食べたし、もう充分よ」

 あぁそっか。エアラさんお椀1杯分の蜂蜜食べてたから結構満腹なのか。そりゃそうだ。エアラさんのサイズ的に木のお椀1杯あればお腹も膨れそうだからそれ以上ってなるとキツイのかもしれない。実際はどういう感じなのか分からないけど


「じゃあ他の人に見つかる前に村に戻るよ?」

「りょーかい。じゃ、あとは頼むわね?」

 エアラさんがフードの中に戻って来て、いつでも行ける状態になった


「村に帰る前に何かお気に入りの花とかある?ゴブリンさん達にその花を育ててもらって増やしたりも出来るかなって」

 村に好きな花があればわざわざここまで連れてこなくても村で事足りる


「それじゃああれとあれとあれが結構好きかな?」

「あの3つね?了解」


『青彩花 紫彩花 黄彩花 を入手』


 青い花と紫の花と黄色の花を選ぶエアラさん。その3つをしっかり根から取って持ち帰る。ゴブリンさん達には頑張ってもらおう


「あ、行ったり来たりも面倒だし、先にホフマンさんの所行っておくか。エアラさんは静かに隠れててくれる?」

「まぁもう慣れたし良いわよ?ちゃんと約束も果たしてくれたし」

 向かう前に一言メッセージは送っておこう


『ホフマンさん。今から蜂蜜をセカンドラの店に持っていきますね?』


 これで良し。気が付いたら返事してくれ……

『本当か!?よし!すぐに向かう!色々蜂蜜で作りたい料理もあるからな!』


 直ぐに返事が来たなぁ……ホフマンさんも料理したくてたまらないのか

『とりあえず卵と牛乳が欲しいんでそれと交換でお願いします』


『了解だ!用意しておくからいつでも良いぞ!』

 話が早くて助かる。走って向かうとしよう


「ハチ、あんたいっつも消えてるけどなんか悪い事でもしたの?」

「悪い事……はしてないつもりだけどまぁちょっと前に不本意ながら目立っちゃったからね。出来るだけ目立たない様にって」

 イベントで頑張った結果街に近寄り難くなったって笑えないよねぇ……




「ハチ、やっぱりあんたおかしいわ。絶対悪い事したでしょ?」

「エアラさんも居るから安全なルートで街に入ってるんだけどなぁ?」

 安全なルートとは壁を登る門を通らないルート。家の屋根に着地してそこから屋根伝いでホフマンさんの店の裏口まで進むルートこそ他の人に見つからない安全なルートだ


「新しい服も入手しないとなぁ……」

 目立たない服の入手も僕にとって重要なミッションと言っても良いかもしれない。目印になってしまった白ローブ、単体で居たら攻撃されかねないシロクマコスチューム、明らかに目立つシスター服、そして逆に目立ちそうな初心者の服。普通の服を入手しないと一人で街に入り難くて大変だ


「もうツッコむのも疲れた……さっさと用事済ませてアストライトに帰るわよ!」

 もうアトラさんへの恐れ的な物も無いのかアストライトに帰るってエアラさんが言った。良い兆候だ


「分かった。出来るだけ早く食材の交換を済ませるよ」

 エアラさんの為にもホフマンさんの所で交換は手早く済ませよう




「おぉ!待ってたぞ!ハチ君」

「ホフマンさん。とりあえずこのくらいで良いですか?」

「こ、こんなに……いったいどうやって?」

 ホフマンさんに渡した蜂蜜はおよそ70リットル程入ったガラス瓶を渡した。残りは自分で使う分だ


「魔蟲の森の中でミツバチの巣があったのでそこからちょっと頂きました」

「魔蟲の森って、害虫ばっかりが出てくるんじゃないのか?」

「多分ですけど、森の中をちゃんと探せば害虫以外も居ると思うんですよね?探す範囲が狭いから害虫ばっかりだと思ってるだけでしっかり探せばそれこそミツバチみたいな益虫も他に居るかも?」

 あくまで推測だけど


「にしてもこんなに持って来るとは……ここに有る分の卵と牛乳では足り無さそうだな……バターも付けよう!お菓子でも作ろうとしてたんじゃないか?」

「流石ですね。あぁ、卵と牛乳の入手場所とか教えてくれませんか?」

「ん?卵はファステリアス周辺の鶏っぽい敵を倒せば結構ドロップするし、牛乳は街の農場で買う事も出来るが、手伝いをする事で分けてもらう事も出来るぞ?」

 なるほど、そういえば最初ファステリアスの街に向かう時に女の子2人組が鶏を狩ってたな?あれを倒せば卵が確率でドロップするって訳か。これはファステリアスの街にも戻る必要が出てきたな?


「情報ありがとうございます!助かりました」

「それはこっちの台詞さ。これだけのまとまった量の蜂蜜なんてそう簡単に入手出来ない。巣があったとしてもこんなに取れる物なのか?」

「めっちゃデカいミツバチだったんですよね。あと多分その蜂蜜はニセアカシアの木から取れた蜂蜜なんで良い物だと思いますよ?用事もあるのでこれで、あっ卵と牛乳とバターありがとうございましたー」

 蜂蜜入りの瓶を置いていき、卵と牛乳とバターをインベントリに仕舞い、裏口から出る


「あっ、ちょ、おい!これ百花蜜じゃねぇのかよ……アカシアってめちゃめちゃ良いもんじゃねぇか?あんな報酬じゃ本来全然足りねぇぞ?」

 1人報酬の差に悶々とするホフマンであった



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