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1888/2014

瞬間湯沸かし器

「ビビる?誰が?あんな奴に下に見られてムカついてるさ!」

「上等!」

 グリフォンと僕との距離がドンドン詰まって来る。だけど、まるで怖くない。むしろ僕があんな奴に餌認定されてる事がムカつく!


「「あんな奴はぶっ飛ばす!」」

 体からオレンジ色のオーラが噴き出て、枷から鎖が伸びてグリフォンに巻き付く。さぁ、タイマンと行こうじゃないか?


「ギョ!?」

「ビビってんじゃねぇよ!」

「そっちから仕掛けて来たんだろう!」

 グリフォンに巻き付いた鎖が縮んで僕がグリフォンに引き寄せられていく。空で我が物顔してる奴には空で戦ってやる


「「おらぁ!」」

 両手の枷から伸びる鎖でグリフォンを捕え、両足の枷から伸びた鎖は円錐状に纏まり、グリフォンに対してのドロップキック時に爪から守る防御の役割と、回転している為、火力アップの2つの役割をしている。グリフォンと空中戦するだけでも大変そうなのに、今の僕達は格闘戦をしているんだから、相手との強制的な近距離勝負に持ち込める、レジーさんの拘束はかなり僕に合ってる


「そんな風じゃ止まらないぞ!」

「そよ風しか出せねぇ鳥頭がよぉ!」

 翼をはためかせ、僕らから逃げようとしたみたいだけど、レジーさんの鎖防御と鎖の収縮で風を物ともせずにグリフォンの顎下を蹴り抜いた。すると、脳が揺れたのか、グリフォンが落ちる


「「まだまだぁ!」」

 当然只の落下では済ませない。グリフォンの翼と足を鎖で縛りそのまま頭から地面に落ちる。変則的な飯綱落とし


「【インパク】【インパク】【インパク】!」

 ただの自由落下だけでは物足りない。【インパク】を使って更に加速し、グリフォンを地面に叩きつける


「ふぅ……やってやったぜぇ」

「良いじゃねぇか!それでこそだ!」

 こうなって来ると、何というか格闘戦特化の服も欲しい所ではあるなぁ……


「さて、グリフォンは……うーん、犬神家みたいだ」

 地面にはライオンみたいな後ろ足だけが出ている。地面に当たる直前に【インパク】を使ったのもあるかもしれないけど、これはまず死んでるだろうな。グリフォンの素材……いや、ここはグリーサにあげよう


「はい、グリーサ」

「はいはーい」

 ナイフを刺してアイテムにする。こうしたら、グリーサが素材を持って行って何回かやれば片鱗にしてくれるだろう


「こういう戦い方が出来るなら、装備も少し考えるかぁ……」

 今の僕なら僕用の装備品を作るのは全然不可能じゃないと思う。流石にただ、格闘戦特化となると、どういう能力が有ったら良いかな?


「でも、何となくだけど、格闘戦特化みたいなキャラって最終的に気弾みたいな物を飛ばせる様になったりするイメージなんだよなぁ……」

 遠距離主体の相手に近付く為に気弾で牽制して近寄って格闘を叩きこむみたいな……でもそれだと最終的には気弾が強くね?って話で格闘ではなく、気弾を強化するみたいな変な事になる可能性もある


「むしろ、レジーさんとの相性を考えると、気弾なんてちゃちな物を使うのは嫌だな……」

「拳と蹴りが一番効くんだ。気なんて飛ばしてる暇あんなら、自分にしっかり巡らせろ」

 やっぱり、気は自分に巡らせられるし、そっちの方が威力が高いんだ。なら、そっちを成長させる方が良いに決まってるな


「オッケー。じゃあ、こういう装備を目指していこうかな」

 頭の中で装備に必要な能力とか、デザインを考える。いやぁ、この時間が一番楽しいね!


「おい、あの木。近くに何か居るぞ」

「確かに、人かな?」

 歩いていたら、木の根元に人が居るオーラを感じた。このグリフォンの草原で人か、ポリゴンになってないなら死んではいないと思うが……


「誰……か……」

「こりゃあ酷い傷。【レスト】」

 怪我人が居たから【レスト】を掛けて回復させよう。悪人だろうが、善人だろうが、話を聞けなきゃ判断出来ない


「これで一旦はよしと。まぁ見た感じあのグリフォンがこの周辺を飛んで、入って来た奴は片っ端から襲うみたいな感じのエリアなのかな?」

 だから、視界の邪魔にならない様に最低限の木しか無いのかも知れない。木を全部切り倒したら大地にも良くないみたいな発想なのかな……


「ん?この木……この木の実は初めて見たな?」

 何か普通のフルーツとは違う気がする木の実だ。あ、よく見たら周りにポツポツある木も似たような実がなってる。これは……


「もしかしてグリフォンがこの木が苦手か、もしくはこれを使って狩りをしているのかって所か?」

 でも、苦手ならグリフォンだったら、それこそ風魔法的な何かで何とかしそうな気はするから、これを撒き餌にして、人間なり、他の魔物を誘って自分達の狩りを効率的にしている可能性はあるよな……まぁ、普通に自分達が食べる為の可能性もあるけど……


「となると、この木の実がレアな物であるかもしれないのか。とりあえず1つだけ貰って行こう」

 木を登って生っている実を取る。見た所青色の桃っぽい感じかな?


『キューマの実 際立つ甘さとほんのり香る甘い香りがあり、食べるとMPが急速に回復する。これを素材にMP回復薬を作ると、効果が大きく伸びる』

 なるほどなぁ……これはいろんな可能性がありそうだ



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― 新着の感想 ―
> 気弾なんてちゃちな物を使うのは嫌だな…… ハチなら防御無視で内部破壊を行う「寸勁」でしょう
グリフォンさん、攻撃をさせてもらわずに終了
グリフォンさん……数行で出番終了;; 中盤の中ボス位ってイメージだし、ハチくんは寄り道が多かったから先に進んでなかっただけで実力は…うん、相手が悪い。 またハチくんに渡したらアカンヤツを…実一つあ…
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