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ライブのお礼

「「「「……」」」」

 ニコさんとミコさんの演奏は圧巻の一言だった。ステージに立ち、お辞儀をする2人。拍手で迎えられながら、用意されていた椅子に座り、演奏を始めると始めはざわざわしていた観客達も雑談を止め、六胡線の演奏を静かに聴く。さっきまではアイドルのコンサートだったのが今この瞬間はオーケストラのコンサートの様に誰もが楽器の音を聞き洩らさない様にと真剣に聞いていた


「「……」」

 演奏が終わり、ニコさんとミコさんが静かに席から立ち、お辞儀をしてステージから去るという、控えめな態度?がより、人魚達にとってもウケたのか、割れんばかりの拍手が2人に浴びせられる。一応、顔を隠しているから誰というのは分からないとは思うけど、それでこれだけ拍手を貰えてるならチャレンジした成果としてはかなり良い成果だったんじゃないだろうか?


「お疲れ様。どうだった?楽しかった?」

「「はい!」」

 仮面を外し、凄い喜んでいるニコさんとミコさん。良かった。これでどこで失敗したとかネガティブな事無く終われたっぽい。こういうのは最初が一番大事だからなぁ……


「よくやりましたね。2人とも」

「上手く弾けました!」

「面白かったです!」

 それが一番大事だ。楽しくないと大勢の前で弾くなんて辛いだけだからなぁ……


「凄かったです!あの演奏!」

「是非また出て欲しいんですけど!どうですか!」

 エギアさんとエフィーレさんが次回の参加を交渉してる。まぁ、ここから先はどうするかは2人に任せるとしよう。僕は単なる仲介で、お金を取る事も無い(取れない)から、どうしたいかは2人次第だ


「どうしたいかは2人で決めてね。なんか仕事との兼ね合いとかあるなら、そこは飯綱さんと相談かな?」

「いえ、今まで忙しかった書類整理は2人にも手伝って貰っていましたが、あの機械のお陰でかなりの時間を短縮出来ます。2人が自由に使える時間もその分伸びるので、その時間の使い方は2人が好きな様に使うと良いでしょう」

「ライブ!」

「もっと出たい!」

 僕が仕事を効率を良くして時間に余裕を作ったからライブに参加出来るようになったって事か。風が吹けば桶屋が儲かるじゃないけど、こういうのって、本当にどういう巡り方をするか分からないなぁ……


「そういう事だけど、どうかな?」

「こちらとしても是非また出て頂きたいので、時間が空いている時は教えて下さい。そうしたら枠は可能な限り取っておきます!」

 僕も正直2人の演奏はかなり良い物だと思うから、人気は出るだろう。顔を隠して歌手をしている人だって割と見るし、そういう感じで人気になるパターンもある。そうしていけばその内ディープディーヴァの人達とコラボとかしたりするかもなぁ……


「他にもこういう演奏したいって人が居たら一回ライブドームに連れて来て演奏を聞かせてあげると良いかもね」

 ニコさんとミコさん程の実力があるならそのまま即ライブも行けるかもしれないし、そこまでは出来ないって人だとしても、ライブドームに気兼ねなく遊びに行けるきっかけにはなる。こういう盛り上がれる場所が有る事で楽しめる人が増える機会を増やして行けば、また新しいスターの誕生の可能性も広がるだろう。原石なんてどこに居るか分からないけど、まずはそういう場所が有るって事に触れないとね?




「いやぁ、こうして空島に来る色んな人達の交流の場を作れたらまた何か新しい事が起きるかもなぁ……」

 本来は出会わなかった存在同士が出会う事で起きる反応で新しい何かが発生するかもしれない。そうした新しい発見が僕にとってプラスになる事があればラッキーだろうな


「「あ、そうだ。ハチさん」」

「はい、どうしました?」

 ニコさんとミコさんが急に振り返って話しかけて来た


「そういえばこの前」

「行商人から買った物の中に」

「入っていたんですけど……」

 2人がそう言って、袖から何やら小さな物を取り出す


「「これ、何だと思います?」」

 2人が見せてくれたのは何かの破片らしき物。但し、多分破片が全て揃っている訳ではなさそうだ


「何かの破片っぽいね?元の形的には丸い物かな?」

「これ、多分」

「何かの鍵だと思うんですけど」

「これが、鍵?」

 別に鍵っぽい要素はないと思うんだけどな?


「この破片を持っていると」

「何か聞こえる気がするんです」

「聞こえるねぇ……」

 そうして僕にその破片を持たせて来る


『けなきゃ……あけ……』

「あぁ、確かに。なんか聞こえて来る気がする。開けなきゃみたいな声が聞こえるね」

 確かにこういう声が聞こえて来るって言われると、これが鍵かもしれないって言うのは分かるなぁ。ただ、何処の鍵なのか分からないし、そもそもこれは多分破片だろうから、他にもあるだろう破片を集めないといけないのかな?


「いや、待てよ?これを修理出来ればこの鍵で開けるべき所には行けるとしたら……」

 うーん、今考えている事が出来るのかどうかはまだ分からないけど、やる価値は有る気がする。よし、これは少し試してみるか!


「これ、貰っても良いかな?」

「「どうぞどうぞ!」」

「ありがとう」

 鍵の破片も貰えたし、早速試してみるかぁ!



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― 新着の感想 ―
こうして空島ライブショーにまた一組加わったのであった、音楽好きにはたまらない場所だねえ~。 と言うか、ちゃんとスムーズに揃う事を祈ろう、でないとドアノッカー(意味深)が炸裂しちゃう!
行商人から買ったものの中に入っていた、ということは、行商人がわざとまぎれこませたのか、入れ物の中に入っていたのを気付かずに売ったのか、いつのまにか破片が紛れ込んだホラー案件なのか
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