戦場の破壊者
「えーっと、貰ったデータによると、この辺で異界への入口的な物があると……あ、アレかな?」
何やら別の場所の風景が見える丸く切り取られた入口みたいな物があった。これが夜の時間にしか出ないって言ってた物か。よし
「じゃ、戦場にいざ出発!」
ポータル?を通ってみる。すると、さっきまで暗かった夜の場所から全体的に赤みがかった空や地面。地面に転がる鎧の欠片に折れた剣や壊れた盾。そして聞こえて来る金属のぶつかる音。土埃の向こう側に大量のリビングアーマー達が戦闘しているのを発見した
「あそこに単身で突っ込むのは普通に考えると負け確なんだろうけど……その負け確に挑まないと成長なんて出来ないよねぇ。あ、そうだグリーサ?君の素材を持って行く呪いの効果って確定で持って行くの?それとも確率で持って行くの?」
戦闘に参加する前にこれは聞いておきたい
「ん?えっと、1個は絶対に持って行く。でも他は大体持って行く……感じ?」
この話の感じだと1つは確定、残りは確率って感じかな。なら……
「じゃあ博徒の耳飾りが効果を発揮するかな」
確率系統を50%にする博徒の耳飾りならグリーサの素材を持って行く能力の確率を下げて僕にも素材を得られるチャンスが増えるかも。呪いと呪いをぶつけて扱いやすくする。これは僕の装備事情を考えると中々良い選択肢な気がするぞ?
「さて、それじゃあやってみますかぁ。やぁやぁそこの戦ってる皆さん」
「「「「……」」」」
ガキンガキンと武器、盾、鎧のぶつかる音が止む。戦っていたリビングアーマー達が一斉にコッチに振り向く
「何処と何処が戦ってるのか知らないけど、僕も介入させてもらっても良いかな?」
多分2勢力がぶつかってるその戦場に入って行く。さぁ、頑張ってみようか!
「おぉ、やっぱり色んな武器を持ってるねぇ。リビングアーマーも色んな種類が居る……ウッソだろあれ……」
数体のリビングアーマーがこちらに向かって来るが……その中に圧倒的に防護範囲の少ない……ビキニアーマーとも言えそうな個体が居た。凄いな……あんなのもリビングアーマーになるのか……あれはある意味攻撃が当たる範囲が少なくて確かに倒し辛いぞ……それにやっぱり速いし
「というか、リビングアーマーに対して防具を強奪改造って出来るのかな?」
それを試したらどうなるか気になって来た!よし!やってみるか!
「まずは武器からだね。さ、武器は【付呪】で消してやるぞ」
武器を消して、特殊能力を回収する。良いぞ。結構色んな物が集まって来る……おっ!【自動修復】とかも集まるのは嬉しいな!
「「「「……」」」」
おぉ、何かコッチに来る敵の数が増えた。これは僕が脅威判定されたのかな?
「良いぞ。ドンドン立ち向かってこい。全部。全部奪ってやる」
「良いねハチ。その勢いで一緒に全部奪おう!」
グリーサの気持ちが盛り上げると能力が上昇するのかな?何か体が軽くなった気がする。これってやっぱり凶具との気持ちのシンクロ的な事が出来れば能力上昇する事も出来るのかもしれないな
「そんな重い体でどうやって攻撃を当てるんだ?」
重装甲な鎧は重さで遅い
「そんな軽い拳が僕に届くと思ってるのか?」
軽装甲な鎧は軽くて威力が無いから止められる。やっぱり鎧は人が入ってこそじゃないかな
「……試してみるか」
レイカさんの装備更新の時に武器だけじゃなく、防具も奪う事が出来た。ならば……
「全部奪う。奪って全部僕の力にしてやる!」
「……!?」
近場に居た割とノーマルなリビングアーマーの頭部を掴み、【付呪】を使う。グリーサと気持ちのシンクロが出来ればもしかして……
「「全部奪う!」」
グリーサとシンクロ出来たからなのか、リビングアーマーを【付呪】で分解する事が出来た。一応生きてるんだろうけど、能力で敵を分解するってこれまた凄い事が出来たな……
「流石ハチ」
「こんな事も出来るのか……これまた凄い力になったな」
【付呪】自体が変わった訳じゃ無いと思うけど、凶具との組み合わせでこんな事も出来るのか……
「ん? 【リビングアーマード】?なんかレアっぽい特殊能力が取れたな?とりあえずここに居る全員特殊能力にしてやる!」
槍を投げられたら、直撃を避けて、通り過ぎる前にキャッチ。そして【付呪】で分解。そして武器が無く殴り掛かって来たリビングアーマーを【付呪】で分解。リビングアーマーがドンドン数を減らしていく
「良いぞ。ドンドンお前達が僕の力に変わっていくのを感じるぞ!」
所有権無視で【付呪】による分解が出来る無法ムーブ。強欲の力が遺憾なく発揮されているな……
「なんか来たな?」
さっきのビキニアーマーのリビングアーマーを倒した所で、なんだかデカくてゴツいリビングアーマーが出て来た。これは……試してみるか?
「む、あれはリビングアーマーのボス個体か、レア個体って所かな?よし、それじゃあ奴はリビングショーグンだ」
リビングショーグンと仮称を付けて強大な敵との闘い……になるのかな?
 




