新たなる犠牲者の香り
「ありがとうございます!大切に使いますね!」
しっかり感謝してくれるチェルシーさん。こうなって来ると、ハスバさんとかダイコーンさんに渡した物が本当に気持ちだけな物になっちゃった感あるな……今から新しく何か作るか?いや、でも押しつけがましいのも良くないよな……向こうからこういう話を聞いて少し相談がってなるなら僕も動きやすいんだけど……
「ここまで来たらドクターとかトーマ君。ホフマンさんやメロにゃんさんにも何か作りたいな……」
もう、他の皆の分も何か作りたくなってきた。色んな戦闘タイプの人の色んなアイテムを作る事で僕も色んな経験が出来て、色んな事に活かせる。経験を積むという事も含めて他のフレンドにも何か作ってあげたいが……
「さて、どうしようかな……」
一応、行ってみて聞くのは全然アリだ。ただ、性格的に遠慮する人が絶対出て来るだろう。そこがやっぱりネックになっちゃうよな……
「まぁ、一旦会いに行ってみるか。帰りましょうチェルシーさん」
「はい!帰り道で敵が来てもお任せください!」
ワクワクな顔をして僕より先を進んで警戒するチェルシーさん。何だろう。自分が作った物をここまで喜んで使ってくれるって結構嬉しいんだよなぁ……ああいう反応を見れると今後も色々作りたいって思うし、これだって僕のこのゲームでの新しい戦い方と言うか、遊び方とも取れる。魔物素材というのは1人では数を集めるのは中々大変だし、クランに所属とかしていたら尚更自分だけが自由に使うのも結構遠慮してしまうだろう。でもこうして素材を貰って装備品を作って、お金を得る代わりに余ってる素材とかを貰うとしたら、結構素材が入って来る。そうなるとまた新しい装備品を作れるし、ウチの技術班の方にも回したりすれば、また新たな進化が起きるかもしれない。人海戦術とまでは行かなくても、素材収集能力が協力者によって増える事は嬉しい事だ
「おほー!やっぱりこれ良いですねぇ!」
能力を使って瞬間移動……というか、気持ち的にはあれは影移動に似てるだろうか?それで敵の背後を取って、バックスタブで大ダメージ。何ならそこそこの敵なら一撃で倒せている。あれは強いなぁ……しかも、そういうタイプって基本的には開幕の一撃で決める様な戦闘スタイルで、それでもまだ相手が生きてたら警戒されて、仕切り直しか何か必要かもしれないけど、あのブーツであれば、ある意味いつでも仕切り直しが出来て、バックスタブ取り放題みたいな物だ。アサシン系の人ならあのブーツは凄い欲しいんじゃないかな?
「使ってもらって嬉しいは嬉しいけど……でも流石にこれで見ず知らずの人に何か作るって言うのは何か違うよな……」
確かに装備作りは難しいけど楽しい。鍛冶師プレイの人とかはこういう所に楽しさを見出しているのか、それともただお金稼ぎの為なのかは知らないけど、でもこれをずっとは流石にキツイ。というか、素材の問題もあるけど、何よりも移植用の特殊能力の確保がネックだ。これが無いと僕が作りたい物を目指した所で完成度70%位が良い所だと思う。何よりも色々な特殊能力の組み合わせによって出来る新しい特殊能力。そういう物を見つけるのが面白いからどうにかして特殊能力付きの武器や防具の安定した入手先が欲しいよなぁ……流石にアグラウドのあそこから毎回貰うのもね?
「うーん……」
「あれ?ハチさんどうしましか?」
「いや、ちょっと特殊能力付きの武器とか防具を大量に入手しようとしたらどうしたら良いかなぁって」
「特殊能力付きの武器と防具ですか……うーん……あっ、そういえば」
チェルシーさんが何かを思い出したみたいだ
「今回、リビングアーマーを求めてここに来たじゃないですか?」
「そうですね」
「実は、ハチさんに紹介してなかったもう一つのリビングアーマー出現ポイントがありまして……そちらは時間制限があるんですけど、大量にリビングアーマーが現れるんですよ」
「なるほど?詳しくお願いします」
大量のリビングアーマー。グリーサに素材を持って行かれるけど、絶対全部持って行かれるんじゃなくて、多分ドロップしたアイテムを一定確率で持って行くその一定確率が多分90%とかで持って行くんじゃないかな?この辺少し後で聞いてみよう
「はい、そこは夜時間の間しか行けない場所なんですが、そこには大量のリビングアーマー達が夜な夜な戦っているそうなんです。なので、そこでそのリビングアーマー達と戦えば特殊能力付きの武器や防具を集められるのではと……」
なるほどな……リビングアーマー達が戦ってるとなると、何だ?古戦場的な昔の戦場でアーマーだけが戦いを続けているとかかな?
「なるほど。それは良いですね。そういう所で戦い続けてるリビングアーマーとなると強い変異種みたいなのが居るかも……」
リビングアーマーの集団との闘い……武器を奪う戦闘スタイルを対多数相手に使えるかどうかを試すにも良いかも
「これは色々試したくなるなぁ?」
場所だけ教えて貰ったら後で行ってみよう!




