検証の為に
「そういえば……」
まだグリーサの能力検証をしっかりしてなかったな
「グリーサの力で相手の武器を奪って、それを【付呪】で破壊出来るかどうかはまだやってなかったな」
まだ完璧に強奪改造周りの検証はしていない。武装を奪うだけならグリーサの力で所有権無視で奪う事は可能だろう。奪って、改造して一旦僕の物状態にして戦闘中に相手から武器を奪う。これは出来た。ここで耐久値が破壊不可の物を奪ったとしても、強奪改造で耐久値を無理やり作る事は出来るけど……多分耐久値の自動回復系を入れる改造じゃないと、マイナス判定で改造出来ないと思う。あくまでチューンアップは出来てもデチューンは不可みたいな……それで、耐久値を付けたら【付呪】で抽出を行う事が出来ると思うんだけど、それがどうなるか
「グリーサの能力は戦闘中に限りだよね?」
「そう。戦ってる最中は相手から奪えるよ」
で、戦闘終了したら相手に返却される。対人なら元通り……というか、改造された後の物が戻されると思うけど、そうなった場合って【付呪】で抽出した能力とかはどうなるんだろう?
「これは少し試してみたいな……何処かにリビングアーマーみたいな敵とか居ないかな……」
というか、リビングアーマーだと全身装備品みたいな物だから戦闘中に全身をミスリルとかにする事とかも可能か?
「これは中々面白そうな検証を見つけたかもしれない。一旦チェルシーさんに聞いてみるか」
そうだ。その状況でグリーサの強欲の片鱗とかも使うとどうなるだろう?新しい鉱石というか、金属とかを作ったり出来るのかな?リビングアーマーの人権フル無視の錬金施設とでも言うべきか……それは流石に辞めておこう
『チェルシーさん。何処かにリビングアーマーとかって居ます?』
『はぢざん゛どうじで……どうじでわだじだけはぶるんですかぁ…………』
うわ、何か面倒な事になってる
『何のことです?』
『皆私に装備自慢して来るんですけど!?もう羨まし過ぎて気ぃ狂ぅ!』
あぁ、皆チェルシーさんに見せに行ったというか、チェルシーさんが皆の装備を見たのかな……
『だって、チェルシーさん結構僕に対して酷いからねぇ?』
ここは少し大袈裟に言っておこう
『ほんと!ほんとに誠にすみませんでした……だからどうか私めにもどうか武器でもアクセサリーでも何でも良いので!何か1つお願いしますぅ!』
ちょっと意地悪し過ぎたかな。でも、僕にとってこれの解決は結構難しい問題でもあるんだよな
『まぁ、そこまで言うのなら何か1つ位は作るのは良いですけど、チェルシーさんの戦い方をそもそも知らないんですよね。そんな状態だとどういう物を作るべきなのか判断にも困りますし、そういった事情も込みで断ってたまでありますね。あ、そうだ。チェルシーさんがリビングアーマーが居る場所とか教えてくれるならそこで、チェルシーさんがどう戦うのかを見る事も出来るし、僕もリビングアーマーに会えますから、それでどうでしょう?』
僕としてはリビングアーマーに会うのが一番の目的。チェルシーさんへの何かを作るに関してはサブ目標だ
『なるほど!それは良い考えです!では行きましょう!城までお迎えに上がります!』
露骨にテンション上がってるなぁ……まぁ、リビングアーマーに会えるならそれで……あれ?ちょっと待てよ?
「そういえばリビングアーマーって既にウチに居なかったっけ?」
思い出せ?確か戦争イベントの時にハスバさんが寒そうとかで鎧の一部を貸したリビングアーマーさんが居たような……うん、その人は後で探そう。野生のリビングアーマー相手に色々試したいし
『分かりました待ってます』
「お迎えに上がりましたァ!」
「はやぁ……」
メッセージを送ったと同時に来たよ。これは既に空島に居たな?
「さ、行きましょうハチさん!ささっ!」
「リビングアーマーに会えるんですね?」
「はい!ちょっとレア枠になってしまいますが、出て来る所は知ってるので!行きましょう」
なるほど。リビングアーマーってレア枠の魔物なのか
「で、この墓地と……」
「はい!ここのレア枠としてリビングアーマーが出ます。なので、その間は私の戦闘を見ていて下さい!」
チェルシーさんが連れて来た先は墓場。凄く張り切ってるけど……まぁ、どう戦うのか知らないとチェルシーさんに合った物を作れないからね
「しっ!はぁ!【陽炎】」
「ほうほう。正に忍者って感じ……」
通常枠のゾンビやスケルトン。たまにゾンビ犬。そんな敵がやって来ると墓石を使って一瞬敵の視線を切り、見失った所で何かしらの移動スキルを使い敵の背後に、そしてバックスタブで一撃で葬っている。忍者というか、アサシンというか……
「正面からはやらないんですか?」
「正面からの攻撃はダメージボーナスの乗りが悪くて大したダメージになりませんので……」
背後からの攻撃にダメージソースの大半が乗ってるのか
「それって相手によってはかなり相性とかありません?」
「そうですね……頭が複数あったり、背後からの接近を知られる様な相手だとほぼ歯が立たないですね。だから私はソロで敵と戦う事はほとんどありませんね。ソロで情報収集している時とかは基本的に戦闘は回避するようにしてます」
ほうほう。そうなって来るのか。となると、戦闘するのは基本パーティの時で、ヘイトを他の人が持っている時に背後からの攻撃でダメージを伸ばしていくって感じか。これはちょっと参考になりそうだ




