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2人様アストライトにご案内

 武装集団(サーディライの街の騎士団かな?)を木の上から【擬態】して見送る。ここは違法改造ジャーキーを使ってゴキブリパワーで街まで走るか


「うえっ……生臭いし、腐ってる様なエグさが……うぷっ、吐きそう」

 口の中が地獄と化す。ジャーキーでここまで不味くなるのか……回復薬の味を最低にして喰らわせたガチ宮さんが吐くのも納得だ。あっちは苦さに特化した不味さだろうけどこっちは複合的な不味さだ。ギリッギリ食べれなくはないけどジャーキーの噛み応えがあるせいで食べ切るのがかなり、とても辛い……


「何かソースでも掛けたらもう少し美味しく食べられるかな……うえっ」

 空腹度の回復は全然してないけどこれで空腹度の減少が無効になったはずだ。もうあの人達に気付かれない距離だろうし、早速走ってみよう


「自分の走る速さでスローモーションになるのはヤバいな……」

 真っ直ぐ走れる場所では目を閉じて踏み出さないとスローモーションになるから脳に余計な負担が掛かる。まぁ危ないからちゃんと見て進むんだけどさ?フルフェイスを付けてたお陰で風圧で目が開けられないとかも無い分意識して目を閉じないと移動中は常にスローになりそうだ……


「速すぎィ!止めて!」「かなりのスピードですね……」

「おっとゴメン。速すぎた?」

 フードの中から緊急停止命令が出たのでゴキブリパワーのダッシュを止める。なんかカサカサ言ってる?まぁ森もそろそろ出れる距離だし丁度良いだろう。仮面を首輪状にして街の門に向かう




「おぉ!君!大丈夫だったか?」

「あ、衛兵さん。何かあったんですか?」

 白々しいけど衛兵さんに心配そうに話しかけられたから何も知らない体で答える。多分僕の事なんだろうけど……


「なんか森の中で危険そうな生物が出たらしい。心配していたが……その様子だと会ってないみたいだな?」

「そういう生物には出会ってませんね?安全に帰って来れてよかったー」

「基本虫は集団で襲い掛かってくるが、今回現れた虫人というのは1体のみだったらしい。出会わなくて本当に良かったな……さぁ、早く街に入ってくれ」

「はい、襲われないうちに街に避難させてもらいますね?」

 襲われる事は絶対無いけどね?だってそれ僕だし……


 そそくさと街に入り、泉に向かう。フードの中の2人もずっとちゃんと隠れてくれてるし、このまま村に一旦ワープしてしまおう


『現在ワープすると触れている存在も一緒にワープしてしまいます。本当にワープしてもよろしいですか?』


 あ、そういう警告文とか出るんだ


「2人共一旦村に行っても良いかい?花畑は後でちゃんと連れて行くから」

「はい、アトラ様に早く会いたいのでお願いします」

「花畑もそうだけど、私の味方しなさいよ?怒らせて封印されたんだから何言われるか分からないし……」

 いざ、村に行こうとしたらエアラさんが若干弱気になってる。アトラさんと再会するのをちょっと恐れてるみたいだな……


「それは大丈夫。ちゃんとフォローはするよ」

 エアラさんだけが責められる状態にはならない様に僕はエアラさんの味方になる予定だ。流石に戻ってから暴言とか言っちゃうならその限りでは無いけど……


「なら、行くわ」

 反省はしてるし、ちゃんと大事な時の言う事は聞いてくれるし、問題は無いと思うけどね?


「じゃあ行くよ?」

 妖精と銀のカブトムシをフードの中に入れてアストライトの村に戻った




「ここが、アストライトですか?」

「凄い、結構しっかりした村じゃん」

 ソイルさんとエアラさんがフードから出して掌に乗せてアストライトの村を見せる。気に入ってくれてるかな?


「おや?今回は結構早いじゃないか?」

「あ、アトラさん。エアラさんとソイルさんを連れてきました」

 丁度アトラさんがやってきたのでタイミングとしてはある意味最高じゃないかな?


「アトラ様!ソイル。ただいま戻りました」

「……戻りました」

「やっぱりハチは全て言わなくても2人共連れて来てくれたな?感謝するぞ」

 ぎこちないのはエアラさんだけみたいだ


「安心しなよ。アトラさんだっていつまでも怒ってる訳じゃ無いって」

 僕の後ろに回ろうとしたエアラさんを止める。相当怒ったアトラさんが怖いんだな……まぁ近距離で睨まれた時はちょっと怖かったけど


「許してるから解放する為に僕を向かわせたんですよね?アトラさん」

「まぁ、そうだな。正直儂もあんな事で怒り過ぎたと思っておる。エアラ、すまなかったな」

「え?え?嘘?アトラ様が私に謝ってる!?」

 動揺するエアラさん。アトラさんと僕の顔を交互に見るんじゃない


「そ、そこまで言うなら許してあげなくもな……痛たたっ!?」

「はい、そこで調子に乗らない。そこで調子に乗ったらまた封印された時と一緒だよ?」

 ソイルさんは既にアトラさんの隣まで飛んで行っているので空いた右手でデコピンする。エアラさんも悪い人じゃないけど調子に乗って失敗するタイプだろう。止めてくれる人が居ないとどこまでも行っちゃう感じの……僕も案外その節があるかもしれないから注意しないとな


「やはりハチに頼んで正解だったようだな?」

「あ、エアラさんを連れて花畑に行く約束があるからソイルさん?後の説明頼んでも良い?」

「アトラ様に説明する役割はお任せください」

「ごめんアトラさん。エアラさんを花畑に連れて行くっていう約束してるからもう行くね?」

「お、おう……行ってこい」

「うっそ、あのアトラ様が完全に負けてる……」

「それじゃあエアラさん行くよ?」

 さ、花畑に行きますかぁ



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