表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1856/2015

地上の城持ち

『良いですわ。でしたらここに来て頂けるかしら?』

 位置データがメッセージに添付されてる。なるほど、そこに行けば良いんだな


「とりあえず用意する物はこんなところかな。よし、それじゃあ行くか!」

 一応、色々と用意はしたから指定された所に行こうか




「さて、ほうほう、これはまた……」

 フィフティシアの外れにある少しぼろっちい城。ここが今レイカさんが居る場所か


「すみませーん。お邪魔します」

 おわぁ、なんだか扉も外れちゃいそうだな……


「レイカさーん。居ますかー……あれぇ?」

 返事が無いし、とりあえず先に進むしかないか


「おぉ……おっ?」

 ボロボロではあるけど、しっかりと城の謁見の間的な所の先にある。そしてその玉座には……


「あら、よく来てくれましたわね?」

「あぁ、これがやりたかったんだな……」

 そういえばレイカさんってちょっとお姫様願望的な所があったっけ。あれはお姫様と言うより女王様って感じだけど……女王様はキリエさんだけで充分なんだよなぁ……


「何か言いましたの?」

「いえ別に。ここはレイカさんの場所なんでしょうか?」

「ええ、今この城は私の持ち物ですの。おほほほほ」

 はいはい。これはもしかしてもしかするか?ここは……直球で一度聞いてみるか


「レイカさん。もしかして今……かなりお金に困ってたりします?」

「そ、そんな事はありませんわ!」

 玉座から乗り出して答えるけど、説得力が無いなぁ……


「では何故ここはこれだけ荒れているんでしょうか?ここは言わば城の顔部分だと思うのですが……それがこれだけ荒れていたら、持ち主はお金が無いのかなと……」

「……ええ、そうですわ!今は金がねぇんですの!だから装備更新に回す事も出来ねぇで困ってるんですわ!」

 やっと本音を引き出せたかな


「ほうほう。これは中々面白そうなだな……」

「この際だから言っちゃうけど、ここはクエストで入手しましたわ。でも、ここの修繕費がたっけーんですの……だからギリギリ何とか現状を維持してるって状態ですの」

 修繕費か……それは大変だなぁ


「修繕費って具体的にどの位掛かるんですかね?」

「税金らしい物はないけど、とにかく修繕費に馬鹿程金が掛かるんですの。今貴方はここが城の顔とは言ったけど、ここに来るまでの廊下もそれなりに修繕したんですの!それでもまだまだ金が掛かるんですの!」

 貧乏口悪姫様という何とも悲しい状態なレイカさん。これは少し修繕も手伝ってあげても良いかもしれないな


「僕ならそれもお手伝い出来ますよ?」

「え?」

「木材が欲しいなら時間は多少掛かりますが、用意する事は出来ますし、石材は……石はちょっと難しいかもしれませんが、まぁ、ミスリル建築材とかは用意出来ます。大理石とかその辺になっちゃうと流石に用意は出来ないかもしれませんが……」

 一応、時間さえかければミスリル建築材も木材も生産は可能だ。それを用いてここを修復する事が出来るか出来ないかで言えば出来るだろう


「な、何言ってるんですの?そんなの協力すると言ってもすぐに出せる金なんてねぇですの!」

「あ、お金は別に要らないです。そもそも受け取れないんで。まぁ、そうですね……武装面に関してはある程度そちらでどういうのが良いのか一度要望は聞いてみたいですね。で、城に関しては人員と作業スペースを頂けるなら修繕作業はある程度請け負っても良いですよ?」

 まぁ破格の条件ではあるよね。これは流石に怪しいと思うだろう


「いったい何が狙い何ですの……」

「そうですね。僕としては貴方が何かしら持っている情報とかあればそれは教えて欲しいですね。自分が見つけた隠しダンジョンとか、そういった物が有るのならそれは特に教えて欲しいです。要するにお金じゃなくて、レイカさんが僕に情報を提供してくれたらその情報に見合った分の城を修繕しましょうか?って提案ですかね?」

「情報で……でもそれはもう遅いですわ」

 あ、この感じもしかして……


「もうチェルシーに情報は提供してお金にしてしまいましたわ。高く買って貰えたからある程度修繕は出来たけど、それでもこれですわ……」

 そっか、じゃあもう出し尽くしたって感じかぁ……


「なるほど……じゃあそうですね。さっき言った自分の今欲しい装備の雰囲気?とかを紙に纏めて貰っても良いですか?その後僕と戦って下さい。僕はその戦闘で得たデータが欲しいので、その結果次第で城の修繕をする情報料って事にしても良いですよ?」

「貴方……随分とお人良しと言うか……利用されそうですわね?」

 おっと、まさかそんな返しが来るとは思ってなかった


「むしろ利用してやろうって気持ちが有る位で良いですよ。僕もその分相手を利用してやろうって思ってますから」

「分かったわ。その話受けますの。でも聞かせて。どうして?私達はそんなに接点は無いと思うの」

 まぁ、そう言われればそうだけど、それは流石に悲しいかな


「前は確かに争った相手ではありますが、今は一応と言えどフレンドです。苦しんでるなら助け合いも大事でしょう。あと何と言うか、ジェイドさん?あの人と違って接しやすいし、僕も城は持ってるんで、城持ちとして、朽ちかけの城は蘇らせたいなって」

 地上にある城とかまぁ下手したら奪われかねない。こんな状態で手に入れたレイカさんには最低限城を守れる状態にならないとね?




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こうして、ハチの魔改造計画が始まるのでした まる
出涸らし貧乏口悪姫様「みんなビンボが悪いんじゃー!!」 ありがとう?感謝の心は現金d(モノペシィ!) と言うか、そのクエストってそれなりの人数で受けるのがいい奴なんじゃないのかなー?
>地上にある城とかまぁ下手したら奪われかねない ミスリルとか高価な素材で改修したら、より目をつけられやすくなるのでは?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ