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185/2001

脱出

「使い過ぎは要注意って事ね……うまぁー」

 ジャーキーを食べて減った空腹度を回復する。このベルトの力をフルで使うなら満腹状態じゃ無きゃダメか……


「ハチさん?その食べ物……?はなんです?」

 ソイルさんは僕の咥えているジャーキーを見て何かと聞いてくる。そういえばソイルさんは樹液を食べてたからこれが気になるのかな?


「これはジャーキー。所謂食べやすくした干し肉かな?」

「一口食べてみたいのですが……」

「あ、それなら私も一口食べたい!」

 ソイルさんとエアラさんがジャーキーを一口食べたいみたいだ。一口ずつならジャーキー1つを分ければ充分かな?


「ほい、どうぞ」

「「いただきます」」

 2人がジャーキーを食べる。ソイルさんはゆっくりちびちびと、エアラさんは何とか食べようとしてるけど堅いのかあんまり食べられてない


「なるほど……割と塩が効いているのですね……」

「堅い……もう少し柔らかいの無い?」

 ジャーキーはあまり2人には好評では無いみたいだ。味の好みの違いって奴だろう


「2人は甘い食べ物の方が良い感じかな?」

 2人の味覚だと甘い食べ物の方が気に入りそうだ。卵とか牛乳があったらホットケーキとかご馳走してあげたい。ホフマンさんならそういう食材が取れる場所とか知ってるかな?


「あっ!そうだそうだ!」

 ホフマンさんで思い出した


『ホフマンさん?蜂蜜っていります?』


『蜂蜜を見つけたのか?ちょっと待て』


 ホフマンさんに連絡すると何かあるのかちょっと待つように言われた


『このガラス瓶をやるから取れる分を取ってくれないか?液体なら結構な量が入るぞ?』

 プレゼントボックス付きのメッセージ。そこには4つの空のガラス瓶が入っていた。よく見てみるとガラス瓶には目盛が付いており、一番上は100Lと……え?この瓶1つに100リットル入るの?流石ゲーム。こういうの便利だなぁ……良い物貰えた


 あの巨大なミツバチの巣なら蜂蜜をもうちょっと貰えるかな?


「あっ、そういえばジャーキーの効果って……」

 甘い物、蜂蜜、ホフマンさんと連想ゲームの様に繋がっていき、最終的にジャーキーに戻った。そういえばジャーキーって空腹度減少軽減が付いてたっけ……


「……やるか。【違法改造】」

 味、効果1、効果2、効果時間、追加効果の5つが選択可能……味と効果1、追加効果を最低に、効果時間を大体6分の1程度にして、効果2に全振りだ……これを食べるのは非常に勇気がいるな


『ジャーキー(違法改造) 空腹度+1%回復 空腹度消費無効10分』


「やっぱり出来たな……」

 マイナス候補がこれだけあれば1点に伸ばせば効果が強くなるかもしれないと思ってやってみたけど、これを食べればベルトのデメリットも消せるんじゃないかな?


「急に何かやってどうしたの?」

「あぁ、ごめん。まずはここから出ないとだね?」

「脱出する場所はどこでしょうか?」

 食べるのは後回しだ。まずはこの空間から出る事を考えよう


「そういえばタンケさんはどうやって出たんだ?ここに入る時岩で入口は封鎖されてたはずだから出られないはずなんだけど……」

 広場から階段の方に向かってみる


「なんだこれ?」

 階段を上がっていくと魔法陣とその傍にメモがあった。えーっと何々?


『もし出口が無い場合、この【エスケープパッド】に乗って脱出して下さい!大丈夫!外に繋がっているトンネルの様な物です!安心してください! タンケ』


「これを使って脱出したのか。もしかしてタンケさんってお助けキャラ的な存在だったのかな?」

 これはひょっとしてタンケさんに会うのも合わせての一連のイベントだったのかもしれない。トレジャーハンターが居ますよって教える的な?まぁタンケさんはトレジャーハンターじゃ無くてトレジャーディテクター?


「おーい!2人共、出口あったよー」

「早速見つかった?」

「これですか?」

 忘れ物も無い。隠し部屋も無い。祠を掃除したらまたやって来れると思うから部屋から出るとしよう


「多分この上に乗れば外に出られるはずだから行くよ?」

「オッケー!」

「準備万端です!」

 エアラさんはフードの中に、ソイルさんは僕と一緒に【エスケープパッド】に乗る


「……お?もう外だ。あっという間だなぁ?」

 パッドに乗ったら背後には大きな岩。周りの景色は森だ。ちゃんと魔蟲の森に出てこれたみたいだ


「とりあえず一旦村に2人は送り届けるとして……ソイルさんをどうにか隠さないとな……」

「隠れた方が良いのですか?」

「ソイルさん結構目立っちゃうから街の泉からワープする時に大騒ぎになっちゃうからさ?何とか隠さないとなって」

「分かりました。では小型化しましょう」

「うっ……」

 ソイルさんが光り輝き、光が収まると掌サイズの銀のカブトムシになっていた


「え?ソイルさん?」

「はい、これなら大丈夫でしょうか?」

「うん、掌サイズにまで小さくなってくれたら何とかなりそうだ。これなら先に蜂蜜を集めてからでも何とかなるかな」

 どうしてもデカいソイルさんを連れて歩くのは目立つからどうしようか困ってたけど少し大きいカブトムシサイズになってくれたならエアラさんと一緒にフードに入れて移動出来るな


「頼まれ事でもあるからさっきのミツバチの巣に一旦寄るね?」

 ホフマンさんに蜂蜜を持ち帰れば卵と牛乳を使わせてもらえるかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] もし普通のプレイヤーがタンケと接触すると、エアラとソイルは中ボス扱いで殺されたな...もしかしてアトラ様はそれを予想して...?プレイヤーパワーと直結する第二職が予定より早い解放されたのこと…
[一言] まーた危険なドラッグ作ってるー! 唯一の欠点といえる空腹度減少ブーストが無くなったら実質時間制限がなくなったと言う事に……。 違法改造しなかった場合でもジャーキーを食べ続けることで意地は出来…
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