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ベルトの力

「あの……何か試練的な物があったんじゃ?」

 あの謎の声はタンケさんにも聞こえてたのか。って事はここに居る全員にも聞こえてたみたいだな


「聞いてた通り、僕この森で何も倒して無いから試練の敵が出てこなくて終わっちゃった……」

「あはははは!面白い!とても面白い!これだから探検は止められない!」

 タンケさん的には面白かったみたいだ。まぁ僕としても特に何もしないで良い物貰えたから良いんだけど……


「えぇ……なんか腑に落ちない」

「このような事も起こりえるのですね……流石です」

 エアラさんは腑に落ちず、ソイルさんは褒めてくれてる?のかな?


「もうあの声もしないし、終わっちゃったみたい」

 本当は倒してきた大量の虫との死闘をして最後にさっきの言葉を聞いてありがたく受け取る流れだったんだろう。意図せずしてそのイベントをぶち壊してベルトだけ入手しちゃった


「面白い経験をさせてもらいました!僕はまた新しいお宝を探しに新たな地に探検しに行きます!またお会い出来る事を期待していますよ!さようなら!」

 タンケさんは階段を上って行ってしまった。え?開いてるの?


「ねぇ?そのベルト?ってどんな能力付いてるの?」

 エアラさんが聞いてきたので改めてベルトを見る。黒い革?っぽい材質と黒い金属で出来た少し大きめのバックル。何か3つの穴がバックルの横に開いてる


「えっと、虫の特性を3つまで使える様になるみたい?」

「へぇ?どうやるの?見せて見せて!」

 そういえばそうだ。これにどうやったら虫の特性を3つ使える様に設定できるんだ?


「何か落ちましたよ?」

「ありがとうソイルさん。なんだこれ?試験管?」

 ソイルさんに拾ってもらったのは3本の小さな試験管の様な物。そしてそれを手にした時、ウィンドウが開かれた


「これは……ほとんどこの森で見た虫かな?」

 ムカデ、ゲジゲジ、蜂、バッタ、蠅、カメムシ、ナメクジ、蚊、ゴキブリ、ボルウダンゴムシ……僕が見た事のある虫ばかりだ。試験管みたいな物を手に取ったらウィンドウが出たって事は選んだら良いのかな?


「とりあえずバッタでも選んでみるか」

 何となくバッタを選んでみると試験管の中にバッタが現れた。動いてはいないから本物では無く、模型的な物だと思うけど……


「この穴……もしかして」

 ベルトのバックルに開いている穴、そしてこの小さな試験管。大きさ的にはバックルの横の穴に入りそうだ。試しに入れてみよう


『グラスホッパー!インストール!』


「なんだ!?」

 急にベルトから声がした。これもしかして日曜朝とかにやってそうな番組に出てくる様な物なのでは?


「これでバッタの力が入ったのかな?痛ったぁ!?」

 バッタと言えばジャンプ。試しに思いっきりジャンプしてみたら思いっきり天井に頭をぶつけた。痛すぎる……


「へぇ!面白いじゃない。あと2つも入れてみてよ?」

 エアラさんも案外ノリノリだ。頭を思いっきりぶつけたけど残り2つも入れてみよう


「痛ててて……何を入れようかな?」

 残った2つの穴に何を入れるべきか悩む。多分だけどバッタだって飛べるはずだけど僕に翅がある訳じゃ無いから跳ぶ事は出来ても飛べはしない。あくまでその虫の特徴的な要因の1つを僕の体で再現しているだけだろう。そうなると……


『コックローチ!インストール!』

『ホーネット!インストール!』


 ゴキブリと蜂を試験管に入れてみた。これでバックルの穴は全部塞がったね?蜂は多分毒だと思うから試すのは後回しだけどゴキブリの方は何となく想像出来る。こっちなら怪我することなく試せそうだ


「よーし!っと!?」

 凄まじいスピード。0から100へ到達する加速力が今までの比では無い。あとベルトを装備したからかAGIも上がっていてトップスピードも上がってる。スローモーションが掛からなければ壁に激突するところだった


「え!?いつの間に!?」

「これ注意しないと能力に負けるな……ベルトだけ付けておけばただのAGIが300上がるアクセサリーだけど別の虫の特性を入れるとかなり使い勝手が変わるかも……」

 虫限定だけど組み合わせ次第で色んな使い方がある。まぁ今の僕だとSTRが無いから力強い、それこそカブトムシの力を手に入れても悲しい結果になりそうだ。その点バッタとゴキブリの力は今の僕にとても合っている。移動力の強化はある意味僕の攻撃範囲が伸びてる様な物だ。普通の人より1歩で進む距離が変われば相手の意表も突けるだろう。バッタとゴキブリの力は変えなくても良いかな


「いやぁ凄いな?これ?」

「凄まじいですね……目で追うのがやっとです」

 ソイルさんは何とか目で追えたらしい


「これだけ移動力が上がると、楽しくなってくるね!」

「ハチさん。あまり調子に乗ると多分良くないですよ?」

「え?」

 ソイルさんが忠告をしてきた。一旦止まろう


「確かに移動力が上がるのは良い事です。ですが、人の身で急にそのような力を手にすると何かしらの影響があるのでは?」

「なるほど……うわっ!めっちゃ空腹度減ってる!?」

 ソイルさんの言っている事も一理あるかもしれないと思ったので何かしらのマイナス効果があるかな?とステータスを確認してみると空腹度が10%を切っていた。移動力の超向上と引き換えに虫の力を使用すると空腹度を大きく消費するみたいだ。僕もソイルさんみたいな腹ペコキャラになってしまったか……



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タカ!トラ!バッタ! タ・ト・バ! タトバ タ・ト・バ!
ナメクジが害虫枠で虫扱いされてることに今さら気付いた… 貝の仲間なのに虫
[一言] 腹ペコサムライだから気がつくベルトのデメリット!
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