人魚。空島へ
「なら何か持って行った方が良いわね。何が良いかしら?」
「あ、それならマグロ……身が赤い魚でこの位のサイズ感の……」
「あぁ、アイツね。分かったわ」
どうやら調達出来るらしいし、それは任せよう。マグロなら寿司にしたとしても外れはしないだろう
「という事で、それじゃあ行きましょうか」
マグロは前にマイ君が水属性の何かしらを覚える為に倒した事はあったけど、あの時美味しそうに食べてたし、マイ君に寿司を任せてみるのもアリかも。素材の味を活かすというのは難しいけど、多分何とかなるだろう!
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
空島に戻ってきて、まずは広場で他の人達と大規模な交流かな
「えっ、水……あれ?なんか呼吸出来る……それに……あれ?」
「何か……深海と変わらない?」
「でも、重苦しい感じは一切ないよ!」
その辺を泳ぐ人魚さん達。正直周りに人も居るし、早い所城にでも通して話を進めたい所だが……まぁ良いか
「色んな人と協力して、準備しました。そろそろよろしいですかね?周りの皆さんも驚いてますから……」
「ほら、行くわよ。何時までも泳いでないで早くこっちに戻って来なさい」
「「「はーい」」」
マダムが引率状態になった。やっぱりマダムはそういう役回りになっちゃうか。にしても、やっぱり一回来た事があると、水が無くても空中を泳げるって状態になってもあんまり驚かないのかなぁ?
「こんなちょっとしか経ってないのに、どれだけ技術が進んだというの……」
「え?まぁ、技術革新が2,3回起こったって言うか、日々技術革新が起きてるって言うか……」
それに関しては正直オートマトンさん達が凄いからこうなってるだけだと思う。いつか僕がオートマトンさん達に見限られたりした場合は、この世界に超大国が生まれるかもしれない。
「貴方の所は本当にどうなってるのかしらねぇ?」
「凄いのは仲間ですよ。僕はお手伝い位しかしてませんので」
「またまた、謙遜しちゃって」
いや、これに関してはマジで謙遜でも何でもなく、オートマトンさん達が凄い。やっぱりヘックスさんとの交流があってからの技術力の向上が目まぐるしい
「まぁ、まずはお城で歓迎の為に料理を振る舞いますよ」
「そうね。ハチの所で何かするのであれば、皆の心は掴んでおいた方が良いわ」
魔導プロジェクターとかも使って、こういう計画だって人魚の人達に説明とかした方が分かりやすいかな?
「という感じで、やろうと思ってます」
「これうっま!」
「普通に生で食べるのと何が違うのかと思ったけど、これはイケる!」
「うまうま。いやぁ、生の魚を使った料理うまー!」
「あの計画も凄いが、この技術。興味深いな……」
マイ君と共にお寿司を握って振る舞ってみたら、かなり好評だった。なんか一般通過モルガ師匠とか居た気がするけど、別にその位はよしとしよう
「どうでしょう?協力して欲しいのは生きてる魚の持ち込みと良かったら技術の交流とかも出来たら良いなって事位ですかね?一応皆さん向けのエリアを作りつつ、そこで何かおめでたい事があれば祝福してあげて、可愛そうな事になったら慰めてあげて欲しいなって」
「まぁ、その位なら別に……」
「この島に来た時に色々と街で売り物とかあったと思いますけど……それは買ったりできますか?」
「まぁ、お金を持ってたら出来ると思いますが……」
ルールイアも普通にお金の流通があるなら行けるか?それはちょっと分からないから店の人に任せるしかないかな。でも、そういったやり取りも可能になるなら……
「じゃあ、俺らが何か深海の物を売りに来ても良いのか?」
「まぁ、僕にその商売……流石に違法な物とかじゃない限りは止める権利は無いので、自由貿易……いや、そうですね。物々交換も含むのならアリにしましょうか」
単純にここで自由貿易みたいな事を言うより、物々交換も出来る様にしておかないと、僕がその人魚さん達が持ち込む物に触れられなくなってしまう。何と言ってもウチには開かない財布の守り人が居るからね
「おぉ!こんな所と貿易が出来るなんて!」
「貿易っていう程の物じゃないかもしれませんが、まぁお互いにメリットを享受しましょう」
普通に空島で新鮮な魚が取れるって言うのは嬉しい事だ。いやぁ、これが本当のスカイフィッシュって事かな?
「それで、どうするのかしら?」
「どうすると言われましても、僕としては後はご自由にって感じですけど……」
これから用意する物とか考えても、人魚さん達に何か建てるとかそういうのを手伝って貰うのってアリか?と思うけど……どうなんだろう?
「あら、今の私達は空中にも行ける存在。つまり、高所作業にも強い状態よ?そうなったら私達を労働力として利用するのは良い事じゃないかしら?」
なるほど。確かにそう考えれば、人魚さん達であれば高い所での作業とかにかなり有利か。そう考えると空島での作業員としての適性は中々良いかも。まぁウチにはオートマトンさん達が居るからその辺は別に不足はしてないかな?
「まぁ、それも良いんですけど、そういうのはしなくても大丈夫ですよ。まずは空島を楽しんでください」
その辺はまたおいおい頼むとしよう




