ダアト
「ところでこのメビウスツリーって魔力を吸い上げるとかそういうのってあったりします?あんまり魔力を吸い上げるとかが強過ぎたら、この空島の浮遊力が無くなっちゃって落ちる事になるので……」
「それに関しては心配ない。むしろ、魔力はこちらが生み出すくらいだ」
ほほぉ、魔力を生み出す樹かぁ。それはありがたいかもしれない。まぁ、魔力とかなんぼあっても良いですからね
「それはありがたいです。こっちが何か出す物とかあります?」
「そうだな。ではたまに来て生命力を少し貰えるだろうか」
「生命力?流石に体力の上限を減らされるのは辛いんだけど……」
HPの上限値を減らされるとなると、流石に考えなければならないが……
「それに関しては問題無い。所謂ドレインだ」
「あ、それなら問題無いですね。じゃあまずはサクッとどうぞ」
ドレイン攻撃みたいな物なら問題ない。吸血とは違うんだな
「そうか。では……」
樹から蔓の様な物が出て来て体に巻きついて来た
「あぁ、何か吸われてる気がする」
「ふむ、これなら問題無いな」
「オッケーですか?じゃあこれでダアトさんの方も問題無いですかね?」
「抵抗無しか。話が早くて素晴らしい」
まぁ抵抗した所で意味無いしなぁ……
「これだけやってくれるのであればこちらも誠意を見せなければならんな」
ダアトさんは誠意を見せるとか言ってるけど、別に要らないんだけどな。まぁ、貰える物は貰っちゃおうかな
「クリファかセフィロ。どちらかの守りをやろう」
「守りかぁ……守りなら別に要らないかなぁ……なら僕は要らないから後ろの皆にその守りとかあげられない?」
守りの技能よりは攻めの能力の方が欲しいけど……その守りってなんか貰っちゃうと何かの属性に強くなって別の属性に弱くなる的なのはあんまり好きじゃないんだよなぁ
「え、要らないのか……?」
「防御能力で何か無効とかあると確かに強いと思いますけど、多分僕の勝手な想像で進めてますが、その守りって何かに対して強くなって、その逆の何かには弱くなるとかありません?」
「まぁ、それはあるが……」
やっぱりそういうのが有るのか……
「どうしても色んな奴を相手しなきゃいけないので、そういう偏りのある防御能力とかはあまり好きじゃないんですよ。切り替えとか出来るならまだ良いんですけどね……」
防御能力を複数持っていて、相手の攻撃によりその防御能力を切り替える事でガードするとか出来れば使い勝手は良くなりそうではある
「切り替え……そういう考え方になるのか……」
「僕にとっては正義も悪もどっちでも良いんですよ。戦う為の能力であるのならその力の発端が正義由来だろうと悪由来だろうと、扱える技術であるならば学んで使えるなら使うし、何らかのデメリットがあるのなら、そのデメリットとメリットを天秤に掛けて使うかどうかを選択したいんです。これが強いからコレを使えって言われても、その人にとっては強いかもしれませんが、僕にとってはその選択は最適では無いと感じたなら不要な物になりますから」
僕が目指している物と違うなら幾ら強い物をオススメされても目指す先が違うならいらない物になってしまう。しなやかな体で素早い移動が可能なチーターに高い所の餌が食べられるキリンの首があると便利だよ!って合体したとしても、多分上手く行かないだろう。長所を活かせない組み合わせは結果としてマイナスにしかならない
「そうか……にしても本当に正義も悪も関係ないのか?」
「力に善悪とかって関係あります?正直振るう人次第じゃないですか?」
どんな力でも、やっぱり振るう人次第で善にも悪にもなると思う。脈々と紡がれた技術とかも悪い人が自分の為に使うとその技術もより悪向けの力になるだろうけど、本質は紡がれた技術が元になっている事には変わりないはずだ。それを善だ悪だと言えるのは何様だとも思うし……
「……なんだかまだ言いたげだな?」
「あ、わかっちゃいます?正直、ただ強いんじゃなくて、デメリットありの能力が好きだからこそ、どっちって選べないかなって……」
デメリットありで強力な効果を出せる位の能力の方が愛着が湧く。だからこそ、そのデメリットがありそうな防御の能力を片方だけ取るなんて出来ない。なら最初から持たない方が良いだろう。選ばれなかった能力が可哀想だ
「はっはっは!面白い考えだな?」
「あれ?もしかして思考読まれてます?」
「あぁ、生命力を貰ってから少しの間だけな」
なるほど、そういう事も可能なんだ
「そうか……これは確かに色んな奴が目を付けるのも納得だ。そうだな。後日また来てくれ」
「あ、はい。となると、一旦これで解散かな?」
ダアトさんの用事も終わったみたいだし、解散にしよう。いやぁ、にしてもまた新しい大樹が島に生えましたぜぇ?
「ハチ……善悪の判断が出来ないという訳では無く、力に善悪は無く、振るう者によって善悪の判断をするか……あの者が居るからこそ、この島のバランスは保たれているのだな……」




