流星のハチ
今日でこの作品は5年目に突入ですねぇ……毎日投稿も5年も続けられるとは……読んでくださる皆様のお陰です!
「そろそろか……【キャンサー】」
隕石が端からボロボロと崩れていく様を見て、タイミング的にもそろそろだろうと思い、【キャンサー】を展開した
「おぉ、やっぱり頼もしいな」
僕を包むように巨大な蟹の幻影みたいな物が現れ、今まで感じていた熱さとか、風圧的な物が一気になくなった。やっぱりこの蟹バリアの性能はかなり高いな
「あれ、これは……」
パラパラと散っていく隕石の中から、色の違う輝きのある物が見える
「これ、何かしらの鉱石か?」
宇宙の鉱石……うーん、間に合うかこれ?
「よし、蟹さん信じてるぜ!はぁ!」
大気圏突入の最中ではあるが、隕石に闘気やら真淵やらで強化した掌底で衝撃を加えて砕く。残りは蟹さんに頑張って貰おう
「もし、このまま巨大な岩の状態で落ちちゃったら大変だしね。さぁ、これは何なんだ?」
隕石を壊すとその内部に含まれていた鉱石らしき物を入手する
『コスミウム を入手しました』
『コスミウム レアリティ レジェンド 宇宙にある鉱石。鉱石自体に不思議な性質等があり、未知の鉱石の1つである』
ほうほう。これ、未知の鉱石だったのか。それに不思議な性質ねぇ……まぁウチの技術班は喜びそうかな?
「よし、これなら例え地上に落ちたとしても問題無いな。さぁ、せめて大気圏を突入完了するまでは持ってくれよ蟹さん!」
大気圏の摩擦熱が発生する層を突破出来れば後はもう何とか出来る……
「お、おいなんだアレ!」
「えっ、何だありゃ!?隕石か!?」
「何だ何だ!?緊急イベントか!?」
「隕石のイベント!?そんなのあんのかよ!」
地上に居た者達は空を見上げ、青く光る1つの流星を目にする。だが……
「なっ、砕けた!?」
「いや、砕けてくれなかったら、爆風とかとんでもない事になってるぜ?」
「分散して小型になったから多少クレーターを作るだけで済む。お前あの映画とか見た事無いのかよ」
「いや、それよりも、あの隕石の欠片……あれ、近くの砂漠らへんに落ちるんじゃねぇのか?」
「隕石……これはもしかしてレア素材か!?」
巨大な隕石が砕けて、各地に落ちていく。ゲームならではの隕石素材の入手機会の到来だと、旅人達は動き出す
「ん?何かあの隕石……1つおかしくねぇか?」
「何か、1つ色が違う隕石が……」
「あの隕石……なんか生き物っぽくねぇか?」
隕石がアルテア大陸の各地に降る中で1つだけおかしな隕石がある事に気が付く者達も居た
「「「「「何だあの隕石は……」」」」」
【望遠】の魔法や銃についているスコープ。実際に望遠鏡なんかを使い、その1つのおかしな隕石を見る
「「「「「蟹だ……」」」」」
蟹が体を畳み、守りを固めて隕石と共に落ちて来る。おかしな話だと思いながらもその蟹を見ていると……
「「「「「はぁ!?」」」」」
蟹が消えたかと思ったら、その中から羽根のボードに乗り、ゆっくりと降りていく人の姿を複数の人間が確認した……
『称号 【宇宙旅行者】 を入手しました』
『称号 【宇宙旅行者】が【流星の旅人】 に進化しました』
『【宇宙旅行者】 宇宙空間から地上に生還した時に入手 その星は青かったですか? 全ステータス5%アップ』
『【流星の旅人】 宇宙空間から異常な方法で地上に帰還した時に入手 もうこっちの顔が真っ青です…… 全ステータス10%アップ 星座魔法の能力が上昇』
「ふぅ……何とか帰って来たなぁ……いやぁ、まさか冗談のつもりだった隕石サーフィンを本当にやるとは思わなかったなぁ……あれ?なんか称号増えてる。はぇ~。星座魔法の能力が上昇は普通にありがたいな!」
結構面白かったし、また星座魔法を覚える時があればこの帰還方法で帰ってきても……いや、流石にそれは辛いか。まぁ良いや。とりあえずこのコスミウムをオートマトン島に持ち帰って見せてあげよっと。どうかなぁ……喜んでくれるかなぁ?宇宙の物質だし、地上に無い物の可能性はあるからこれは少し楽しみだな
「あっ、でも空中でバラバラにはしたけど、人とか民家に落ちてたらどうしよう……流石に謝罪行脚は辛いぞ……いや、別に僕がやったって知られてなければ問題は無い……か?いやぁ頼むぞ……隕石が人に当たったとか街に落ちて壊滅状態とかだけは勘弁してくれよ……」
帰還する為に用意した隕石だったけど、圧力分散の為に砕いた隕石の破片とかで怪我人多発とかになってない事を祈る。僕もああでもしないと帰れないと思ったからやったんだし、被害を軽減する為にやった事で怪我人多発は正直困るんだ
「まぁ、今は島に帰るとしよう。ここは……わぁお。また運命的な……」
隕石を砕かなかったらアルテア自体が終わるのと、色んな所に小さな隕石が降り注いでクレーターを作るのだったら、後者の方がまだ良かったハズだ。とりあえず今はそういった隕石情報とかも集めないといけないだろうし、空島に戻る事を優先しようと、現在地を知ろうとマップを開いた
「ベイタの森……隕石として降ってきてまたここに戻って来るとはなぁ……」
急いで戻るべきだけど……せっかくだし、里帰り的な感じで少し探索とかしてから帰ろう。それでも問題は無いと思う




