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蟲の試練……

 探検服を着た人がどんな奴か分からないけど2つの光の玉が大きな岩の前で1つになった。そして大きな岩がズズズっと動き、地下に向かう階段が現れ、下に向かって光の玉が降りていく。まだ探検服の人が何か言ってるけど岩が元の位置に戻ろうとしている……


「悪いけど付き合ってる暇は無いみたいだから。ソイルさん行くよ!」

「はい!」

「あぁ……親切にしてくれた皆さんごめんなさい……へ?」

 探検服の人を無視して階段に向かう。このままだと岩が元に戻って入れなくなってしまうと思うのでダッシュだ


「おぉ?何だこれ?」

「これは!お宝な気がします!」

「ん?いつの間に」

 階段を降りると小さな空間に台座があり、その上に何かが浮いていた。何か探検服の人もいつの間にか来ていたみたいだ


「とりあえず聞いても良いかい?君は誰?」

「おや?人の言葉が分かるのですね?では教えましょう!僕はタンケ!お宝を探して色んな所を探検しています!」

 タンケと答えたその人は所謂トレジャーハンター的な事でもやっているんだろうか?


「一応言っとくけど僕も人間だよ」

 蜘蛛フルフェイスを首輪に変えて顔を見せる


「えぇ!?人だったんですか!?」

 失礼過ぎない?


「で、そのタンケさん?はどうしてこんな危ない所に?」

 どう考えても一人じゃ危ないし、武器も……短剣を腰に付けてるだけみたいだ。あれはどうなんだ?僕が言える事じゃ無いけどさ?


「そこにお宝があるのなら!例え火の中水の中!」

 あ、お宝しか見えてないかぁ……


「この前、この森で人より大きな蜘蛛を見た時も死ぬかと思いましたよ!」

「ん?」

 人より大きな蜘蛛を見た?それってアトラさんの事じゃないか?という事はこの人がアトラさんが見つかってしまった人間か?


「それってもしかしてさっきの仮面と似たような顔をしてた?」

「ええ!あの時見つけた蜘蛛が人っぽくなって僕を殺しに来たんじゃないかとヒヤヒヤしましたよ!」

 とりあえずタンケさんが件の人間で間違いないな?


「その事は他の誰かに話した?」

「いーえ?まだこの森に何かあるんじゃないかと探検していたので他の人には話していませんよ?」

「じゃあ黙っていてくれないかな?あの蜘蛛さん、僕の友達なんだ。色んな人に話しちゃったら僕の友達が危険な目に合っちゃうかもしれないから黙っていてくれると助かるんだ」

「人以外の友達ですか!それは珍しい!分かりました!黙っていましょう!」

 若干バカっぽい喋り方だけどちゃんと約束は守ってくれそうだ。とりあえずアトラさん問題はこれで解決したかな?


「で!で!あれはどうするんです?」

 台座の上に浮いている物を指差し、どうするのか僕に聞いてくる


「とりあえず取ってみようかな?」

「大丈夫ですか?危険そうなら自分が取りますが?」

「いや、僕が取るから大丈夫だよ」

 ソイルさんが僕の身を案じてか、代わりに取ろうと言ってくる。だが、これはきっと祠から出てきた光が導いてくれた物だと思うから安全だと思う。輪っかみたいだけど……このサイズはもしかしてベルトかな?


「そういえばタンケさんは僕が蜘蛛の事を黙ってる代わりにお宝よこせとかは言わないんだね?」

 こういうトレジャーハンター系の人ってお宝第一でそういう交渉をしてくると思ったんだけど、タンケさんはどうなんだろう?


「僕はお宝を発見する事が一番楽しいのでお宝が欲しい訳じゃないんです!どうぞ!どうぞ!」

 発見するっていう経験が一番のお宝って事か。それはちょっとカッコイイな?


「じゃあこれは僕が貰っても良いのね?」

「はい!あの光の玉もきっと貴方が出したんですよね?それなら貴方が入手するべきです!」

 タンケさんのあの顔はマジだな。じゃあ僕が貰おうか


「あ、ちょっと待って?触って罠でも発動したら困るから私は離れておくわ」

 エアラさんここで僕を見捨ててソイルさんの元に離れる。薄情者めぇ!


「オッケー!取ってみてよ!」

「まぁ、良いか……」

 皆距離を取っている。確かにこれを取った途端に爆発するかもしれない。でも取っちゃお


「……試練に挑戦してもらう」

 何処からか声が聞こえる


「何をすればいい?」

「お前がこの森で倒した蟲。その全てともう一度戦ってもらおう!」

 何処からか聞こえる声が僕に戦えと言ってくるけど……


「……?どういう事だ?」

 謎の声も困惑している。そりゃそうだ。僕はアトラさんの言いつけを守ってこの森の虫に危害を加えていない。一体も倒してないのだからもう一度戦えと言われても戦うべき相手が出てこないのは当然だろう


「なんかゴメンね?僕この森で一体も倒してないからさ?」

「……強き者よ、汝の力となろう……」


『ヴァーミンズ・ベルト を入手』


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 ヴァーミンズ・ベルト


 レアリティ ユニーク


 AGI +300


 耐久度 破壊不可


 特殊能力 害虫達の意地 様々な虫の特性を扱う事が出来る(3種類まで)


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 ……どうしよう。マジでどうしようこの空気。僕の手の中には黒いベルトが握られているから試練とやらには成功したんだろうけど……皆の方を見たら皆も呆気に取られているみたいだった



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― 新着の感想 ―
[良い点] ザ・ソロー思い出しました。 最新刊まで追跡なう
[良い点] 仮面ライダーハチ、誕生!
[一言] 試練さんも魔物?それでもベルト?アトラとは知り合い?
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