表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
182/1988

祠の導く先には?

「なるほど……アトラ様が作った村、そのアストライトという村に行きたいです!」

「私は先に花畑に行かせてちょうだいよ?」

 ソイルさんとエアラさんは一応どっちも村に行きたいみたいだ。エアラさんの方は約束でもあるし、花畑には行かないとな


「でもよくこんな所に封印されてたね?お疲れ様」

 祠の中は埃だらけで何も無い。そもそも封印されてる間ってどういう気持ちなんだろうか?


「動けないだけですからね。慣れてしまえば集中するのに丁度いいです」

「私は退屈で退屈で……ちゃんと反省したらその内出してやるって……」

 対照的な2人。動けないのは辛いなぁ……首から下が動かないという経験はあるけど全身が動かないっていうのは喋る事も出来ないって事だろう。勿論喋る相手も居ないとなると……


「せっかくだしこっちの祠も掃除しようか。封印されていた間もずっと守っていてくれたみたいだしね?」

 祠の周りは敵対存在は居ないみたいだし、この祠自体にも何らかの力があるんだろう。綺麗にして損はないだろう


「お手伝いします」

「助かるよ」

 ソイルさんも祠の掃除を手伝ってくれた。エアラさんは……まぁそういう事はしないタイプだって何となく分かる


「うわっ!?」

「何事っ!?」

 祠の掃除を終えた途端、祠の中から光の玉が飛び出した。僕とソイルさんの間を飛んで森の中にゆっくりと進んで行く


「あれ追いかけた方が良いんじゃないの?」

 良いんじゃないの?と言いつつ、既に光の玉を追いかけているエアラさん。待て待て、そんなことしたら逸れる!


「エアラさん待って!ソイルさんゴメンついて来て!」

 蜘蛛型フルフェイスを付けて走り出す


「わかりました!こら待て!エアラ!」

 光の玉、エアラさん、僕とソイルさんという順番で森を走る。ソイルさんは若干遅れ気味か……これはちょっとマズいな……


「そこのエアラさん!止まりなさい!【魔糸生成】」

「うぎゃ!?」

 エアラさんの翅に糸を引っ掛ける。するとエアラさんは墜落した


「ちょっと何すんのよ!」

「約束忘れた?勝手に行かないって約束したよね?」

「うぐっ……それは悪かったわよ……でもこんな止め方しなくても良いじゃない!糸外してよー!」

 糸塗れになったエアラさんが僕に凄い抗議してくる。光の玉の速度は僕達を待ってくれるのか少し遅くなってる気がするからソイルさんの速度に合わせる事が出来るだろう。でも流石に糸で絡めるのは可哀想だったか


「ごめんよ?糸はすぐに消すよ。消滅」

 エアラさんに絡みついた糸を消す。糸だけ綺麗に消えるのがとてもありがたいな


「さっきの糸はいったい?」

「アトラさんに教えてもらったんだ。ソイルさんまだ走れる?」

「はい!いけます!」

 エアラさんを墜落させたことでソイルさんも追いついた。エアラさんをフードに入れて、ソイルさんと一緒に光の玉を追いかける


「エアラさんごめんよ?後で好きなだけ花畑で蜜食べ放題して良いから!」

「ちゃんと連れてってよ?それならさっきの許す!」

 フードの内側からひょこっと顔を出して許してくれたエアラさん。とりあえずこれで全員の足並みは揃った


 ソイルさんが威圧的なのか、それとも光の玉を追いかけている間はそういう状態なのか、虫があまり寄ってこない。お陰で森を走り易くて良い


「そういえばお主は何という名だったか?」

「あぁ、アトラさんの話ばっかりで僕の事は話して無かったね?僕はハチって名前だよ。はい、樹液どうぞ」

 武士モードに入ってしまったソイルさんに樹液をちょっと多めに渡す。中々に燃費悪いな?まぁ走っているせいだろうけど


「良い名前です。これだけ樹液を貰えれば……」

「ん?何を?」

 ソイルさんが急に僕を掴み上げる。なんだ?


「飛びます!」

「うおっ!?」

 ソイルさんの背中が開き、ジェットの様な噴出が出る。まさかのジェットでビックリだ


「あっ!光の玉も早くなってるわよ!」

「追いかけます!」

 森を飛ぶカブトジェットは凄まじいGを味わいながら木を避けて光の玉を追いかける。いったいこの光の玉はどこに向かうんだ?




「あそこが終点でしょうか?」

 光の玉が祠に向かう際に目印にしていた道の真ん中にあった大きな岩の所に向かっている様に見えた。ソイルさんが着地を行うけど、両足で着地して地面を滑っていく様はまさにダイナミックの一言だ。しかもソイルさんの腕の中という特等席でだ


「多分そうだね。よし、皆行こうか」

「行きましょうハチさん」

「花畑まではまだ時間が掛かりそうね……」

 フードからため息が聞こえてきそうだ


「そこの光の玉待ってー!いったいどこに向かうのですかー!」

 僕らの来た方向と反対の方向から探検服を着た人間が光の玉を追いかけて来ていた。あの光の玉はひょっとして東の祠から出てきた光の玉?というかあの人間はいったい誰だろう?


「ふぅ……えぇ!?いったい何ですかこれ!?僕ここで死ぬんですか!?」

 まぁ、ソイルさんを見ちゃったら腰が引けるのも納得だ。カッコイイんだけどなぁ……


「僕はあの蜘蛛の化け物にここで殺されてしまうんでしょうか?あぁ……もっと色々発見したかった……」

「え?僕の方?」

 まさかの僕の方を恐れてたのか……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ