神域
『空島アストラエアが神域に認定されました』
「ほわっ!?」
神域に認定?どういう事だ?
「神域に認定ってどういう事だ?というかこれで何が起きるんだ?」
多分、アラクさんがここを拠点にするって言ったから神域認定されたんだろうけど、それってアトラさんとか、ウカタマが居るのに今まで神域に認定されてなかったのとは違うのか?
「神域?あぁ、そうか。この地に複数の神や神に連なる者が訪れたり、拠点にすると神域に認定されるのだ」
神と神に連なる者……つまり神だけじゃなくて、天使の人達もこの神域認定カウントに含まれてるのかな?
「神域認定されたのは……喜んで良いのかな?」
「神域となると、基本的には良い事が起きるな。制作物の品質が上がったり、自然回復力が神域では上がる」
はぇ~そんな効果が有るんだ
「因みに、その場に居る神や神に連なる者が多いと神域の効果も上がるぞ」
それは中々凄いな……神様が沢山来てくれると、それだけ良い物を作れるのか。まぁ、正直そこは別に頑張らなくても良いかな。来たい神様だけ来てもらう位で良いだろう。ここで神様向けに島を改造……なんて事をしたら皆に良くないし
「なるほど。まぁそれに関してはフワッと覚えておきます」
「まぁ、ハチならそれで良い。普通の人間にとっては神域に認定してもらえるとなったら、とんでもなく喜ぶんだがな?」
まぁ、神様がある意味身近な存在だからこそ、神域と言ってもそこまで凄いと思えないけど、神様が居るだけで多分リソース的には何も使用せずに生産する物の品質を上げられるとなればそりゃあ、凄い事なんだろうな
「だってねぇ?別に僕ら神様もそうじゃなくても別に変らないじゃん?皆空島で一緒に暮らしたり遊べる仲間だから、その1人の力の1つみたいな物で、その力が欲しいが為に特別にその人だけ優遇するみたいなのはちょっとね?勿論、協力してくれる人には僕だってお返しはしたいけど、神様だからってあまりにも特別扱いはしたくないなって。あと、特別扱いが当然だと思ってる神様はこっちからもお断りかな」
神様が多ければそれだけ神域効果が上昇すると言っても、迷惑な神様だったら流石にそれは看過出来ない。そうなったら神様だろうとお断りさせてもらう
「うぃうぃハチくぅん?なんか繋げられそうだったからちょっと様子見させてもらうよ~?いやぁ、最近ハチ君来てくれないからつまんなくてさぁ?でもそこが神域になったなら普通の所じゃないからちょっとの間はお邪魔させてもらうねぇ?」
うわ、何か黒くて、ちっちゃい2等身のニョロニョロした何かで顔の部分に穴が有るのが出て来た
「そうだ。確かにあそこは暇だ!たまに遊びに来てやろう!」
「お前達はしゃぎ過ぎだ」
追加で2等身の緑っぽいタコと黒い影の様な何かが現れた。この3体ってもしかして……
「もしかしてニャラ様とクタルファ様とアビス様ですか?」
「「「うむ」」」
はぇ……とんでもないのが来ちゃったな?
「ちょっと、待っててくださいね?」
一旦、ごちゃついちゃうから、アトラさんとアラクさんの話を終わらせてからこの3柱と話そう
「いや、時間が勿体ないからハチの島を見ていくぞー!」
「そうだそうだ!直接見させてもらう!」
「すまんハチ。1日に我らが神域に入れる時間は限られる。それに一度戻ってしまうと、その日はもう二度と入れんのだ」
アビス様が完全に保護者って感じだな。にしてもアビス様がこっちに来られる様になったのならそれは確かに色々見てもらいたいな。アビス様はあの空間から出られないみたいな状況で覗き穴から見る位しか出来なかったのが、島が神域になったお陰で体の制約はあれど、来る事が出来る様になったんだ。それを一度追い返してしまうと、翌日になるまで来れないとなるなら、追い返すのも可哀想だ
「分かりました。案内しますからあと少しだけ待っていてください」
2人にも流石に説明はしないとな……
「ちょっと、僕の戦闘での師匠達が来てくれて……どうやら時間制限が有るらしいので、ごめんなさい。案内して来ても良いですかね?」
「あぁ、こっちは無事に終わったんだ。そっちの……方々を案内してあげると良い」
「うん!ハチありがとう。そうだ!せっかくここを拠点にするなら糸とか布とか作っても良い?ハチにあげるから」
「おっ!それは助かる!布は意外と手に入らなくてね……そうしてもらえるならこっちとしても、喧嘩とかしない範囲だったら好きな所を自分のスペースにして良いから。えーっと……多分姫様辺りなら街の方も詳しいと思うから、姫様とかを頼りにしてみると良いかも。ごめんそれじゃ!」
「「あぁ」」
申し訳ないけど、アビス様は安心出来るが、ニャラ様とクタルファ様はなんか意気投合して2人で何かやらかしそうだからあっちの様子も早急に確認しないと……
「ハチも大変だな……」
「今の3体の方々って……なんですか?とんでもなく恐ろしい雰囲気を纏っているのですが……」
「あぁ、すまんなミオン。あの方々はどちらかと言うと、邪神に類する方々のハズなのだが……」
「じゃしっ!?えっ!?」
「どうやらハチの前では善も悪も関係ない様だ……」
空島案内に行ったハチの後ろ姿を何とも言えない雰囲気で見送るしか出来ない3人であった




