バー開店
「とりあえず昨日の練習で良い感じだったし、早速街の方で準備しますか」
バーの場所についてはオートマトンさん達にも協力してもらい、秘密裏に整備が進んでいるから多分もう出来ていると思う。知る人ぞ知るって感じの裏にある感じで、村の皆が楽しめる様にしておかないとね
「ネーシアさんもあの後すっごいやる気でお酒の種類を増やしてたみたいだしなぁ……」
「ハチさん、お待たせしました。バーの準備整っております。それと、例の物の生成にも成功し、既に作成できました」
「そりゃあ良いや。それじゃあ早速ソレを持ってあそこに行きますかねぇ」
いやぁ、動きが早くて助かるなぁ……まぁネーシアさんのあの樽を1つ借りれたからだと思うけど……
「お邪魔しまーす」
「邪魔するなら帰って~」
「そっかぁ……じゃあウカタマの為に作った物は僕らで……」
「ささっ、お客様。どうぞ中へ」
自分に何か持って来てると理解するや否や、あっという間に空島に用意されたウカタマの社の中に通される
「それで、態々ハチがここに来るなんて、今日は何用かな?」
「まぁ、準備が整ったからお酒のお店を開く事になったから、まぁウカタマに祝福でもしてもらおうかと思って、ほい。御神酒」
「ほう?どれどれ……」
「あ、ついでに作ってもらった杯もあるからそれも一緒に供えるよ。これでグイッと一杯どうぞ」
「うほー!祈っちゃうもんねぇ!この蓋を開けただけで薫って来るにほひ!これは米で作った酒だるぉ?くぅぅぅ~!キリッとしてて広がる旨さとかほり!うんまぁ~!」
いつかお礼はしておこうと思って作った日本酒は成功したみたいだ
「ハチ!この酒ってウチの者にも作れるか?それだけ知りたい……」
「これはウカタマが作った米とオートマトンさん達が作った麹菌とかネーシアさんの樽。後はその杯のお陰で成り立ってる酒なんだよ。まぁ、その2つを譲ってもらえれば多分御稲の国でもある程度再現出来るハズだよ。その杯は入れた物がより美味しくなるって代物だから、それはウカタマ専用だね」
「専用……ふ、ふふふ……そうかそうか!これはしっかり祈ってやらなければな!」
ウカタマにお酒を納めた事でこれからも色々手伝って貰えるだろう。日頃の感謝もあるけど、一応相手が神様なら、今後の事を考えてもこの位はしておいた方が良いかもしれない
「さて、ウカタマの要件は終わったし、次はメロにゃんの所に行ってみるか」
店舗の方はもうすぐにでも稼働して問題無い状態にはなったと思う。となると、一応バーテンダーとなるネーシアさん用の服も用意した方が良いだろう。天使の服装でやっても良いかもだけど、せっかくならね?
「メロにゃんさん……」
「あら、また新しい衣装かしら?」
「はい、実は……」
メロにゃんさんに事情を説明して、バーテンダーの服が欲しいと伝える
「なるほど。その子は連れてこれるかしら?」
「それはちょっと難しいので、メロにゃんさんには空島の方で採寸とかその他色々してもらいたいのですが……」
「分かったわ。そうね。今回お代はそのバー。私が行っても大丈夫かしら?」
「えぇ。それは問題無いと思いますよ。そうですね……一応バーの場所は隠しているんで、最初は信用している人に行き方だけ紹介しましょうか。そこからこの人なら良いと思った人にはバーの行き方を教えても良いっていう風に広めていけばバーテンダーの子が無理しなくて良い気がします」
「分かったわ」
勿論、知っている人は知っている名店的な雰囲気を作りたいのだから、広まり過ぎると困る。村の皆とまずは限られた人から。それで徐々に信用出来る人がバーで楽しむって感じにしていけば良いかな
「一応、営業時間は夜の時の一部だけにするのが良いか」
勿論、定休日もアリの無理の無い計画で行かないと大変だからね
「ドレスコードとかはあるのかしら?それならバシッと決めて行くけど?」
「いえいえ、ドレスコードを用意するつもりは無いです。格式高い訳では無く、僕の友達が交流とかしやすい様にする為の場を作ろうと思っただけなので」
アトラさん達にドレスコードなんてそんなの堅苦しいだけだし
「分かったわ。バーテンの服だけど、すぐに用意するわ。実はコスプレ的な衣装も多いからそれは既にあるのよね。しかも、体形に合わせてサイズも変わるわ。ハッちゃんが雲毛とかウチに卸してくれるからサイズ自動変更が組み込みやすくなったのよ~」
なるほど、まさかの過去の行いが今の僕を助けてくれた。これはラッキー!
「それじゃあありがたく頂戴します!では今夜、城まで来て下さい。案内します」
他の皆も案内しないとなぁ……
「という訳で、ネーシアさん用の服も調達してきたので、これを着てカクテルを作ってください」
「おぉ!この衣装!実はハチさんがあの恰好でお酒を作る姿を見て良いなと思っていたんですよ!これはありがたい!」
よしよし、従業員もこの分なら大丈夫そうだ
「よし、それじゃあ早速今日から開始しようか!」
「はい!」
という訳で空島にバーを開店だ!




