協力の輪
「ワリアさーん!」
「おぉ?ハチか。どうしたんだ?」
いやぁ、普通に忘れる所だったなぁ……調味料やワインを作っていたのはワリアさんだ。これはちょっと頼んでみるしかない
「ワリアさん。ちょっとワリアさんにご相談がありまして……」
「おっ?また何か無茶な相談かぁ?」
それはちょっと否定出来ないなぁ……
「えぇ、まぁ……無茶な相談かもしれません」
「お、マジかよ。で、どんな事を相談したいって?」
「はい、ワリアさん、醸造とか出来るんですよね?ワインとか醤油とか作ってましたし……」
「まぁ自己流だけどな?」
「そこで、お願いが有るんですが、この4種類のお酒って造る事って出来ますかね?」
ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムの4種類のお酒の聞いた作り方をメモった物を見せる
「おいおい、酒か?ハチが?」
「いえ、これは僕が飲む物では無く、村の皆や街の人とかでも飲めるバーみたいな物があると良いかなと思いまして……アトラさんとかにも飲ませてあげたいなと計画してる物です。この4種のお酒と果実ジュースなんかを組み合わせて沢山の種類のお酒をご馳走出来れば良いなって」
「なるほど、コイツら単体で飲むんじゃなくて、混ぜるのか。それも、混ぜる種類が増えればその分種類も増える……中々面白いじゃないか」
何となくのイメージだけど、普通の酒場とかでカクテルが出て来るなんてイメージは無い。良くある酒場ってイメージが強いのはエールって呼ばれてる物じゃないかな?実際エールってビールと違うのか知らないけど……こんどその辺も調べてみるか
「イメージとしては、お酒とジュースを混ぜた物、カクテルをこういったグラスに注いで飲んでもらうので、そこまで悪酔いまではしないかなと」
「ほう、これは上品な酒の楽しみ方って感じだな。まぁ、豪快に楽しむってのも嫌いじゃないが……」
まぁ、ドナークさんとかめっちゃお酒好きだろうし「まどろっこしいからジョッキでくれ!」と言ってきそうだけどね……
「ふむふむ、なるほどな。手間は掛かるが、コイツは中々面白そうな仕事だ。物さえあればやってみても良いぜ」
おっ、協力してくれるのか。となると、原料を集めないといけないな
「分かりました。それじゃあ植物に関する協力者にも手伝って貰います。あ、そうだ。そうなると、もう一つ作って欲しいお酒があるんですけど……」
「俺はそこまで酒に詳しい訳じゃないが、まぁ造ってみるさ。言ってみな」
「はい、それじゃあ……」
あの人?に協力してもらうなら一応これも造った方が良いだろう
「分かった。そんじゃあ、こっちは準備しておくから、そっちも頼むぞ」
「はい!」
そうだな……これは眷属のスライム達とかにも手伝って貰うのが良いかも
「ちーす、どもども」
「おっす~。どしたん?なんかあった?」
これでも神様なんだよねぇ……
「ウカタマ。ちょっと協力して欲しいんだけど、良いかな?」
「んー?協力して欲しい事?何々、何を手伝って欲しい、ん……?」
言っている最中にバーの営業している最中の予想の絵を描いたメモを見せる
「大人の雰囲気漂うお酒を楽しむ場」
「むむっ!」
「毎日違う種類のお酒」
「むむむっ!」
「そうだな。協力してくれるならウカタマ用のお酒だって造っても良いかも」
「乗ったァ!」
よし、協力者確保っと
「それじゃあ、この作物を作って欲しいんだけど、行ける?」
「ふむふむ、これでその施設を作れるんだな?」
「まぁ、ウカタマが飲みたいお酒の種類を増やしたいのなら果物とか色んな種類があればその分楽しめる量は増えるね」
「よっしゃー!沢山作っちゃうもんねぇ!」
乗せれば簡単に乗って来るなぁ?まぁ、そのお陰でバーの品ぞろえは何とかなりそうだ
「そうそう、ウカタマの国の方で醸造が出来るなら、こっちで造った物を真似してもらって構わないよ。その為にもまずはウカタマに試作を造ってもらわないとね?」
「ほうほう、真似して良いのか?」
「ウチは交流の場を作りたいだけだから。そっちは仕事の慰労とか、街にお酒も売り出すとか色々やり方はあるんじゃないかな?」
勿論、ウカタマが協力する事で旨味が無ければ意味が無い。だからこそウカタマに僕らの所で成功したら自分達の所で商品化するみたいな事をしても良いとしておけば、協力は取り付けやすいだろう
「なるほど、ウチが儲けても良いのであればむしろ協力しない方が勿体ないな!よし!早速やろう!」
協力の輪は広がれば造れる物もやれる事も増えて来る。でもそうだな……ここはダメ押しの技術もブッ込んでみるか
「アレは造るのに麴菌が必要なんだっけ……菌を使う……つまりバイオテクノロジーって事だよな?なら……」
やっぱり技術拠点と化したオートマトン島は凄いな。事ある毎にあそこは寄る事になるや
「まぁ、技術はあればあるだけ良いもんな。扱う人が暴走しなければ良いだけだし」
どんな技術だって扱う人間次第で世紀の大発明とも、悪魔の発明にもなる。使う人間がキチンと使えば全ての技術は無限の可能性が有るんだ




