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もう一つの祠?

「んー、不味くはないけどやっぱり花の蜜が良いなぁ……」

 樹液じゃ満足出来ないらしい。花の蜜かぁ……セカンドラ北のマンイーターが居る花畑にでも連れて行けば良いのかな?


「花の蜜なら花畑を一か所知ってるけど……」

「花畑!?連れて行って!」

 花畑って聞いた途端急に僕の腕を掴んで引っ張る妖精。だが、何かを思い出したのか引っ張るのをやめる


「あっ、そういえばアイツの事忘れてた」

「ん?他に誰か居るの?」

 アトラさんにお仕置き封印されたのがまだ居るんだろうか?


「私を封印する為にもう一つの祠に自分から封印されに行った奴が居るんだった」

「え?何、それは……」

 自分から封印されに行くってどういう……


「祠は2つ機能してると封印の効力が上がるって言う事で態々自分からアトラ様の為にって。君がお供えしてくれたお陰で私は出れたんだけど、ソイツも一応出してあげてくれない?」

 アトラさんをかなり慕ってお仕置き封印されたコイツが逃げ出さない様に自分が一緒に封印されて効力を上げるって相当だな?


「何か精神修行として丁度良いって言ってたよ?」

「変態か何か?」

 どうしよう?アトラさんはそのもう一人?の事は何も言ってなかったからもう一つの祠から出すかどうかは僕次第って事だよね?いや、迷う事では無いんだけどさ?


「まぁどういう人かはさておき、その祠はどこにあるの?」

 もちろん祠から出してあげなきゃ可哀想だ。祠から出す為にもどこにその祠があるか聞こう


「確か西の方?」

「ざっくりだなー……でも多分パターン的に真逆の位置にあるでしょ」

 こういうのは森の真逆の位置にあるとみて良いだろう。西かぁ……あの岩の所まで戻ったとしてもまた1時間は西に向かって行かなきゃいけないって考えるとこの森を大体2時間掛けて横断しなきゃいけないって結構大変だぞ?


「さて、頑張って行きますかー!」

「ちょ、ちょっと!?ここに置いていくつもり!?」

「え?」

 普通にここは安全そうだからこの妖精を置いて行こうと思ったら肩に乗って来た。え?連れて行くの?


「連れて行かなきゃダメ?」

「ダメに決まってるじゃない!せっかく出たんだからアイツも解放して花畑に行くまではついて行くわ!」

 うわぁ……面倒な事になったなぁ……


「じゃあ一つだけ約束して?森を移動する間は絶対に僕の言う事を聞く事。それが出来ないなら森に置いていくよ?」

 勝手に飛んで行ったりされたらとてもじゃ無いけど守り切れない。約束しても守れないなら悪いが自己責任って奴だ


「ほ、本気の目ね……分かったわよ……で、何をすれば言いわけ?」

「何もしないでジッとしている。この森では戦闘行為はしないのが一番安全そうだからね。それを守れないならカメムシの前だろうが、ムカデの前だろうが僕は君を置いて行く」

 こればっかりは真剣にならざるを得ない。守る為にも僕の近くで何もしないという事がイレギュラーが無く、この森を抜ける為に重要な事だと思う


「は、はい……」

 若干威圧っぽくなってしまったかな?このままだと感じ悪いか


「まぁジッとしていてくれれば解放が終わった後に花畑まで送ってあげるよ。だから約束してくれるかい?」

「そう言う事ならジッとしてるわ。約束する」

 約束してくれたからとりあえず安心だろう。でも肩に乗るっていうのはずり落ちる可能性とか色々あるからフードの中に入ってもらおう。仮面を変形させてフルフェイス状にして……そうだ!虫っぽい感じにしたらカッコよさもあるし、良いかも?


 フードを下ろし、頭はアトラさんっぽい感じの蜘蛛の様なフルフェイス装備にした。これで顔は隠しつつ、フードに妖精さんを入れる事が出来る


「よし、とりあえず肩じゃなくてこのフードの中に入ってくれるかな?」

「そこに入っていれば良いのね?あっ、案外落ち着くかも?」

 フードの中を気に入ってくれたみたいですっぽり入っている。これなら走っても問題なさそうだな?


「走って移動するから一応気を付けてね?」

「はーい」

 返事も聞こえるから万が一何かあった場合でもすぐに気が付けるだろう。そもそもこの仮面は着けていても景色は見えるし、音も聞こえるから何の問題も無い


 自分の作った橋を渡り、森を引き返す。コンパスも見てちゃんと方向を確認したら出発進行だ

「えっ!?ちょっと!?速いって!」

「だからちゃんと掴まっててよ?落ちても知らないよ?」

「冗談じゃ無いって!」

 森を走って進む。案外【欺瞞】の効果が強くて走ってもバレないのが分かったから戦わないのが一番早く進める方法だったりする


「早く花畑に行きたいんでしょ?」

「それはそうだけどっ!」

「じゃあさっさと解放に行くべきだよね?」

「じゃあゆっくり早く行ってよー!」

 どうしろと言うんだ。思いっきり矛盾してるじゃないか……


「面倒だからこのままの速度で行くよ?」

 一々この妖精さんの要望を聞いていたらいつまで経っても着くものも着かない。この速度ならしがみ付いてられるみたいだし騒いでるけど案外問題無いのかもしれない。無視だ無視!先行くぞー!



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