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1787/2015

印の所へ

「因みに、その相手ってどんな姿をしているんですかね?」

 アトラさんが村に引き込もうとしたのなら、また何かしらの変異種みたいな特別な相手ではあると思うけど……


「うぅむ……儂がこの目で見たのは歩くカメレオンではあるが、ハチの目から見たらどう映るか……」

 なるほど、アトラさんが見た姿が多分本当の姿なのかな?となると、相手は相当変身というか、見た目の変化が凄いのかもしれない


「とりあえずこの場所で探してみます!」

「あぁ、アイツの事を頼む」

 アトラさんが周りを気にせずお風呂とか入れる様に、そしてまだ見ぬ仲間を集めにいざ出発!




「まさか、シクサームのこの氷雪の中に居るとは……カメレオンって事ならてっきりもっと暖かい所に居るとばっかり……」

 先入観で決めつけは良くないとは思って居ても、カメレオンと聞いたら普通に熱帯系の場所を思い浮かべてしまう。とにかく、この地図を辿って行くしかないな


「おぉっと……これは困ったな」

 今回はデータでは無く、紙で地図を貰ったからここに来てちょっと問題が発生した。地図ではこの先に居るというのは分かっている。だが、今目の前には洞窟と聳え立つ山がある


「この書き方だと高低差が分からないから……どっちだ?」

 印が書かれている場所的に洞窟の中とも、山の上ともどっちとも取れそうな位置だ。先にどっちから行くべきだこれ……


「今の所ここら辺の雪はそこまで激しくないから今の内なら山も登れそうだし……先に山を登るか」

 山の天気は変わりやすいし、まだ雪が大人しい今の内に山の上の方を確認した方が良いかもしれない。洞窟は……まぁいつでも調査出来ると言えば出来るだろうから、調査がしやすい内に調べた方が良いよな


「では、レッツ登山!」

 にしても、本当に今までの積み重ねのお陰で山も登りやすくて良い。今の僕ならアイゼンもピッケルも無しで氷の壁でも登って行けるからね。デカい荷物も無くて良いし、クレバスに落ちたって上がれる




「いやぁ、思い付きで登って来ちゃったけど、やっぱり中々時間は掛かるね」

 お腹が減ってる状態ではあるけど、ラータのお陰でガス欠せずにベルトパワーのジャンプとダッシュを駆使してガンガン山を登れる。雪で隠れたクレバスに落ちかけても【ダブルジャンプ】で復帰も出来るし、【アダプタン】とシロクマコスチュームで環境に適応してるから寒さもそこまで感じない。まぁ、雪山を全力疾走する二足歩行のシロクマという何とも変な光景にはなるかもしれないけど……


「一応、地図上ではもうそろそろのハズだけど……」

 果たして、普通に洞窟に入れば良かったのか、山を登って正解だったのか


「ん、何かある」

 山を登り、氷の壁を歩いて踏破したら、そこには小さなキャンプの様な物があった


「これは……もしかして当たりか?」

 こうなると、逆に洞窟も気にはなるけども、今はこのキャンプ地の主に会わなくては


「すみませーん……」

「えっ……く、クマ!?ぶ、武器を……」

「あー、ごめんなさい。こんな恰好じゃ誤解させちゃいますよね。よいしょっと、おぉ寒ぅ!」

 流石にシロクマコスチュームを脱ぐと寒かったけど、まずは誤解を解こう


「おっ、真っ白なカメレオンさんだ」

 カメレオンがそのまま人型になったかの様なその姿。体表が周りの雪に合せた真っ白な色になっている


「あっ、しまった!」

 なんだか失敗でもしたらしいカメレオンさんが何か空中に描く様な仕草をすると、途端に目の前に真っ白な髪色をした男の人が現れた


「や、やぁ……こんな所まで遥々何用かな?」

「あ、別に自然体で構わないですよ。僕は……アトラ=ナトさんの友達って言えば良いかな?」

「えっ!アトラさんの!?」

 凄い驚いた表情をしている。アトラさんの事は忘れてはいないみたいだ。それはひとまず一安心だな


「実は、アトラさんに君を改めて村に迎え入れたいっていう話が出てね。それで、僕が代わりに来たんだ」

「ちょ、ちょっと待って欲しい。アトラさんがまだこんな俺っちの為に迎えを寄越してくれるなんて……というかそもそも、君は人間……で良いんだよね?そんな君が何故こんなとんでもない所に……いや、まずは寒いだろうし、テントの中に入ろう」

 うん、アトラさんが村に引き入れたいって言うのも分かるなぁ……自分への自信は無いけどこの人優しいな


「あ、良いですか?お邪魔します」

「こ、こんな辺鄙な地までよ、ようこそ……」

「いえいえ、久々の登山で中々楽しかったです。まぁ、流石にネズミ返しみたいな氷の壁を登るのは大変でしたけど……」

「えっ!あの死の氷壁を登って来たんですか!?」

 え、何その異名……あそこそんなヤバい所だったの?


「あの氷壁は、並みの装備じゃピッケルも刺さらないのに……」

「あぁ、壁を歩いて来たんで」

「壁を歩く!?」

 あぁ、これこのままだとこっちの話だけで全然進まない奴だ。とりあえず話題を変えよう


「まぁ、この話はここまでとして、アトラさんの話も後にしましょう。まずはどうしてこんな所でキャンプをしているかの話とか聞かせてもらえませんか?」

 こっちの事情では無く、まずは相手の事情から聞く事にしよう



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― 新着の感想 ―
ハチ君クオリティを他人が理解するには難解すぎると思うかな… それこそ脊椎を引き抜かれても余裕で歩いていけるくらいないと到達はできなさそう
やっぱゲッコー人権スキルだよ
死の氷壁を歩いて来たという訳わからんエピソードのせいで、ハチ君の第一印象がヤバいことになってそう
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